見出し画像

全VFXダンボール製「キラーメイズ」はパルプ含有率100%の傑作ホラーコメディだ(2017年の映画)

恋人アニーがしばらく出かけてしまうことにスネたデイブは居間にダンボール迷路を建造する。帰宅したアニーはデイブがその迷路で遭難して出られなくなったことを知る。もう30歳だというのに。

よく来たな。前回の続きだ。
今日は殺戮ダンボールホラー「キラー・メイズ」を紹介する。お前は心の王国を実体化してしまうとどうなるかを知る。

画像1

どーも、お望月さんです。
前回「自分の心の王国を持つべし」としつこく言っていたのはこの映画レビューの埋め込み素材用だったんすよね。だいじ非現実。

というわけで「キラー・メイズ」です。私はこれを渋谷のシッチェス祭りで見てきたんですが非常に混雑しててミニシアターの60席がすぐに満席という状況。かなりの話題作であることがわかります。

あらすじは単純かつシュールなもので「飲み込める人はすぐ飲み込める」タイプのやつです。つまり《大人になりたくない30歳へのサイコダイブ》であり定番のやつです。大人になれない「何か」を取り除いて先に進めばよい、子供の王国は終わり正ちゃんには子供ができて劇画オバQは去っていく、開始五分でわかるわそんなの! ではあるんですが、それでもこの映画が特別なのは迷宮のディティールであったりハンドメイド感にあふれたダンボール工作の数々ですね。

序盤の見せ場である殺戮シーンはまさに白眉で惨劇が発生しているのに笑えてしまう。

トラップ発動、惨劇、首が落ちる、飛び散る赤い折り紙!

トラップ発動、バンブートラップ、飛び散るおりがみと紙吹雪!

最高かよォー!FOOOOOOO!!
デイブ、アニー、ナードのゴードン、親友のレナード、観光客、報道3人組、バカップル、ふくよかと殺しがいのあるメンバーが勢ぞろい。誰が次に色紙となって散るのか。楽しみですよね。

そしてクレジットにオリガミリソースセンター&フレンズの記載がありめっちゃ手作りしたということがヒシヒシと伝わってきます。これが人間の暖かさだよ。

そして、中盤。
カトゥーンにありがちな縮尺がどう考えてもおかしいパイプに潜り込んだデイブたちがマペット化してしまうシーケンスがめちゃくちゃ楽しい。ファンシーにファニーとファンシーをかけて100倍だ!わかるかこの算数が!エェッ!?

あまりの愛らしさに英国向けトレイラーにも登場した模様。

物語の折り返し地点。
デイブを救出して脱出……というところで大問題が発生します。迷宮が自己増殖して「外に広がっている」ことが判明、彼らは迷宮の深奥に再び挑戦していく、という熱い展開が待っています。お土産屋でデイブがうっかり買っちゃった日本刀を構えて。(おまえ30歳だろって再び劇場が湧いたシーンです)

そんでもって気の利いたサウンドと共に作品は大団円。非常に楽しい作品でした。人は死ぬけど、まあ一部(後述)を除けばキッズでも楽しめる気がします。 ターゲット対象年齢は中年小学生男子ですね。

キワドイシーンのご注意(問題ポイント)

折り返し地点の付近にセーブポイントがありデイブの安息の地でアニーへの愛に溢れたエリアなんですが、そのギリギリ外れに「リアルではない巨大な女性的な器官」が穴をあけているシーンがあります。(ソレだと気づくレベルではない抽象的なものです)

それに男たちが次々と魅入られ腕を伸ばし……「罠だ、やめろ」というシーンが何回もあります。

(これは……[意味深な効果音])「やめろ、罠だ」

(これは……[意味深な効果音])「「やめろ、罠だ」」

(これは……[意味深な効果音])「「「やめろ、罠だ」」」

なんでここに尺を割いた。製作者はバカなのか。ならば信頼できるバカだ。劇場が最も湧いた際どいギャグシーンなのでお見逃しなく。

こちらは米国版DVDの梱包の様子。DIYの愛情がありますね。日本でもメディアが欲しいな。オープニングとエンディングのダンボールアニメーションもポップで最高なんだよ。

こちらは見た直後の感想です。よろしくね。

【鑑賞情報】渋谷の公開は終わったけど、名古屋や大阪でチャンスがあるようです。海外では配信もしてるようですのでよろしくしてください。

追記:大阪で鑑賞チャンス

シネリブレ梅田で感想チャンス重点!!

【上映日程】
12/8(土)、12/10(月)、12/12(水)、12/14(金)

ぜひ良かったら観に行ってみてください。

【Amazonプライム特典に追加されたよ】

プライム特典で見れるのでレッツ迷宮!

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0P0WN9VL50OUT0OCOMOILV8XIO/ref=share_ios_movie



いいなと思ったら応援しよう!

お望月さん
いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。