いちばんすきな花の第6話ひとり感想戦
いちばんすきな花の第6話をみた。話す相手もいないから、ここに書いておく。
椿さんの婚約破綻を軸に緻密な構成で群像劇を描いた1から3話。紅葉くんと夜々ちゃんにに焦点を当てた4話と5話。
当然、次はゆくえさんが中心かと思いきや、確かに盛り上げ所はゆくえさんだが、物語の展開としては椿家の行く末に焦点があたる。
第6話は全体ていうと折り返し地点なので、ここまで積み重ねてきた仲良し4人の状況をここでひっくり返して後半に突入という流れ。
関わりのない4人が出会い仲良くなり、またバラバラになる。ではこの出会いは意味がなかったかと言えば、そうではなくて…という展開になるのだろう。
予告編ではもう椿家には集まっておらず、もっとあの空間で4人の幸せな日々をみたかったなと思わさせられるが、だからこそ今後また何かしら4人が仲良く過ごす場が生まれるかもという期待も高まって目が離せなくなる。
………
第6話ではジェンダーについてのやり取りが多かった。あと「タイプではない」というセリフ。
友情と恋愛というのはこのドラマの大きなテーマ。男性的、女性的といった規範に縛られることを否定していく。
だが、牛丼屋で女性陣の前では言えないねと話をする男、イロチのパジャマで盛り上がる女性など、ステレオタイプの男性や女性が描かれるのが面白い。
他人から強要される男性的、女性的なものは否定しつつ、自らの意思で行う男性的、女性的なものは否定しない。
人それぞれ、自分が好きなのもを肯定することの大切さはドラマのタイトル「いちばんすきな花」に繋がっていくのだろう。
自分の思っていることと、他者から思われてることのズレが背景にあることが今まで語られてきた。
優しくない人と思っていても他者から「やさしい人」だと思われていたら「やさしい人」になる、
その関係性を友達だと思っていても「ナンパ手伝うのは友達なのかな」と否定的に語られる。
そして今回「タイプではない」のセリフが示唆するのは、自分のなかの認識のズレ。タイプではないけれど「好き」というのは十分にありえるわけで。
……
ドラマの展開としてタイトルからみても、椿さんが何かひとつを選ぶことでハッピーエンドになるのかと思っていた。
だか6話ではやくも椿さんは大きな決断をする。家を出る理由としてはあまり説得力もなく、何かの伏線なのだろうか。
群像劇の1話から3話、個人戦の4話と5話、そしてちゃぶ台返し6話とそれぞれテイストがかなり違う。
今後、再び群像劇的にするのか、個人を掘り下げるのか、今回のように物語を激しく展開させていくのか。それらが組み合わされるのだろうけど、最後はみんなだれかのいちばんすきな花であって欲しい。