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ST協会の改訂生涯学習プログラムについてのメモ

 現在表記の通り改訂生涯学習プログラムについてパブリックコメントが求められている。見た感じ、正直まじで何考えてんだって感じだった。これを作成した人はママにおんぶに抱っこで育って、挫折を知らず、初めて就職した職場が偉い人の職場で何もしなくても研鑽できた人。育児は配偶者任せで、金銭的余裕があり、大学院までぬるぬる卒業した人。もしくは孤独な独り身で趣味も家族もなく、家と大学の往復の毎日、研究一筋で、臨床現場のSTが低賃金や子育てで余裕がないことに気付いてない共感性の乏しい中年チー牛ST像の極致のような人物かもしれない。
 最近の県士会との連携を推し進める協会の動きも死ぬほど不愉快で怒鳴り散らしたい気持ちでいっぱいだったので、それも含めてパブリックコメントをしたためた。記録用にここに残しておく。以下が送付したパブコメ。

●良いと思った点
 ・取得単位管理システム
 ・専門講座のオンデマンド化
●悪いと思った点
 ・基礎講座もオンデマンドでよいのではないか。地域でのつながりをつくると言うような目的で地域開催であったと思われるが、基礎講座を受けた程度で地域のつながりなどできない。むしろ地域ごとに格差が出ていて良くないのではないか。
 ・認定の更新が活動群25単位は多すぎる。
 ・キャリアアップラダーにも言えるが学習到達目標の特に研究の部分が現場に即してなさすぎる。
 ・社会貢献活動の定義が曖昧かつ誰でもできるものではないし人脈などのツテがなければできないことも多く不平等になるのではないか。
 ・協会は都道府県士会との連携を推し進めており今回も専門STの要件として県士会の推薦書が挙げられているが、県士会を挟まず、「実習受け入れ何単位」で良いのではないか。
 ・社会貢献活動というが、それが有資格者である我々を最低賃金未満でボランティアと言う名の労働を行わせる名目であるなら、そもそも職能団体としての信用が著しく損なわれるものだと思われ腹立たしい。(現に福岡県士会は言語聴覚の日ボランティアで最低賃金未満での拘束を行っている)
 ・専門STの修士ないし原著論文3編という要件は、臨床をメインとしているSTがこのプログラムの上級講座の研究の部分を受ければできるはずだと本当に思っているのか?おそらく困難であるし原著論文3編はそもそも職場に修士以上の経歴を持つ指導者がいるなど限られた施設でしか実施できないと思われる。これを県士会がサポートするなどの考えなのかもしれないが、研究計画の修正やデータの処理などをそのような遠隔で密に行うことは困難だろうし、各県士会にそのような人員が確保できるとも到底思えない。
 ・「高度な臨床技術に加え後進を育成し社会的責務を果たす専門職」として専門STをこの要件で設置したとして、おそらく取得するのはごくごく一部であり、結果的に専門STは希少な存在とはなるが、傍から見たら「高度な臨床技術に加え後進を育成し社会的責務を果た」せるようなSTはごく一部なのだろうなと、よそからは思われそう。
 ・PTやOTの専門では専門STよりも条件はゆるいにもかかわらず取得者は少ないため、このまま行けば制度を始めたものの取る人がいなさすぎて無用の長物となりそう。
●改善要望
 ・基礎講座のオンデマンド化
 ・認定更新条件の緩和
 ・要件から社会貢献活動の廃止、ないし最低賃金以上の労働を協会が保証すべき
 ・都道府県士会推薦書は不要、実習受入れ状況や社会貢献活動もオンラインで管理し、それを要件とすればよい
 ・原著論文は1編にすべき
 ・上級講座をうけるだけで原著論文がかけるようになるような口座にしなければならない(ここ数年の研究の専門講座は受けましたがあれだけではかけるようにならない)
 ・専門ST要件はそもそも現行制度の認定試験と同じく、数日間の講義と症例登録を行い、それに加え原著1編などが妥当なのではないか。

●最後に
 今回のこの改訂版試案を見て、協会の方たちは構成員の実状をまったく理解していないのだろうなと感じた。低賃金、リハ科でのヒエラルキーの低さ、指導者のいない職場、地域のつながりが欲しくても作れない、県士会はお金がかかる割に何やってるかわからないし地域のつながりにも繋がらず入る意義が見いだせない、子育て世代で知識の更新が時間や金銭的に厳しいなどの現場で実際に働く大多数のSTの実状が全くわかっていない。キャリアアップラダーに示されるような理想的なSTになれる環境は、凄腕のベテランがいるような施設に限られており、世の大多数の施設は挫折した中堅などが後進を育て、その後進もどんどんこの仕事に魅力を感じず挫折していくという連鎖が拡大している。この改訂版をつくったワーキンググループ及びそれを承認された協会の方たちはそのような挫折も知らず恵まれた環境で子育てもせずに仕事に従事されてきたのだと思われ羨ましい限りです。ぜひ地域の病院や施設での臨床をローテートされて、若手と同じ賃金で働かれて見てはいかがでしょうか?
 県士会との連携を強めているが都道府県によってサポートにも差があり、そこを解決せずに話を進めていっているのは大多数の協会会員を非常に軽んじている。私が住んでいる福岡県の県士会は何をやっているのかもわからない、保証・保険もない、勉強会も年に一回主催する程度で年7000円も徴収されるし、ボランティアを称した最低賃金未満での有資格者である我々を使役する。それを容認し職能団体だから加入しなければ生涯学習に支障が出ると協会が言っているのは、職能団体なのか疑わしいほど腹が立つ案件である。地域で臨床を行うSTをナメてるとしか感じれない。都道府県士会は廃止すべきだとすら感じるまである。県士会との連携を進め、生涯学習システムにまで組み込むなら、そのあたりを協会として整地してからの話だと思う。
 専門STの新設が今回のプログラムの目玉だと思われるが、何を目標に誰を対象にしているのかがちぐはぐだと感じる。近年の「臨床実践力」を押し出した流れは良いものだと感じていましたが、今回の専門ST新設はそのような臨床実践力云々は関係なく研究能力が優れてかつ指導や地域活動をしてくれる人、という印象であり、臨床からかけ離れていると感じる。余程臨床とは程遠い、臨床実践力など無い方が作成されているのですか?この要件であれば修士や博士の人は取れるが、地域の臨床を支える一般のSTには到底困難なものである。組織としてSTの臨床能力を上げたいのか研究能力を上げたいのかわからない。組織としてSTの臨床能力を底上げしたいのならば、このような生涯学習システムを全く履修するつもりがない・余裕のない人たちをどうにかするようなプログラムに改定すべきだ。臨床実践力云々は関係なく研究能力を上げたいならこの改訂版でも良いのかもしれないが、組織としてゆくゆく先細りとなるのは必至だと感じる。そもそそも協会に属しているのも保険があるからと言う人が大多数と思われるので、敷居を低く皆が参入しやすいようにしなければ日本の言語聴覚療法の質は下がる一方だと思う。専門STについて今までは関連病院に一人は取得しており臨床能力を病院ごとに底上げする素晴らしい資格になりそうだとイメージしていたが、正直今回の改訂版試案はがっかりである。このままでは制度上存在するが地域を見渡しても大病院や教育機関にしか存在しない、一般の病院では他職種も存在を知らないような資格制度となりそうで協会費の無駄だと感じる。
 このパブコメの募集が始まり、各地のSTや修士を持っているSTとも話したが、現実味がなく、これまでの不満が募り協会を信用できない、やめようと思う、全く臨床の現実をわかっていない、など肯定的な意見はほぼ見られず顰蹙を買うばかりでした。ぜひ協会員の声に耳を傾け、現場に即した改訂をお願いします。

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 長くなってしまった。以上である。度し難い思いはまだまだあるので、この案件をネタに飲み会でみんなで文句言いつづけれそうだ。
 ちなみに俺は、完全に心折れた10年目まで学会発表もしたことなかったST先輩の職場に新卒で就職した。修士を持っててSTの指導もしますと言ってた摂食嚥下専門歯科医師からの怒涛のパワハラに耐え抜いたはいいものの、俺の根性強さにパワハラおばさんが心を病み休職したため、指導者のほぼいないような環境で育った。SNSで流れてくる意識高い系STのつぶやきが死ぬほど鬱陶しく、そんな環境から下層の俺たちを狙撃してくるのがマジで許せなかった。なので指導者もいないが職場のリハ医を頼りつつ毎年学会発表をして、現行制度の生涯学習プログラムの基礎・専門を修了し、認知症ケア専門士や臨床神経心理士を取得した。今必至に初めての症例報告を書いているし来年は認定を取得しようかと思っている。どのようにキャリアプランを描いたらいいのかわからないまま手探りで進めてきた。その過程で借金もできた。全ては意識高い系STに見下されるのが死ぬほど腹が立つからやってきたことなので、後輩におすすめはしない。意識高い系の、メチャクチャな現状の臨床を知らないやつをバールのようなもので殴りつけたいのだ。「やってないならお話にならないね」みたいな態度がムカつくので、全てやった上で全部無駄やったと怒鳴りつけたい。(臨床神経心理士はコスパタイパ的に良い資格だと思う。どのように今後展開するかは分からないが。)その過程のなかで今回の改訂プログラムは、今世紀史上もっとも邪悪だと感じた。陰茎を押し付けられている気分になる。まじでこのままではだめや。有資格者を最低賃金未満で使役するような組織が職能団体名乗るなや。。。

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