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自転車盗まれた ジプシーパパに救われた?

自宅と工房の距離は800メートル。
歩いて8分の距離です。
が、8分が意外と億劫なので普段は自転車です。
自転車だと2分。

自転車は2台持ってて
1台はもう8年前くらいにWallapop、日本でいうメルカリで50ユーロで買った通称フェラーリ。
MIZUNOのゴールドカラーのシティバイク。
もう1台は一昨年同じくWallapopで買ったchopper。
アメリカンスタイルのイカしたチャリンコ。
後付けしたカゴの方が割高なくらい破格でゲットしたものです。
しかも切り替え付き。

Chopperはかっこいいんだけど車輪が小さいので
ダッシュで学校へお迎えいくのにタルい。
ので、普段はフェラーリ使ってます。

中古で買ってるのでもうだいぶオンボロだけど
前後車輪に切り替え付きでとても軽い。
後ろにカゴを装備して帰りにスーパーに寄っても問題なし。
時間に追われる主婦の味方・フェラーリ。

もちろん仕事でお客様のお宅訪問の時も近辺ならこれで行きます。

そんなお宅訪問だった先日。
午後19時の予定で、案件はダイニングテーブルの虫喰い状態を見て欲しいというもの。
虫喰いがひどければもう処分するし、ということでした。

お客様の家は線路沿いのあまり人気のない通り。
角の人気レストランも金曜日なのになぜか閉まっていて閑散としている。
でもテーブル見るだけなら5分くらいなので、道路標識に鍵で繋いでおきました。

ところがテーブル以外にも書斎デスクと椅子2脚も依頼されて
結局40分の訪問に。
さて、長引いちゃったけど自転車、大丈夫かな。

大丈夫かな。

大丈夫、、、

あれ?

あれ?

あれ??

自転車、どこ?

あれ、ここに置いたよね、わたし。

何度も自転車を繋いだ角の標識を確認しますが
ない。

まるで狐につままれたような、

あれ??

ドッキリカメラかと思ってカメラまで探しちゃったよ。

なんだかポカーンとして
盗まれたと自覚するまでにしばらくかかりましたよ。
大声で「自転車盗まれたー!!」って自転車通勤ママ仲間みんなに言いたかった。笑

しかし無くなったものは無くなってしまったのでどうしようもない。
鍵をかけた瞬間になんとなく何かが私に訴えかけていた感覚を思い出す。

ああ、あれはお別れの瞬間だったのか・・・。

なんとも切ない気分で歩いて帰宅。

まだchopperがいるけど
あの爽快な走りっぷりはもう得られないのか。。。

凹むとまではいかないけれど、切ないっす。

事情を知った、家族に警察がいる友人が、盗難届を出しとき、と。
確かに、小さな村なので誰かが自分の自転車使ってるの発見するかも。
(実際にうちの旦那は自分の盗まれた自転車使ってるヤンキーを追いかけ回して取り返したことがございます)
そんな場合に盗難届が出ていたら話がはやいかも。
こちらの警察全然信用してないけど、一応出しとくか〜。

金曜日に盗まれて、土曜日は忙しかったので日曜の午後に盗難届。
担当してくれたのはなかなか肝が据わってそうな金髪長身のおねえさん。
「自転車の写真持ってたらこのメールアドレスに送って」
その場で勤務中の警察ネットワークに私の自転車の写真が一斉送信されました。
「あら、かっこいい自転車ね。これでもし誰かが乗り回してたらすぐキャッチできるから」と。
確かに!
写真って便利。
他にもいろいろ自転車の特徴を詳しく伝えておきました。


この写真が警察ネットワークに。画像があったら仕事早いよね。

月曜日、学校へ歩いて息子をお迎えに行くとみんなに
「あれ、自転車は?」
と聞かれる。
そんなに私自転車キャラかいな。

ママ友達に自転車盗まれた話をしていると学校から出てきた息子の友達が
「あれ、その自転車 昨日、見たかも。パパの知り合いが乗ってたよ」

えぇ!?

慌てたママが
「どの知り合い?!」
「あのモロッコ人のちょっと悪いやつだよ」

誰だー!!!!!

この子のお父さん、地元のジプシーファミリーなのでいろんな意味で”顔が広い”笑
ビミョー!!!笑
ママ気まずそぅー!!!笑

ちなみに
スペインは結構ジプシーファミリーいます。
昔、言われていたように不定住なわけではなく
みんな普通に生活しているけど
彼らには彼ら特有のルールがあったりするので、
一般的には
Es mejor tenerlos de amigo que enemigo
敵に回すより友であった方が良い、と言われています。
実際にご近所や文化センター、学校で付き合いがあるけれど
まったくもってそれぞれがそれぞれのルールで生きているだけで
普通にいい人が多いです。
まあ、彼らの世界ではいろいろありそうな雰囲気がムンムンしてますけどね。笑

なので
「じゃあその人にそれ私の自転車やから!って言っといて」と笑っておいた。

しかし実際、9歳の子供の記憶。
確かな話でもないしね。

ところがなんとその日の午後、警察から電話があって
「自転車見つかりました」
って。

マジすか?

一瞬、まさかジプシーパパが動いた?
自転車返却させた?と思ったけれど
警察曰く、自転車は「常習犯のワルが乗り回してたのをパトロールが見つけたんだ」そうです。

翌朝一番で取りに行くと
後ろのカゴは取られていたものの、間違いなく我がフェラーリ!!!
めちゃ嬉しかった。
迷子になってたペットが見つかったみたいな気分。


返却されたフェラーリ。荷台とカゴは取られてしましたが。

「カゴ、また買うなら領収書取っておいて、裁判で提出できるから」
裁判っすか?
そっか、盗難だもんな、一応そういうステップは踏むんだな。
そこまで頭が回らなかったわ。
っていうか自転車レベルの盗難なんて日常茶飯事なスペインで
その度々裁判やってたら大変だな。
(盗まれたものが見つかるなんてほとんど聞いたことないので)
盗難届は盗難保険の申請に使うだけのものと思ってたけど
本来は犯人を裁くプロセスの第一歩なんだね。

他に記述すべき支障や破損がないか確認して受け取りサイン。
ここでもし何かが壊されていたりしたらそれも裁判のために記録されるそうです。
カゴはないものの、サドルの高さは変わっていたものの
無事フェラーリは返却。
そのままフェラーリで出勤。
やっぱりこの爽快な乗り心地、最高ざんす。

キミとボクは離れられないのだよ。笑

んで、
その日の夕方、八百屋で買い物していると
例のジプシー・パパの方と遭遇。

「おぉ!!聞いたよ!!自転車盗まれたんだって??
息子がそれ俺の知り合いだっていうからさ!取り返してきてやるから!!!」
と大声でめちゃ意気込んでいる。
警察が見つけてくれたよ、って言ったら
「おお、よかったよかった!もしまだ見つかってなかったら俺が殴り込みに行くとこだったんだわ、よかったなあ!」
と、また大声で。
八百屋じゅう、この人と問題を起こすのはやめようと思ったに違いない。
「もうないと思うけど、次また盗まれたら連絡するね」と言ったら
ガッハッハ!!!と笑ってました。

翌日、いつも通り自転車でお迎えに行くと
例の息子の友達君が
「やっぱそうだ!この自転車だよ、ここに(ハンドルの真ん中)シール貼ってある、これこれ、これ見たんだよ、俺」
9歳、やるなあ。
探偵並みの記憶力、すごいぞ!
と、彼をベタ褒めしておきました。

というわけで
自転車・フェラーリは無事我が手元に戻ってきました。

今回の教訓は
どんなに主婦カスタマイズされたオンボロチャリでも
人気のないところには駐車しないこと。

そして、

たしかに、ジプシーファミリーは
味方にしておくのがよろし、

いうことでした。


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