幸せとは状況や境遇ではなく内から込み上げる何か。
足が痛くて満足に歩けない
坂道、階段はもちろんのこと
平坦な道ですら痛みを伴う
どうしてこうなってしまったのか
普通に歩いている周りの人を羨みながら
このままどんどん歩けなくなるのではないかという
恐怖
そんな瞬間
何かが込み上げてきた
「私はなんて幸せなのだろう」
いつも隣にいてくれる人に手を引かれながら
私はその思いに浸っていた
理屈でもなく、理由なんてなく
ただただ込み上げる幸福感
涙が出そうになるぐらい
止めどなく溢れ出る
そうだ
思い出した
これでいいんだ
いつも幸せなんだ
こうやって
このまま
この瞬間を繰り返して
生まれて死んでゆく
なんと幸せなのだろう
この瞬間の繰り返し
思い出した
忘れずにいよう
人間は忘れてしまうものだから