たまねぎのお味噌汁
広い広い道の、これまた広い歩道を歩いている
てくてく、てくてく、歩いている
道は至る所で工事をしていて、土煙がモウモウと上がっているが
道が広いせいでとても快適だ
空も広くて良いお天気の朝で、私は上機嫌で散歩をしている
不意にスマホが鳴った
と言っても、厳密に言うと、鳴ったのではなく、振動したのだが
私は携帯を持つことが煩わしく、
いつも音が鳴らないようにしてある
電話がかかってきても気づかないので、家族からは、連絡がつかない携帯なんて、携帯している意味がない、と言われている
なくなった時がこれまた厄介だ
鳴らしても鳴らないので、バイブのブーンという音に耳をすませるしかない
まあ、そんなことはいいとして
話を戻そう
C3だか、D3だかのトラブルが発生したので、携帯ショップに来るように、とのメッセージが、画面に表示されている
なんのはなし?
と思いながら歩いていると、
道の向こう側に携帯ショップの大きな看板が見えてきた
道を渡り、携帯ショップに入る
すると、
祖母が亡くなった、
と言う
ダンボールの中の薬品の袋が破れていて、化学反応がおこり、発生したガスで亡くなったらしい
締め切った部屋で寝ている間であり、朝起こしにいったら亡くなっていたと
あ!
私は昨日気づいていたのだ!!
ダンボールの中に薬品の袋が見え、
それからガスが発生するのを予知していた
部屋を締め切ってはだめ!
ということを知っていた
それを伝えていれば亡くならなかったのに
私は膝をついて泣いた
わんわん声を上げて泣いた
私が私の足元でわんわん泣いている
いやいやいや、
そんなに声を上げて泣くほど悲しないやろ自分。
と、芝居がかって泣いている私に私がつっこんでいる
という夢をみた
目を覚ますと
たまねぎのお味噌汁の匂い
小さい時、大好きだった、たまねぎのお味噌汁の匂い
たまねぎのお味噌汁が食べたい!
と我が家の主夫にオーダーしていた
はいはい、ちょっと待ってね
と作ってくれた、たまねぎのお味噌汁には小松菜がのっていた
子どもの頃に
なんでちがうものを入れるんだろう、私はたまねぎだけのお味噌汁が食べたいのに!
たまねぎがお腹いっぱい食べたいのに!!
と思っていたことを思い出して、なんだか笑えてきた
さっきみた夢の話をしながら、
ご近所さんのたまねぎのお味噌汁の匂いがしてきたから、そんな夢を見たのかなあ、と言ったら、
「そんな匂いぜんぜんしてないよ」
あれ?
匂いまで夢だったのか?
そんな朝である
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