ITは胡散臭いと思っていた~有形営業からSaaSスタートアップに入社した話~
Ubie株式会社のグロースチームUbie Customer Science(以下、UCS)でCustomer Successをしている鈴木です。
大手電機メーカーから、全く畑違いの医療×AIのスタートアップに転職し半年がたちました。昔はIT企業を胡散臭いとしか思っていなかった自分が、UCSに入社した経緯を書きます。
この記事は、
・非ITの大手企業に所属している方
・転職を考えているも、ITベンチャーへの転職には抵抗のある方
・大手企業→ITベンチャーへの転職は、キャリアダウンだと思っている方
・しかし現職では一定成果を出し、現状ややくすぶっている方
ぜひ、こんな方々に読んでいただけたら嬉しいです。
歴史ある事業環境は楽しかった
新卒で入社した会社は日系の大手電機メーカーで、いわゆる高度経済成長と共に成長してきた会社でした。今更そんな会社に行って面白いの?と思われる方もいるかもしれませんが、
・100年弱築き上げてきたコア技術がある
・自身の仕事が、物理的に世の中を支えている
という点で非常にやりがいのある仕事でした。
また顧客は日本を代表する企業、案件単価は数千万以上という仕事が多かったため、
・大規模組織の攻略
・社内外多数のステークホルダーとの合意形成
など自身のキャリアにおいても、有意義な学びが多い環境でした。
ITベンチャーへの胡散臭いイメージ
少し話は変わります。
私は新卒就活~1年前くらいまで、ずっとIT企業やITベンチャーに対してただただ胡散臭いと思っていました。note読んでいるような方からは、「お前いつの時代だ!?」と言われるかもしれませんが、本当です(笑)
何となく胡散臭そう、地に足ついてなさそう、というようなイメージを持っていました。
また、大手企業からIT企業に転職する人たちを見ても、
・扱う単価が下がり関わるビジネス規模が小さくなりそう
・若手ばかりで裁量はあっても、学びは少なそう
など、「キャリアダウン」のイメージを強く持っており、いずれ転職をするにしても、非ITの業界で考えていました。
恐らく新卒で非IT日系大手に入社した方は、感覚が近い方も多いのではないでしょうか?是非そんな方は、次の章まで読んでいただきたいです。
IT企業への抵抗の根底は何だったのか?
UCSであればなぜ解決できると踏んだのか?
少し長くなりますが、書かせていただきます。
UCSとの出会い
改めてですが、そんな
・大手企業での仕事に満足している
・IT企業へのイメージはよくない
という状況で、なぜUCSに入社したのか。
転職活動を始めた理由は、自身がメーカーで取り組んだ事が他社でどう評価されるのか、どれだけ通用するか試したい、という安易な気持ちでした。UCSへの応募も、数あるエージェント経由応募の1つです。ただ、面接や記事などでUCSを知れば知るほど、ITベンチャーへの悪いイメージが崩れていきました。
①胡散臭くない、圧倒的なプロダクトとコア技術
ITベンチャーへのイメージがよくなかった理由を掘り下げると、1番大きかったのは「プロダクトの参入障壁が低そう」という印象です。
これはコア技術が根幹のメーカーに身を置いていたからだとは思いますが、「技術的な参入障壁」が低いとレッドオーシャンになり、
利益が取れない→プロダクト/コア技術開発が進まない→価値提供できる範囲が広がらない→新たなニーズに対応できない→機能で競合優位性を保てない→定性的な価値訴求しかできない→何だか胡散臭い
という印象を当時は持っていました。
※あくまでもメーカー在籍時の、個人的なITベンチャーへの印象です。
一方、Ubieのプロダクトは全く違いました。
Ubieが提供する「ユビーAI問診」は、例えば風邪を引いて病院に行った際、「紙の問診票」の代わりに、スマートフォンやタブレットで問診回答を行い、電子カルテ端末に回答内容を反映させ、医療機関の業務効率化を支援するサービスです。
ただここで、単に「紙の問診票をWEB上に置き換える」のではなく、
・患者様ごとにAIが最適な質問を自動生成/聴取
・聴取した内容を、AIが医師用語に翻訳しカルテ記載用に文章化
・問診内容を元に、AIが関連する病名を表示
のように、「AIが患者様ごとに最適な質問を自動生成する」というAIエンジンの元になりたっています。
このAIエンジンは、Ubie共同代表の阿部と久保が創業前に5万本の論文データをもとに生成したもので、プロダクトのコアとなる技術であり、現在も1000を超える医療機関様でのリアルデータを取り込み問診データベースを構築しています。
当時コア技術を持つメーカーの営業として働いていた中で、
・自社が唯一無二なコア技術を所有しているからこそ、特定のニーズだけでなく価値提供のバリエーションを広げる事ができる
ex)食品メーカーがアミノ酸技術を応用し半導体材料事業へ参入、照明メーカーが光源技術を応用し空気清浄機事業に参入など
・マーケットのニーズと自社のコア技術をどう結びつけプロダクト化するか?という点は、顧客接点を担う立場として最重要な役割である
という2点で非常にやりがいを感じていたのですが、
そのやりがいを、前職の技術とUbieが所有するAIエンジンに置き換えた時、
「AIが患者様ごとに最適な質問を自動生成する」というAIエンジンは、医療という性質上、自身や身の回り大切な人の今後の人生に直結する可能性が高い。
また問診という性質上「症状」発症後に利用するため、効果を発揮するタイミングは、適切な受診先の案内や、治療・薬剤に関する情報提供など、非常に重要な局面であり、社会的意義がとても高い。
既にAIエンジンを用いたToC向けサービスも確立されており、UbieのもつAIエンジンは唯一無二の技術である。
Ubie(Ubie Discovery)のエンジニアは非常に優秀なメンバーが集結しており、プロダクト開発スピードがとてつもなく速い。
という点で、このAIエンジンは今後巨大な事業になる可能性・社会的な価値を秘めていると感じ、当初感じていた胡散臭さは全くの検討違いだと気づかされました。
※この唯一無二のコア技術をサービスの土台とし、最近では業務効率化以外の機能開発も次々と進んでいます
※また、追加機能にとどまらずこのAIエンジンを用いた新規事業も立ち上がっています。
②キャリアダウンにならない
こちらも今考えるとおかしな話ですが、IT企業への転職は
・関わる案件単価が下がり、市場価値も下がりそう
・若手ばかりでスキルが身につかなそう
というような勝手なイメージを持っていました。
しかし、UCSメンバーが発信している記事や面接を通じてその考えが直ぐに覆されました。
UCSでは、医療機関という限られたマーケットに最速でプロダクトを届けるために、個人の成果ではなく営業を科学し「組織の中央値を高める」事を最重要視しています。そのため、求められる事は
なぜ受注できたのか?なぜ失注したのか?を突き詰め構造化する。
営業プロセスを細分化し、プロセス毎の歩留まりをモニタリングした上で課題抽出をする。
週単位の期間で課題特定~改善を組織として繰り返し続ける。
など、個人主義の前職の環境では到底触れる事のない、目から鱗の考え方でした。
このまま転職をしなくとも、いち営業マンとしての属人的スキルと経験は身につくかもしれない。
しかし、それ以上に「営業を科学し、組織の中央値を高める」という汎用的なスキルをUCSで身に着ける事ができれば、むしろキャリアアップに繋がると考えるようになりました。
また、
採用へのこだわりが強く、厳選採用
面接で出てくる社員がとにかく優秀で誠実
給与レンジも高め
という点も大きな後押しになりました。
UCSに入り感じたギャップ
いざ入社してみてですが、想像以上にメーカー時代とのギャップがあり驚愕しました。しかし、ギャップが大きいからこそ自身の成長実感も大きく、やりがいしかない日々です。
fact(事実)はどこにあるのか?
UCSに入って、一番最初にぶつかった言葉です。
UCSは、とにかく現場現物主義で、思いつきや根回しで物事は全く進みません。前職では、恥ずかしながら半ば思いつきの施策を社内政治を駆使して実行する事が常だったため、いい意味で大きな衝撃でした。
客観的事実を捉えた上で分析をし、仮説を立て、検証し、仕組化する。
これを、思いつきで施策を打っていた時以上のスピードで実行する。
簡単な事ではありませんが、現場現物から捉えた課題解決をし続ける事でしか顧客価値の最大化はできないと、日々実感しています。
顧客からの期待
現在私は、クリニック様向けのカスタマーサクセス(AI問診運用オペレーションの設計・運用課題解消・利活用支援など)を担当しているのですが、想像以上にお客様からご期待のお声をいただく事が多いです。
7月に運用開始をし、先日打合せを実施したご開業直後の先生からは、
「利用開始してまだ数週間だけど、もう自院になくてはならないサービス。Ubieさんのお陰で電子カルテを作る時間が減ったので、診察時間も短くなったし待ち時間も減った。その分、AIを使って、他の医療機関とも連携したり、僕が専門としている頭痛症状の患者さんに検査の周知とかできると自身にとっても患者さんにもメリットありそう。」
というお言葉をいただきました。
このように、今ある機能だけでなくAIエンジンを利用した未来のお話までご期待をいただくケースは非常に多く、この圧倒的なプロダクトを、現場の最前線に立ちスケールさせる重みを日々感じています。
終わりに
Hello, healthy world.
テクノロジーで人々を適切な医療へ案内する。
Ubieの、ビジョン・ミッションです。
当初は自分の力試しという動機で始めた転職活動・UCSへの入社でしたが、入社半年経ち、今はこのUbieが目指す世界を実現させたいと身に染みながら日々過ごしています。
どうやって「テクノロジーで人々を適切な医療へ案内するのか?」という道筋はぜひこちらのnoteを見てみてください。
メーカー時代は自身の仕事が、物理的に世の中を支えている面白さを感じていました。ただ今はそれ以上に、大切な人の健康を守る未来の一端を担えている事に、大きな誇りを感じています。
もし少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひ一度話を聞きに遊びにきてください。
非IT/非医療という全く別の畑から飛び込みましたが、この選択をして心からよかったと思っています。
ご連絡、心からお待ちしております!