ドラゴンクエスト10を振り返っていく 8.スキル振りに苦労したあの時
オルフェアのストーリー編に行く前に、閑話休題でver1.0の頃の苦労話を一つしたいと思います。当時遊んでいた方は、様々なことで苦労した記憶があると思いますが、「スキル振り」は特に印象深かったりしませんか。遊び方によって、受け止め方の大小はあると思いますが、迫っていきたいと思います。
その前にご説明。
Ver1.0の頃は戦士、僧侶、魔法使い、武闘家、盗賊、旅芸人の6職業しか実装されていませんでした。それ以降、幾多のVersion Upを経て、今は20職業!気が付いてみれば、どれをやるか目移りする状態ですね。
話を戻して、当時はこの職業の中でも、スキル選びがとても重要でした。というのも、スキルポイントというものをレベルアップごとに獲得していく仕組みになっていて、このスキルポイントによって固有のスキルを選ぶことができたのです。そしてその選んだスキルは、スキルラインと言われるものに属し、スキルラインは各職業5つ存在します。(現在は6つある職業も存在します)
例を出すとして、戦士であれば、片手剣、両手剣、オノ、盾、ゆうかんの5つのスキルラインが存在しており、名前の通りでゆうかん以外の4つのスキルラインは武器や盾を装備していた際に得られる、スキルを指します。
具体的に言えば、片手剣であれば、「かえん斬り」「ギガスラッシュ」、両手剣であれば、「渾身斬り」「ぶんまわし」、オノであれば、「蒼天魔斬」「オノむそう」、盾であれば、「ビッグシールド」「会心ガード」などなどのスキル=技が使えるようになるといった具合です。
もちろん、これに「片手剣装備時、攻撃力+10」とか「盾装備時、守備力+30」という、装備しているだけで得られるステータスの補助効果も存在し、より戦闘が楽に行えるようになるという仕組みになっています。
しかし、スキルポイントの獲得は1度のレベルアップごとに限られていて、当時は1ポイントも無駄にできない状態でした。というのも、レベル上限は50、獲得できるスキルポイントは最大107で、例えば片手剣スキルは、ギガスラッシュを取るには100ポイントが必要!なので、これを取ってしまうと、他のスキルラインがほぼほぼ選べないのです。つまり、必要なポイント数と、自分のポイント数を差し引きして上手くやりくりしないと、ただただムダになってしまうという仕組みでした。
Ver1.1から実装されたスキル振り直し。ガートランドの青い炎に話しかけるプレーヤーが、当時は後をたちませんでした。今では、自分が所有している青い炎を使用することで、スキルの振り直しが可能に。どんどん便利にはなっていきましたが、ここにいる人たちがこのまま立っているのを寂しく感じます。現状、スキル振り直しは有料。ここにこれば、ゴールドなしで振り直しできるとかっていう仕様があればいいのになと思いました。
さらに、一度振ったスキルポイントを間違ったと思っても、当時は振りなおすことができませんでした!笑 今思ってもなかなか鬼畜な状況だったと思いますが、それゆえプレーヤーには、過酷な選択が迫られることになります。(スキル振り直しは早い段階で実装されました。)最初から実装されていなかったことが、スキルのありがたみを感じさせるきっかけになったわけで、苦労して欲しい狙いがあったようにも思いますね。
ひらた武闘家だった時のカンフーセットを着て、写真撮影。カラーリングたるものをして、既定の色とは違う装備風に変えてみました。にしても、最初の頃の装備ってシンプルかわいいですよね。あえて、昔の装備着てみるのもありかな。
一にも二にもパッシブ、パッシブ。
さて、そんな説明をしたあとに触れたいのはこのパッシプ。なんのことやら?と思う方もいると思いますが、要はステータスの数値を、全てにおいて上昇させる数値のことを指します。全てといったのはどの職業になっても、ステータスの数値は上昇したまんまという意味で、つまり取っておいて何にも損することがない、一番重要なスキルになります。
このパッシブは、メインでやりたい職業を考える時に、何を取るかがすごく重要です。魔法使いをメインにしたい場合は、打たれ弱く、相手より早く動けた方が有利に戦えるため、HPや守備力、すばやさを優先的に取ると、戦闘が楽になります。更に、攻撃魔力が高くなると、呪文のダメージが増えます。そうなると、戦士のスキルライン「ゆうかん」でHPと守備力を取り、旅芸人「きょくげい」ですばやさと攻撃魔力…というように、何をどう取っていくかが、とても大事なのです。
そのパッシブを優先した結果、武器スキルがまったく取れない!武器スキルもまったくない状態では、攻撃に動きもなくダメージも出ず、Aボタン連打の繰り返しになってしまいます笑 しかし…こんなAボタン連打の戦闘が当時は当たり前だったのでした。
ゆうかん戦士の時に来ていた、まほうのよろいセット、キングアックスを装備して記念撮影。これを着てver5の世界にいたら、周りに誰もそんな人はいなくて、妙に恥ずかしい気持ちになりました笑
ゆうかん戦士、スティック僧侶、ひらた武闘家…
前段で触れた「パッシブ」のため、武器スキルのない状態でレベル上げをしなければいけない状況が、あちらこちらで生まれることとなりました。その結果、プレーヤーはスキルの有り無しに翻弄されることになります。
まず、思い出深いのはゆうかん戦士。これは、戦士なのに「ゆうかん」にしかスキルを振っておらず、武器スキルが一切ない戦士のことを指します。パッシブ優先で戦士をやると、Aボタン連打の戦士が、たくさん生まれました。その結果、戦士だけど、なんの面白みのない脳筋ができあがるわけです笑
本職で戦士をやろうと思っていた方からすれば、武器スキルかパッシブかの2択は、かなり苦しかったのではないでしょうか。武器スキルは他職と同じものがあれば、そっちで取っていれば共有することができるのですが、当時片手剣、両手剣、オノは一切ありませんでした。地獄ですね。
ちなみに自分も、もちろんゆうかん戦士。レベル上げのためポイズンリザードをひたすら狩り続けたあの頃は、未だに脳裏に焼き付いていますw
あの頃、お世話になったポイズンリザードくん。なんとも愛くるしい生き物ですね。こんなにかわいい生き物を、出会い頭にやっつけてたんですから、強くなった今は反省するしかないですね笑
続いて、スティック僧侶。僧侶は槍、棍も使えて攻撃もできる、万能型の職業です。しかし、僧侶といえば、やはり回復職というイメージ。回復に特化した僧侶が大人気でした。そんな回復特化型の僧侶にとって、スティックに振るか、しんこうに振るかで評価が二分化。しんこうには、「天使の守り」=「使えば、僧侶自身が一度死んでも即よみがえる」スキルがありまして、これを取っているか取っていないかで、僧侶の役割が大きく変わりました。当時はみんな弱いですから、僧侶が少しでも生き永らえれれば、戦闘に勝つ可能性も増えるわけで、相当強いメリットでしたね。
しかし、スティック僧侶だって負けてはいません。回復魔力がしんこうよりもはるかに高くなるし、「キラキラポーン」=「混乱、マヒ、眠りなどの状態異常を回復」だって使える。こちらの僧侶も有能でした。
ですが、当時の反応はしんこう、天使の守り持ちの僧侶が人気でした。そんな中、「スティック僧侶は地雷」などといったことを言っていた人たちも出てくる始末。自分はどっちでもいいじゃん!と思っていましたが、プレーヤーって効率を求めるあまり、勝手にルールを作っていくんですよね…
余談です。(強い敵と戦うときほど、必要な技や条件が限られますが、こうでなければいけないとか、これがないやつはいらないなどという風潮には、当時から懐疑的です。それぞれがやりたいことをやりつつ、ある程度適した条件に合わせながら、楽しんで遊ぶのがいいですよね。自分はノリでやって勝てたら、それでいいよと思っちゃうタイプです笑)
ちなみに、自分は棍僧侶でした。僧侶はまったくやる気がなかったので、武器スキルに全振りをして、さっさとレベルをあげてしまおうという感じでしたね。でも、技を出そうにもmpがなく、回復する手段も当時はぜんぜんない。まほうのこびんは貴重でしたし、ひらめきのゆびわ(mp回復するアクセサリー)でも全然回復量はおっつきませんでした。そのため、レイニーロッドたる氷属性の武器で、ひたすらフレイムをAボタン連打で殴り続けるという、トラウマのような苦行を達成。今でも忘れられない思い出です笑(旅芸人も同じやり方でレベル50まであげたんですけど…)
わっしょいわっしょい動き回るので、なかなかフレイムを上手く撮りきれなかったんですが、これはうまく撮れましたね。3743匹も倒していたみたいで、なかなかの記録でしょうか。この時のレベル上げ以外ほぼ倒してないと思います…
フレイム狩りと言えば、過去のグレン領東か、カルデラ山道の奥まったところでした。フレイムを倒せば、自動的に湧いてきてそれを倒しての繰り返し。ザ・単純作業です! あの頃の熱気があったから耐えられましたが、今ならできないと思います笑
最後にひらた武闘家。これはVer1における流行語大賞といってもいいぐらいの、超有名ワードです。正確には、「ひらめきのゆびわを持ってて、タイガークローを打てる武闘家」のことを指しました。当時、ひらめきのゆびわは、ちいさなメダル30枚で交換という鬼畜仕様。誰もが簡単に持てるようなものではありませんでした。更に、タイガークローはツメスキルにおける攻撃技。スキルを58pも必要とするため、この二つを満たすには、少々ハードルが高かったのですが、これがなんと武闘家の必須条件と、もてはやされたのです。(ツメスキルは盗賊、武闘家で2つ取ることができましたので、どちらかで共有できる分、他職に比べてやりやすい状況ではありました。)
自分は、こうなる以前から目をつけていたので、流行りに乗っかっているというよりは、周りが追い付いてきたという感じの認識でした。そして、このひらた武闘家でレベル上げしたのは、ピンクモーモン。今でもこの光景を覚えている方は、そこそこいるのではないでしょうか。
自分で試行錯誤する、発見する。
ver1.0におけるスキル振りの趨勢について振り返ってみましたが、制限や難題が多かった分、試行錯誤する面白さがあり、プレーヤー側で発見する遊びが、当時は中心だったように思います。今のようにアトラクションがあって、「今日はどこで遊ぶ?」と、プレーヤー間で取り決めるのもいいですが、自分たちで「今日はあそこで鬼ごっこでもするか」と、自分たちで創意工夫して効率や成果を目指す当時の状況も、それはそれで素晴らしかったように思います。
今しか知らない人も、ドラクエ10をやったことがない人も、昔遊んだことがあって今やってない人も、遊びって実はそんな単純じゃないんだということをわかってもらえたら、いいかもしれませんね。
ver1.0の頃を遊んだ人なら、誰もがお世話になったピンクモーモンくんですね。こんな顔で、嚙みつくときは恐ろしい顔になるのはご愛敬(ホラー)。当時は、カミハルムイ周辺にプレーヤーが溜まりすぎて、大問題になりました。
倒した数を調べてみると、5575匹!転生モンスターがいるので、多少倒した数は増えたかもしれませんが、当時に5000匹は倒していたと思います笑 凄い方で10000匹超えの方もいたみたいで、ピンクモーモンフィーバーといってもいいぐらいの状態でした。
長くなりましたが、次回はオルフェアのストーリー編について触れます!お楽しみに。この記事をいいね!と思った方は左下にあるスキボタンもポチっと押してもらえると嬉しいです!フォローもよろしく!
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