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今年の2月にウクライナへ行った時のことをそろそろ話そうと思う

1年ぶりにログインしました
ご無沙汰してます、ゆうぞうです

2024年もあと少し
そういえば2月にはウクライナにいったなあ
今日はその時に書き留めていた、ある日の手記をこちらで公開しようかと思います

※毎年恒例WDRACのアドベントカレンダーに寄せて公開します

【ここで出てくる固有名詞】
・ゆうぞう:わたし/WDACのメンバー/20代の日本人(女)
・あきら:WDRACの代表/日本人
・星さん:WDRACの仲間/日本人
・サイモン:ABWのリーダー/イギリス人
・トラヴィス:サイモンの相棒/アメリカ人
・チャーリー:支援活動を共にしている青年/イギリス人
・ダニエル:支援活動を共にしている青年/アメリカ人
・アンドレ:支援活動を共にしている青年/カナダ人
・WDRAC:一般社団法人戦災復興支援センター
      ゆうぞう/あきら/星さんの所属する日本の人道支援団体
・ABW:Action Beyond Words
    サイモン、トラヴィスが引っ張る人道支援団体
・パラクルー:ノルウェーの人道支援団体
・84:ボランティアの生活拠点
   ポーランドのウクライナ国境の町メディカにある

2月21日13:15「唾を吐きかけたハチャプリ」

4:50 起床
不思議なことに寝穢いわたしが連日スマートに5:00に起きてる、すごい。なぜだ。
このスマート起床がずっと続けばいいのに。
今日は検問を越えてウクライナに入れるかも。
サイモン、トラヴィス、あきらがまずは徒歩圏内にある国境を偵察。
トラヴィスがお誕生日だったので偵察から帰って来次第サプライズ。
ケーキやご馳走はないけれど、年齢のバルーンとフルーツに蝋燭を立ててバースデーソングを歌ってお祝い。
たのしいなあ。めでたいなあ。

5:30
検問が動いてるのでウクライナに置いている車を取りに行く。
携帯品:
ABWパーカー、ABWニット帽、パスポート、運転免許、カメラ、スマホ

まだ陽も昇っていないなか国境へ向かう

6:00
かなかな進まない。
列はそんなに長くないし目前なのになあ。
みんなでWDRACのこととかあきら、星さんの過去の話とかしながら過ごす。

6:10
検問に到達。
スタッフがパスポートをひとりひとり確認してくれる。
チャーリーのパスポートに対してサイモンがまさかの「it's me.」。お兄さん困惑しながらも「昔は痩せてたのか…?」とまじまじと見てくれる。(やさしい、目が綺麗)
呼ばれず飛び出せばばばばーん。チャーリーが「it's me.」だよね、よかった。
スタッフのお兄さんも思わず笑ってた、目が綺麗。
わたしのは2秒位でパス、もっと見てくれよ。
メンバー全員と積み荷を確認して次はウクライナ側の検問へ…と行きたいけどパスポートが帰ってこないのよ。

6:40
やっとパスポートが帰ってきてウクライナへ。
久々にスタンプが押されて少し嬉しい。
やはり戦争をしてる国、スタッフが銃を携帯してる。検問所には戦争についてのパネルも。
パスポートチェックで両国とも疑われるあきら。そりゃ9年前やもんな。
「No.」って言われてるのおもろい、スタッフのお姉さんも笑ってた。
女性はすぐにパスできてるのなんでかな。

7:10
ウクライナへ入国。
文字が全く違う、読めない。
おもったより普通に待ちしてる。なんならメディカより栄えてる。ド派手な酒屋さんとかあった。
近くのショップへ朝食を調達に。
昨日から気になっていたホットドッグとマフィン、お水を購入。手が汚れなくて食べやすいホットドッグめっちゃいいな。そしておいしい。マフィンは普通、HMでお家で作ったよって感じ。わるくない。

ガソスタに併設したショップで買えるホットドッグ
ハマりすぎて1日に3~5つくらい食べてた

7:25
車を回収して84に一旦戻る予定だったプランを変更して直接リビウへ。
道中サイモンが「ここはもともと戦争前には高校で今は簡易の孤児院なんだ」とか説明してくれた。
ほんと、普通に街なんだよな。もっとなんというかウクライナってすごく田舎で、農村なイメージをしてた。国境付近の普通の町でも断然佐久より都会では?地震がない分、建物自体は古いものが多いけどそこを除くとそこそこ栄えてる。
国境の検問は時間かかったけど、戦争の気配もあんまりない。西部だからかな、生活も普通にしてる。運転の気性が荒いのは多分戦争とか関係なくて国民性なんじゃないかな、めっちゃ追い越すやん。
(ちなみに一旦84に戻ると思ってたから薬もなければ、日焼け止めも塗ってない。もちろん眉毛も書いてない。世はまさに大後悔時代。持ってくればよかった…)
ときに林の中の道を走りながら気性荒くリビウへ向かう。荷車を引く馬をみて興奮。
隣でチャーリーはスヤスヤタイム。
朝早かったし眠いよね〜、それに内蔵の浮遊感すごいもんね、慣性の法則が働いてるよ。ところでチャーリーはお幾つなんだ、滞在中どっかで聞こっと。

8:05
通勤ラッシュにぶつかる。
車が多くて進みが悪い、さっきまですいすい進んでたのに。戦時中でも普通に仕事ってあるんだな、みんなが戦争に行ってるわけではないのか。男性も普通にいる。
駅前を抜けたらラッシュが落ち着いた。みんな駅から仕事に行くのかな。

8:30
ホームセンター到着。
パラクルー、ナダのメンバーと合流して買い出しへ。
広くてきれいなホームセンター、電子機器に衣類食品になんでもある。戦時中だからといって物が枯渇する戦争ではないのか。
途中で邪魔になるのでカフェで待機。ソーセージ美味しかった、ホットドッグは行きがけのショップのが美味しかった。
チャーリーが22歳らしい、すごくしっかりしてる。

9:50
卸で野菜をかったり業務スーパーでインスタントをかったり。びっくりするくらい沢山買った。
購入品一例:
りんご3ケース、きゃべつ、ジャガイモ、トマト、ヌードル、スープ、子供用のジュース、スナックなど。

11:16
業務スーパー内で空襲警報。少し周りが慌ただしくなるものの、あまり変化はなし。警報慣れしてしまってるが故なのかな。
みんなで記念撮影、警報なってるけど。
パラクルーの倉庫に購入した物品を運ぶ。リビウの街、クラシックでいいなあ。道が細い故か人が多くて混んで見える。ウクライナ第二の都市だし他よりはそりゃ混んでるか。
パラクルーの倉庫に購入した商品を格納して、倉庫から必要物資を取り出す。
チャーリーほんと気が利くな。フットワークかるいし、すぐ気がつくしまじすごいな。

12:22
ランチに向かう途中で警報が鳴る。(「ファ〜〜」)リビウの街ではなんともなくみんなそと歩いてる。町内放送かってレベル。
リビウにはリビウ大学があるからか若者が多い。町並みもクラシックで素敵な建物がたくさん。
定期的に鳴るサイレン。気にしない人々。リビウでの戦争被害はそんなに聞かないから、みんな気にしてないのかな。

かなりクラシックでかっこいいリビウの街

13:15
ハンバーガー屋さんは工事中で泣く泣く断念。アラブ料理屋さんでランチ。
あまりの野菜の食べたさにサラダを注文。だってTボーンステーキとか重いもん…。
https://knightsgallerylviv.choiceqr.com/a/IeDt-paeD
「唾を吐きかけるハチャプリ」とか「鉄道燃やす」「安っぽいソース」などのおもしろGoogle翻訳に楽しくなる日本人たち。思わずスクリーンショットを撮ってしまった。
みんなビールとか頼むからトニックウォーターにした私が馬鹿みたいじゃないか…夜に飲もう。ビールはウクライナ語で「ピフィーボ(пиво)」
にしても、物価が面白い。Tボーンステーキが650円とか、安すぎない?驚きのお肉のやすさでびびった。
担当のお兄さん(多分学生)が一生懸命接客してくれるし、「ありがとう」「Thank you」て言うと照れてはにかんでくれるのが尊すぎて尊死するかと思った。
到着したサラダがボリューミーで美味しくて幸せ〜!パラクルーのメンバーと言葉教え合うのも楽しすぎた。

15:00
長い長い食事終了。
先にパラクルーのメンバーと別れてリビウの街を少し散歩。
サイモンの「チェリージュース飲む?」に誘われてしまう、つまりは酒、うまい。うまいが、結構度数高いっすね、サイモンさん。

15:40
帰りはダニエル、チャーリーと3人で。
バンの最前席に3人で座る、話には全然入ってない(英語に入ってけない)けどなんか落ち着く2人だった、酔っとるけんか?
帰りもウクライナの生活は普通に回ってる。友だちと遊んだり犬の散歩したり子どものお出迎えしたり。長野と風景変わんないのよ。

16:00
リビウ近郊の施設に物資を届ける。キャベツやジャガイモ、玉ねぎ、インスタントなど。
施設の中では女性がカモフラージュを作っていた。こういうところに戦時中なのだというのを実感する。
施設にいた犬も少しナーバスになっているみたい、ウクライナでは犬の放し飼いが普通なのかな。

16:50
チャーリーはちょくちょく移動中に翻訳アプリでウクライナ語の意味を調べてる。84でもウクライナ語の勉強してたし、偉いなあ。生活の中に勉強を落とし込める人が一番強いと思う。

17:08
「ほら見てごらん、飛行機飛んでるよ。撮らなくていい?」って2人が教えてくれた。ちょっと嬉しい。ありがとう。
望遠必要やったか…?と思いながら手持ちレンズの最大ズームで撮影する。果たしてどんくらい撮れているものか…。

17:20
ガソスタ併設のお店で休憩。
逆走で入ってきた車が張ってたパトカーに捕まるのをみてチャーリー爆笑。なんや、そんな屈託のない満面の笑みできるん…。大人びて見えるけど普通に20代の男の子なんやなあ。
(精神年齢は私よりきっと上)

18:45
長い道のりをダニエルが運転してくれて、国境付近の駐車場に到着。バンを乗り捨ててみんなの荷物を持って徒歩で検問所へ。
徒歩で避難する人はこういう感じなのか、寒いな…と少し納得する。
行きがけにも見たけど酒屋さんが派手。多分これが84の近くでお酒を転売してる人たちの仕入先なんだな、と半日後に繋がった。なるほど。 
ウクライナ→ポーランドへの検問はそこそこ並んでるし、仕方ないけど進みも遅め。検問所内に入ってもまだ列があるから合計40-50人くらい並んでたんかな?もっとか?

19:25
検問の順番が来て、そりゃそうだと思う。窓口は一つだけ、かつしっかり見てる。そりゃ時間かかるわな。

19:30
ポーランド側の検問へ。
こちらでは荷物検査と身体検査がある模様。とはいえどうやらウクライナ側よりも進みは早い。「タバコとかお酒とか持ってる?」って聞かれて星さん終わったな…(ウォッカ買ってた)と思ったけどどうやら大丈夫だったみたい。
あとはひたすら歩いて84に向かうだけ。

19:50
84の玄関を開けたときの明るさと温かさになんかほっとする。まだここにいて3日なのに。アンドレが「おかえりなさい」って言ってくれたとき嬉しすぎてなんかジーンとしちゃったな〜、すごく家族みたいな感覚になっちゃった。このあとはご飯食べたりお酒飲んだり、帰国後に展開するコンテンツについて考えたりして寝る予定。

20:10
晩御飯の終盤にやっとダニエルに運転のお礼を言えた。ヘタレ勇気を出せてよかったね。
にしても、こういうとき「Of course.」って返すのか。かっこいいな。

2024年12月11日追記
もう10ヶ月前のことなんて
あのチェリー酒のあまったるい味や、ウクライナのおかあさんとハグしたときの柔らかさ、ダニエルさんと明け方までウォッカ飲みながら聞いた戦火最前線の町の話
今でもまるでさっきの事のように覚えてるのになあ
また会いたいと思うし、また訪れたい
支援活動でというのももちろんだけど、戦争がおわったら
がっつり観光をしに、写真を撮りに行きたいなあ

それじゃあまたね、ウクライナ

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