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デッキ紹介:白き森オシリスの考察と解説【解き放て天空神】

こんにちは、Uと申します。
初代の遊戯王が好きで、何とかして初代モチーフのカードが活躍出来るデッキが組めないかと日々ギミックの研究に勤しんでおります。

本日は〈白き森〉と〈マギストス〉をデッキのエンジンとして《オシリスの天空竜》を高い再現度で出力するデッキを作りましたので、採用カードの考察と合わせて展開ギミックの解説をしていきます。



●デッキレシピ

ギミック解説の前に、まずは現在のデッキレシピと、展開例をいくつかご紹介します。

25年2月15日時点

1枚初動
・《白き森のシルヴィ》 ※ニビルケア可能
・《白き森の魔女》 ※ニビルケア可能
・《封印の魔道士スプーン》※ニビルケア可能
・《結晶の大賢者サンドリヨン》※ニビルケア可能
・《絶火の大賢者ゾロア》
・《聖魔の大賢者エンディミオン》

2枚初動
・《白き森のリゼット》+魔法罠コスト※二ビルケア可能

これらの初動札から、以下の盤面を目指して展開していきます。

場:バロネス(万能無効)、スプリンド(X素材コストにバウンス)、シャスマティス(フリチェ蘇生またはスプリンドの弾として)、ディアベル、蛇眼の炎龍、オシリスの天空竜
手札:白き森の罪宝(相手ターンにガーディアンキマイラ)
エクシーズ素材:金雲獣-馬龍(墓地に行くとバウンス)

エクシーズ素材となっている《金雲獣ー馬龍》を使った相手カードのバウンスや、《白き森の罪宝》を使ってフリチェで《ガーディアン・キマイラ》を出すなど、捲り札1枚で返されにくい『盤面以外での妨害手段』を複数用意してみました。


展開例① 白き森の魔女(=リゼット+魔法罠)

完全1枚初動でありながらニビルケアもしつつ展開が可能、加えて誘発貫通札にもなる《白き森の魔女》は、このデッキで最も強い初動札と考えています。

魔法罠コストがある場合は《白き森のリゼット》からもほぼ同じ展開ルートになります。


展開例② 白き森のシルヴィ

《白き森の魔女》と《白き森の聖徒リゼット》の登場で、シルヴィ1枚から《白き森の魔性ルシエラ》まで追加コスト不要で展開が繋がるようになりました。

こちらも召喚5回目でバロネスが出せるため、二ビルケアしながら展開が可能です。


展開例③ 封印の魔道士スプーン

《ヴァレルロード・S・ドラゴン》によるニビルケアを行いながら展開を行います。他の初動と合わせて引くことで誘発貫通札にもなるため、《白き森の魔女》に次いで強力な初動札となります。


展開例④ 結晶の大賢者サンドリヨン

《結晶魔術 光の涙》で《ウィッチクラフト・ジェニー》を落とすことで、サンドリヨンからゾロアに繋げてランク4が作れます。こちらもスプーン初動と同じく、サベージ先出しでニビルケアをしてから動くことが出来ます。


展開例EX.《結晶魔術 光の涙》による誘発貫通・誘発受け

相手の誘発に反応する形で《結晶魔術 光の涙》を発動することで、最低限の召喚数でサベージまで成立させることが出来ます。



●デッキコンセプト

①オシリスの天空竜を使いたい

『召雷弾!!』

「モンスターではない、神だ!!」
(高橋和希『遊‪☆戯‪☆王』文庫版 12巻、集英社)

遊戯王の主人公「武藤遊戯(アテム)」が使用した三幻神の一柱です。初代の原作に登場したカードでありながら(OCG化は2012年)、単体でも令和の環境で十分通用するスペックを持っているカードです。

今回はそんな《オシリスの天空竜》を安定して出せるデッキを考えたいと思いました。

オシリスの強み
●現代でも通用する妨害性能

攻撃表示で召喚・特殊召喚されるモンスターの攻撃力を2000下げ、0になった場合は破壊します。守備表示で出されると不発になりますが、「攻撃表示」しか存在しないリンクモンスターには必中になります。リンク召喚を多用する現代遊戯王においては特に強力な制圧効果となります。

オシリスの弱み
●そもそも出せない
これに尽きます。まず、「特殊召喚した場合はエンドフェイズに墓地に送られる」強制効果があるため、妨害要因として機能させるには自分ターンではなく相手ターンに出すようにするか、3体の生贄を捧げて通常召喚するしかありません。加えてサーチ手段も乏しく(神縛りの塚、真実の名など)、癖の強いものが多いのが現状です。

●耐性が無い
現代で通用する制圧効果を持っていても除去には無力のため、オシリス以外の妨害手段を確保したり、複数の蘇生手段を用意するなどして手数でバックアップすることが必要です。

▶︎弱みに対する解決策
今回オシリスを軸にしたデッキを作ろうと考えたのは、以下のカードがきっかけでした。

効果発動時にデッキから「征竜」モンスターを墓地に送り、征竜モンスターの起動効果をフリーチェーンで使える効果を持ちます。

真っ先に思いつくのは《永遠の淑女 ベアトリーチェ》のような墓地肥やしカードとして使う方法です。

また、シャスマティスを活用するメリットとして「相手ターンにもう1回効果を使える」ことにあります。

つまりシャスマティスのエクシーズ召喚さえ成立すれば、

自分のターンにシャスマティスの効果でタイダルの墓地肥やしをコピーして《オシリスの天空竜》を墓地に落とす

相手ターンになったらレドックスの効果をコピーして《オシリスの天空竜》を蘇生

といった流れで、シャスマティス単体からオシリスの擬似サーチ&蘇生を完結出来るようになります。


②強度の高い初動札を実現したい

デッキ構築の核となる「シャスマティスからオシリスを相手ターンに出す」というところが決まったので、あとはオシリスまで安定して展開が繋がるような、「強いデッキ」の特徴を抑えてデッキを構築したいと考えました。

強いデッキの特徴
①1枚初動が多い(デッキの再現性)
②手数が多い(誘発貫通力)
③誘発受けが良い(適応力)

パッと見は初動札も多く、デッキとして回りそうなのに、いざ対戦すると回らない…といったデッキになることを避けるためにも、①だけでなく②や③も実現出来ているデッキにしていく必要があります。そのために

・ギミックとしてしか機能しないカードを最小限にし、
・初動札の被りがそのまま手数になり、
・展開ギミック同士が相互に繋がり、
・妨害を担保出来ている妥協盤面が作れる、またはニビルケアが可能   なデッキ

となるような、「強度の高い初動札」が作れるデッキ構築を目指しました。

③相手の不意を付きたい

《極征竜ーシャスマティス》のエクシーズ召喚にはレベル7ドラゴン族モンスター2体が必要なのですが、そのために素直に征竜デッキを使うと誘発の打ちどころが分かりやすすぎると思いました。「相手の不意をついてシャスマティスを出したい」と、しばらくコネコネ考えていました。

そしてこのカードに辿り着きます。

特殊召喚時にレベルを変動させる効果を持つレベル6シンクロモンスターで「レベル7になれるレベル6ドラゴン族」なのですが、

「墓地に送られると相手カードをバウンスする」という②効果
が、フリチェでエクシーズ素材を墓地に落とせるシャスマティスと相性が良さそうと思い、そのまま「こいつをエクシーズ素材にしてやろう」と考えました。

そしてこいつをエクシーズ素材にするなら「レベル6シンクロが可能なテーマ」がシャスマティスと相性が良い、ということになります。

「白き森だ!!!」

誘発受けがよく、リソースの循環が上手いテーマで、やりたいことにもうまくマッチしそうと考え、白き森をメインギミックにオシリスデッキを構築していくことにしました。


●ギミックの解説

このデッキでは「初動となる2つの展開ギミック」を相互アクセス可能にすることで、展開のどこから始めても最終盤面が同じになるような構築になっています。

相互に循環し合う2つの展開ギミック

①白き森展開

《白き森の魔性ルシエラ》と《白き森の聖徒リゼット》でそれぞれ《封印の魔道士スプーン》と《白き森の罪宝》をサーチし、《フルール・ド・バロネス》を出しながらマギストス展開に繋げていくことが出来ます。

②マギストス展開

2体以上のレベル4モンスターを並べて《ヘルフレイムバンシー》を出し、スプライト・スプリンド》で落とした《白き森のアステーリャ》を蘇生することで白き森の展開へ合流します。

《極征竜ーシャスマティス》の出力

①と②の展開を行いながら《金雲獣ー馬龍》と《赤き竜》を場に出すことができれば、相手ターンに《オシリスの天空竜》を出す準備が整います。

レベル7になった馬龍を指定することで、赤き竜をレベル7シンクロモンスターに変換出来るようになります。

また、これによってサーチするのは《シンクロ・オーバートップ》というカードにしています。

《シンクロ・ランブル》との違いは
・蘇生の対象はドラゴン族シンクロモンスターのみ(シンクロランブルはチューナーも蘇生可能)
・蘇生したモンスターのレベルを1にする
の2点で、この2つ目の効果を今回活かして《白き森の妖魔ディアベル》を出すようにしました。

シンクロチューナーを素材にシンクロ召喚できると、展開途中で使用した《白き森の罪宝》を相手ターンの妨害札として回収し、再利用できます。

相手ターンにフリチェ融合できるので、《ガーディアン・キマイラ》が出せる

シャスマティスのX召喚後、オシリスを墓地に落とす時に使った《瀑征竜ータイダル》を自身の効果で蘇生すれば、レベル1シンクロチューナーとレベル7でディアベルをシンクロ召喚できました。

シャスマティスが使った「デッキからモンスターを墓地へ送る効果」はあくまで「タイダルの効果をコピーした」シャスマティスの効果のため、タイダル自身の『このカード名の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない』制約にはひっかからず、自ターンでの蘇生が可能となるわけです。

こうしてオシリスを墓地に落としたあと、ディアベルをシンクロして墓地から《白き森の罪宝》を回収し、オシリスを出す傍らで《ガーディアン・キマイラ》の展開準備ができるようになりました。

また、スネークアイ展開をする流れで《蛇眼の炎龍》を出せるので、オシリスの第二の蘇生手段も確保できています。

自ターンでオシリスを永続魔法に→相手ターンでオシリスを出力

シャスマティスの2回目効果を温存し、《蛇眼の炎龍》の効果を優先的に使うことで《スプライト・スプリンド》の妨害効果の発動に必要なX素材をストックしておくことが出来ます。



●採用カードの解説

採用したカード

デッキのギミックについての解説は以上となりますが、ここからは各カードの採用理由などを抜粋して解説したいと思います。また、採用するか悩んで今回は未採用だったカードについても軽く触れておきます。

オシリスの天空竜

「2000以下を攻撃表示で出せなくする」効果により、リンク召喚を扱うデッキについては機能不全に近い状態まで持っていくことができます。たとえば

・デモンスミス展開の完封(ナンナ、レクイエムを維持できない)
・イゾルデ、ロムルス、ケルビーニ、クロシープなどのソリティア系デッキの中継点
・今後登場するリンクテーマ《ヤミー》
・マスカレーナ、リトルナイト、トロイメアなどの汎用リンク2、リンク3 などなど…

また通常召喚による展開を抑制することも出来るため、デッキの初動やケア札のどちらかを無力化することができます。
注意点として強制効果の為、破壊することを逆手に取られる可能性がある点には留意が必要です。

瀑征竜ータイダル/巌征竜ーレドックス

《極征竜ーシャスマティス》の効果を発動するためにデッキから墓地へ落とします。素引きした場合はそのまま手札で発動する形で誘発貫通も可能になるほか、《聖魔の大賢者エンディミオン》でデッキに戻す形で素引きケア出来るため、それぞれ1枚採用となります。

白き森のシルヴィ

《白き森の魔女》と《白き森の聖徒リゼット》と合わせることでコスト不要の1枚初動となります。召喚権を使う初動の競合としてサンドリヨンと比較した時に、白き森初動の方が最終盤面が若干強いため、シルヴィを3枚採用としました。

白き森のリゼット

魔法罠コストと合わせることで召喚権不要の初動になる誘発貫通札として採用しています。バロネス先出しから動けるため、こちらも3枚採用しています。

白き森のアステーリャ

素引きした場合は初動としても扱えるものの、魔法罠コストが必要かつ召喚権を使う点でシルヴィを優先して引きたいため、1枚採用としました。基本的にはスプリンドで墓地に落としたあと、魔法罠の墓地送りに反応して自己蘇生する形で場に出力します。

白き森の聖徒リゼット

《白き森の魔女》または《白き森のいいつたえ》から展開途中にサーチします。素引きも許容でき、誘発貫通にもなりますが、単体で動けるカードでは無いため1枚のみの採用としました。

封印の魔道士スプーン

これ1枚で
・後続のマギストスをサーチしながら
・ゾロアの効果で蘇生でき
・アルテミスをEXから装備できる
マギストスの革命児のようなカードです。サベージ先出しでニビルケアしながら展開が可能であり、召喚権がなくても使えるため、3枚採用しています。

結晶の大賢者サンドリヨン

召喚時にマギストス魔法罠をサーチできます。このデッキでサーチするのは《結晶魔術 光の涙》になります。1枚初動にはなるものの、召喚権を使う初動としては白き森から動いた方が強く、初動枚数も他で確保出来ているため2枚としています。

絶火の大賢者ゾロア

EXデッキから直接アルテミスを装備魔法扱いで装備できるため、《天賦の魔道士クロウリー》をサーチしてランク4になることが出来ます。

コロゾ2枚目を採用すると、ゾロア初動でもサベージ先出しの二ビルケアが可能となります。今回はEX枠の都合で不採用となり、他の初動札に強度が劣ることとなったため1枚採用にしました。


聖魔の大賢者エンディミオン

ゾロアと同じく、EXデッキからマギストスモンスターを装備できます。②効果で素引きしたくないカード(蛇眼の炎鱗、タイダルなど)をデッキに戻し手札事故防止として機能させたり、「水属性」であることを活かして墓地のタイダル効果を発動することが出来たりと、痒いところに手が届くカードとして1枚採用しています。

白き森の罪宝

白き森かつ罪宝カテゴリでサーチしやすく、速攻魔法である点を活かして、相手ターンに《ガーディアン・キマイラ》を出力するために使います。展開途中では《白き森の魔性ルシエラ》でサーチした魔法使いを手札から特殊召喚することも出来、これ1枚で色んな使い方ができるバリューの高いカードだと感じています。

白き森のいいつたえ

《白き森の魔女》が登場したことでシルヴィからいいつたえをサーチする必要は無くなったのですが、その《白き森の魔女》から動き始めた時に展開を伸ばすには、別の白き森魔法罠から追加モンスターのサーチにつながる手段が必要だったため、1枚のみ採用しました。

結晶魔術 光の涙

サンドリヨンからサーチして使うだけでなく、素引きした場合は相手の誘発に対してチェーンすることで展開を伸ばすことが出来る誘発貫通札になるため、3枚採用しました。

相手視点からしたら
・展開中に無限泡影/灰流うららを打つ
→展開止まらず、サベージも沸いてくる
・スタンバイで増殖するGを打つ
→ドロー1枚でサベージが立つ
といった具合に割と「やってる」寄りのカードだと思います。

蛇眼の原罪龍

魔法・罠ゾーンのカードを使ってリンク召喚できるようなものであり、展開が伸びまくります。

スネークアイ+マギストスで魔法罠にモンスターカードが溜まりやすく、途中まで2枚入れてましたが、EX枠が足りなさ過ぎて最終的には1枚になりました。

金雲獣ー馬龍

自分のことをレベル7だと思い込んでくれる、レベル6のシンクロモンスターです。墓地に送られると相手の表側カードをバウンスする妨害がついており、フリチェでエクシーズ素材を取り除けるシャスマティスのよき相棒になると感じて採用しました。

ヘルフレイムバンシー

《蛇眼の炎鱗》をサーチすることで、ランク4から白き森展開に繋げるためのギミックパーツとなります。

《聖魔の大賢者エンディミオン》のおかげでポプルス素引き事故を防ぐことが出来るため、素引ケアによるパーツ追加がなく、コンパクトなギミック搭載が可能となりました。

極征竜ーシャスマティス

「好きなモンスター発表ドラゴン」です。
今回はオシリスを出すために採用していますが、オシリスを別のモンスターカードにすることも出来るため、今後も何度かわたしのnoteには登場するかもしれません。

採用を迷ったカードたち

スネークアイ・エクセル/原罪宝ースネークアイ/篝火

白き森とマギストスを相互アクセス可能にしているので、その間のスネークアイからも同じ盤面を形成出来ます。

ただ、白き森・マギストス初動と比較して二ビルケアが出来ないことや、既に初動枚数は足りていること、誘発貫通も可能であり、手札誘発の素引き率をこれ以上下げたくなかったため、スネークアイはあくまでギミックパーツとして必要なもののみの採用としました。

エンシェント・フェアリー・ドラゴン

《シューティング・ライザー・ドラゴン》との入れ替え候補になります。シンクロオーバートップを使って妖魔ディアベルを出せるのが、シンクロチューナーであるライザーだったためこちらは不採用となりました。赤き竜から出すだけでなく、ルシエラ+ポプルスなどで出すことも出来るため、ルシエラでサーチしたモンスターを《白き森の罪宝》を温存して特殊召喚できます。

キングデンプシー+イゾルデ

スネークアイの代わりに白き森を展開する手段として検討していましたが、ギミックに必要なカード枚数と最終的な盤面を含めスネークアイギミックの方が今回は相性が良かったため、不採用としました。



さいごに

さいごまで読んで頂き、ありがとうございました!思考に思考を重ねて完成したデッキなので、みなさんのデッキ構築で参考になる部分が少しでもあれば幸いです。

このデッキをコネコネしている間にまた面白いギミックが作れそうなテーマが登場したので、今後もネタを思いついたらどんどん形にしていこうと思います。

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