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猫旦那の育て方《水曜日のエッセイ by アミカ》

 
水曜日の記事は文章クラブ『放課後ライティング倶楽部』メンバーさんが担当です。だいたい2ヶ月くらいで順番がまわってきます。
 

 

2023年3月ごろ、このような記事を書いた。

『猫好き男子は果たしてモテるのかを思い巡らせたでござる。』

タイトル長い。しかも語呂が悪い。
当時は「ござる」を語尾につけるのがマイブームだった。
なぜかはわからん。
当時の私が「ちょっと面白い」って思ったんだと思う。

そんな思いつきでふわっとかいたnoteの記事は、現在「56いいね」をいただいている。
たくさん「いいね」をいただきありがとうございます。

あれから2年。
猫のように気まぐれな旦那は50代になりました。
以前と相変わらず、気が向いたときに食事を作ってくれるご様子。
当時と違うのは、あの姿を見るのが「土日の定番」になったことだろう。

「ねぇ、最近気づいたんだけど」
肉をフライパンで炒めながら、猫旦那がふと話しかけてくる。
じゅぅじゅぅと騒がしい肉の香りが、パソコンを眺める私の思考の半分を占領する。

「……え?」
「あのねぇ、最近気づいたんだけどさー」

「……んん? 何かね?」

にぎやかに開催されるお祭りの向こうで、猫旦那がぼそりとつぶやく。

「俺、最近、毎週ご飯作ってる気がする」
「何か言ったかな?」
「……いえ、なんでもありません」

並べられたメニューはいつもブラウンだ。
グリーンの爽やかさも赤いトマトの彩りも存在しない。

だが、いいのだ。
お腹が満たされればね。

「いただきまーす!」

並べられた茶色の軍団は、あっという間に全員の胃袋に収まる。
彩りなんざ、誰も見ちゃいないのさ。

蹂躙された後の食器たちを片付けるのは、相変わらず私の役目。

「ふぅ、片付けますか」
かすかに圧のこもった一言をつぶやいて、移動を開始する私。

「ごめんよぉ、俺の体は片付けることができないようになってるんだよぉ」
(……うっさぃな)
聞こえないふりをしつつキッチンへ。

泣き言を言えば笑って許してくれるでしょ?
そんな猫旦那の見え透いた策略に、思わずニヤニヤしつつ。

『お互い様(だよね?)』の精神で、今日も平和な時間が流れる我が家です。
 
 
[ライター:アミカ]

◆あとがき
ヤスです。料理って片付けがほんとめんどく…大変で。甘えて泣き言を言う旦那さん、それを許しちゃうアミカさん。どちらも素敵な人たちです。


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ヤス(ウエダヤスシ)
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