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entry number.10-8『自分が落ち込んだとき、どうやって対処しますか?』

自分が落ち込んだ時というのは、どんな時なんだろう?

昔、仕事で落ち込んだ時は【本屋さんで好きな本を買う】が対処法だった。
長い通勤時間で本に集中すると、気分を一新することができた。


現実とは全く切り離された世界に、どっぷりと浸る至福の時間。
それさえあれば、現実に戻った時すでに心の切り替えは完了していた。


子どもができてからは、そんな長い時間電車に乗ることはないし、本を読む暇もない。

自分のことで自分が落ち込むこともだいぶ減った。


10年の勤務経験から学んだことはこうだ。

自分のことで自分が落ち込むのって【余裕がない】か【自分の力不足に打ちのめされる】ことか。
どちらかに限られる。


それさえ分かっていたら対処は簡単。


余裕がなければ、余裕を作るために自分の時間の使い方を見直せばいい。

力不足の点は、日頃の努力の至らなさだろう。
結局、自分が努力しないのがいけないのだから、努力してできることを増やすのみだ。


落ち込んでいる暇なんてない。
落ち込むのが嫌なら、頭を使って努力するしかない。

10年の間に、自分でそこまで割り切って行動するようになっていた。


今、自分が落ち込むとしたら、それは家族のことに限られる。特に、子どもたちのことだ。


子どもたちは、驚くほど病に弱い。

日常的には健康なんだけど、2歳前までに入院経験がある。
喘息は持ってるし、アレルギーもあるし、脱水になりやすい。
胃腸炎など発症した日には、あっという間にブドウ糖欠乏になる子もいる。
下手したら、1日で命の危険に晒されるのだ。

全く、並べ始めたらキリがない。


健康に産んだはずなんだけど…と思いつつも、体質なんだろうな。
仕方ないと割り切って数年経つ。

だいぶ対処には慣れてきた。
大丈夫なはずだ。

が、やはり実際に目の前で苦しんでいたら話は別。


どんなに気をつけていたってそれは訪れる。
すると、気持ちがブレる。
誰かのせいにしたくなる。

「うちの子だけ」
「なんでこんなことに」

そう思うことだっていっぱいある。


言葉に出して言ってしまえば、もしかしたら楽になる?
誘惑に駆られそうになることも、多々ある。


でも、知っているんだ。
言葉に出したところで、この現実は変わらない。

他人に不安をぶちまけたところで、あとで自分が落ち込むだけだ。
分かっているからこそ、淡々と日々を過ごすことに全集中する。


そして、心に抱えた不安、落ち込みは、やっぱり「本」という魔法のアイテムに頼る。
一瞬でどんな体験も可能にしてくれる本は、私にとって最高の回復アイテムなのだ。

【書物そのものは、君に幸福をもたらすわけではない。ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる。-ヘルマン・ヘッセ】

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