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【不真面目なりの漢検準1級対策】漢字検定準1級と2級の違い -難易度編-

この記事シリーズでは、
「受験勉強とか真面目なお勉強は嫌い!」だけど、
「漢字には興味がある!」「なんか資格ほしい」といった方に向けて、漢検準1級の具体的な対策法や心の持ち方(モチベ)についてお話しします。
→このシリーズのまとめはこちら


さて、今回話していくのは「漢検準1級と2級ってどんな違いがあるの?」「どのくらい難易度が違うの?」「どっち受ければいいの?」といった内容です。

漢検って準1級と2級、どっち受ければいいんだろう。

このように悩んだことはないでしょうか。
で、その違いを知るために本屋でテキストを見比べたり、漢検協会のHPで出題範囲とか過去問とかを見てみたり、してみたかなと思います。


……準1級と2級の違いよく分からなくないですか?
「準1級がなんかめっちゃ難しそう」ってことは分かると思うのですが、「じゃあ2級は受けなくていいのかな?」って思いませんでした?

僕は結構これで悩みました。「受験費もケチりたいし、大は小を兼ねるなら、準1級からでいいのでは?」と考えることもあり、かなり悩みました。
そして、たくさんググったりして、結局2級から受けました。結果的にこの選択は正解だったと感じています。

ということで、今回は私の経験をマシマシに盛り込んで、漢検準1級と2級の難易度の違いと、受ける順番について話していきたいと思います。
この記事では「難易度」について話します。



以下注釈(読まなくてもいいよ!時間ないと思うので!)

※私は中学生で漢検準2級を取り、大学生になってから2級と準1級を取りました。※2級187点(93.5%)、準1級は175点(87.5%)で合格しました。

※先に断っておきますが、客観的なデータ等を用いた細かい分析は行っておりません。他の方が既にハイクオリティな記事を書いていると思います。あくまで、「お勉強が嫌いな人が受けた感想」という主観的な情報を伝えていきます。


目次

①出題範囲の比較
②実際の問題
③2級と準1級を受けてみて感じた違い

まず最初は客観的な情報から話します。
後半は主観的な感想をお話しします。


①出題範囲の比較

漢検HPの出題範囲はこちら

まず出題範囲をざっと見てみましょう
2級 :高校卒業・大学・一般程度(2136字)
準1級:     大学・一般程度(約3000字)

言えることは2つあるでしょう。
まず、準1級は文字数が約900字も多いということ。

そしてもう一つ。多くの人が忘れがちなことですが、
準1級には「大学・一般」レベルの漢字しか出てこないということ。
「高校卒業」レベルというのは、普通の感覚で言うなら常用漢字や、日常で使うような熟語表現が相当します。
そして漢検協会が指す「大学・一般」のレベルは、常用漢字ではない漢字使用頻度の少ない表現(近代文学の表現など)が当てはまります。
(全然「一般」じゃねえよ!語弊しかねえよこのレベル表記!)

高校卒業レベルが一つも準1級にない、ということはそういうことです。
見たこと、聞いたことのある漢字・熟語表現がほぼ出てこないということです。

つまり、

鬼ムズイ漢字が900字以上追加され、

熟語もかなりの数が意味不明になる

これが、漢検2級と準1級の違いです。


②実際の問題

.…いや本当なんですか?脅しなんじゃないんですか?
と思われた方もいるかもしれないですね。百聞は一見に如かず。問題を見てみましょう。(読みと書きをとりあえず比較します。)
ではまず2級から見てみましょう。


2級

漢検HPの過去問はこちら

【読み】

奪還     ・・・だっかん
舌禍     ・・・ぜっか
端数     ・・・はすう
産着     ・・・うぶぎ

【書き】

そうごん   ・・・荘厳
こうでい   ・・・拘泥
はばむ    ・・・阻む
うできき   ・・・腕利き

なかなか2級は楽しいですね。大学受験の漢字の単語帳をやっている感覚です。出てくる漢字も義務教育で習うものが多く、熟語も比較的聞いたことのあるものが多いです。一般教養としてはかなり勉強になりそうです。


では次に、準1級を見てみましょう。

準1級

漢検HPの過去問はこちら

【読み】

老杉     ・・・ろうさん
慧眼     ・・・けいがん
舛誤     ・・・せんご
穎脱     ・・・えいだつ
冒瀆     ・・・ぼうとく

【書き】

どのう    ・・・土嚢
ろうそく   ・・・蠟燭
なだめる   ・・・宥める
さんさんと  ・・・燦燦と
もちろん   ・・・勿論
がらん    ・・・伽藍

…これ難しい問題だけ選んでないですからね?
見て分かるように、非常に難しいです。そして「普段漢字で書かねえよ!」っていう常用外の漢字が普通に登場します。
時折、アニメか小説かなんかで聞いたことのある熟語や、古文単語などからも出題されますが、ほとんどは見たことも書いたこともない漢字・熟語です。


ということで読みと書きで単純な比較を行いましたが、

2級は  【一般教養】常用漢字・日常的な熟語
準1級は 【専門的】常用外漢字・見たことない熟語

ということが言えます。


③2級と準1級を受けてみて感じた違い

より実感を持ってもらうために、私の経験も話しましょう。
先に私のレベルを共有しておくと、

  • 大学受験は頑張っていたので、漢字の単語帳はそこそこやっていた(それでもギリ一周したぐらい)(サボろうにも塾でやらされるので….)

  • スケジュールを立てて勉強するのは苦手。テストが相当迫らない限り、予め勉強することはまずない。

  • 漢字は小学生の時から好きだった。日に日に暗記した漢字が増えて、漢字テストで無双する感覚は好きだった。

  • ただ暗記力は皆無なので、英単語や日本史の年表などは死ぬほど嫌い。神経衰弱とかも無理。運ゲーです。

といった感じです。まあ漢字は好きだけど、そこまで暗記力は持ち合わせてないです。漢字好きの一般人ぐらいです。
では2級から見ていきましょう。


【2級】

2級は大学生の1年くらいに2か月ぐらい勉強して受かりました。
体感は「大学受験ちゃんとやってれば、ワンチャンノー勉でも受かるかも…?」という感じでした。(あくまでワンチャンです!出題難易度がデレてくれればの話です。)

テキスト(でる順×分野別漢検問題集 2級)を買って、頻出ランクABCのAとBだけ1、2周して、過去問を6回やってから臨みました。
1、2周したと大袈裟なことを言っておりますが、9割方は即答できるような漢字の読み、書きなどです。シャッシャッとアンケート感覚で、分かる問題はチェックをつけて消し、時々出てくる難しい1割を再度復習して2周目をやっただけです。
(本屋でテキスト見てみると分かります。本当にアンケート感覚でスラスラ解けます!けっこう楽しい。)

ただ出題範囲に「部首」「四字熟語」があり、これは新しい知識が必要でした。なので、この部分の知識は補強する必要がありました。
ただ、テキストの全210ページ中の40ページ程度を真面目に取り組むだけなので、そこまで苦ではなかったと思います。自分はだいたい2週間ぐらいで満足しました。

(部首  例)     亜→二、弔→弓、矛→矛
(四字熟語:書き  例)精進潔斎、合従連衡、綱紀粛正

ある程度頻出問題のパターンが分かってきた頃に、過去問を重点的に解くようにしました。
合格点は80%(200点)ですが、最初から85%、86%、83%とボーダーを超えていて、最終的に90%は安定して出るようになりました。
(間違える残りの約15%は大抵、部首か四字熟語でした。復習して頑張って覚えても毎回知らない部首・四字熟語が出され続けるので、正直、得点はあまり伸びませんでした。本当にいたちごっこ。)

ということで2級は、

ある程度は真面目にやらないといけないけど、

ほとんどは知識の使いまわしor既知なので、楽しいし簡単!

と感じました。
また、2級の内容は、

社会人として、ある程度必要な漢字の読み書きを網羅している

と思います。一般的に「教養ある感」が出るレベルがこの辺りです。新聞等の小難しい表現でも、せいぜいこのレベルだと思います。
※逆にこれを超えると一周回って「言葉が分かりにくい人」になるでしょう。


【準1級】

準1級は大学の2年生で、4か月程度をかけて合格しました。
体感は「最初はかなり辛いけど、頻出ランクAが終わった頃からほーんのちょっとだけ楽しくなる。」という感じでした。

まずテキスト選びから時間をかけました。様々なサイトやレビュー、試読などをして、最終的に「史上最強の漢検マスター問題集 準1級」を採用しました。(これも頻出ランクABCの形式です。)
過去問は2023年に発行された公式の過去問です。

スケジュールを組むのは当然苦手なので、超ざっくりで計画を立てました。

  1. 一か月で頻出ランクAをマスターする

  2. 次の一か月で頻出ランクBをマスターする +過去問を隔週ぐらいでやる

  3. 最後の一か月で頻出ランクCをマスターする +過去問を毎週やる

  4. 余った期間は調整用に残す(思ったより進みが悪い場合に備えて)

ただ、実際は空いてる時間にテキトーに進めていました。電車に乗る通学時間や空きコマの時間などの暇つぶしにやっていた感じです。(あとは授業中の内職。)

で実際に1か月でランクAの問題ができるようになってくると、ランクBでは、
「これはランクAでもう覚えました!使い回せます!」という漢字が少しずつ増えてきます。少しだけど。
このあたりから、「自分の知識が蓄積されている」という成長を感じて楽しくなってきます。でも、半分ぐらいはまだ初見の漢字・熟語です。

そこからランクBをマスターして、ランクCに入る頃には、
「ほとんど知ってる漢字だな。普通に難しいけど。」と感じるようになります。その漢字は知ってても、熟語が分からないケースはザラにあるので、油断は許されていませんでした。

(※具体的な勉強法も気になると思われるかもしれませんが、別の記事でしっかりお話しするので、今回は割愛します。)

準1級を振り返ってみると、
普段計画性のない自分でも「計画を立てて臨む必要が絶対に必要だ」と感じるほど、恐ろしい難易度の高さがあったと思います。
でも実際これぐらい勉強は必須だったと、振り返ってみても思います。

また勉強の頻度も、
2級の時は暇な日に一日中勉強する、いわば一夜漬けのような感覚で勉強をしていましたが、
準1級の時は「どう考えてもコンスタントに勉強しないと定着しない」という危機感を感じるほど、未知の知識が多かったです。
実際、ほぼ毎日、悪くて4日に一度は勉強を欠かさないようにしていました。短期記憶ではどう考えても無理で、長期記憶に持ち込まないと覚えきれないほど、難易度の「質」と未知領域の「量」があったからです。

そして、過去問も9回+模擬問題2回の計11回を行いました。2級の時の2倍は力をかけて過去問に取り組みました。
ランクAとBをそこそこマスターして挑んだ結果、合格点は80%(200点)に対して、60%、59%、61%と恐ろしくボーダーを切っていました。既に2ヶ月近く、かなり本気でやっているのにも関わらず、初見の漢字や熟語、故事成語が登場するので、なかなかに得点がふるいませんでした。
最終的に80%台に辛うじて乗るようにはなりましたが、「出題難易度が多少デレてくれないとマジで詰む」と思うほど、点の伸びない底なし沼でした。
※本番は少しデレでした^^

ということで準1級は

常にコンスタントに、真面目にやらないといけないけど、

全然得点は伸びない。知らない漢字・熟語ばっかりで割と辛い。

というものでした。
そして、準1級の内容は、

日常で使うのは不可能。他の人には多分通じない。

と思いました。本当に8割方は漢検やってないと知らないような漢字・熟語ばかりです。会話でつかっても十中八九通じません。

ただし、これは「日常で使う」という「コミュニケーションでの使用頻度」の観点で考えた場合の話です。別の方向で考えるのならば、

言葉を知ることで、世界を理解する

ということにつながるとは思います。わけわかんないと思うので、これは別の記事にて語ろうと思います。
端的に言うと、「点のが顔に見えるこの現象って、シミュクラ現象って言うんだ!」って分かると、なんかスッキリする、その現象に輪郭が見えてくる、という感覚が漢字の学習からも得られるということです。こんな哲学チックな話は求めていない人が大半だと思うので、この辺にしておきます。
(一応こちらの記事で詳しく書いてます。読みたい方はぜひ。)


結論

【2級】

ある程度は真面目にやらないといけないけど、

ほとんどは知識の使いまわしor既知なので、楽しいし簡単!

+社会人として、ある程度必要な漢字の読み書きを網羅している

【準1級】

常にコンスタントに、真面目にやらないといけないけど、

全然得点は伸びない。知らない漢字・熟語ばっかりで割と辛い。

+日常で使うのは不可能。他の人には多分通じない。

このように、2級は実用的比較的楽しく取り組めるものですが、
準1級は、実用性は皆無で、苦行に近い暗記を強いられるものです。


長くなりましたが、これが漢検2級と準1級の難易度の温度感です。
準1級の内容は、全く2級の内容に重なっていないので、大は小を兼ねないということが言えます。

次回は、漢検準1級と2級の受ける順番についてお話しします。
今回の内容であらかた予想はつくとは思いますが、2級から受験することを強く推奨します。ではまた。


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