「鬼滅の刃」に見た2つのリーダー像
大ヒット中のアニメ、漫画「鬼滅の刃」
僕はアニメから入ったのですが、息子が漫画も全巻持っていたので全部読みました。
最後はいい終わり方でしたね。
売れているからと言って引き伸ばしせず、すっぱりストーリーを完結させた吾峠先生の英断にあっぱれ。
鬼殺隊が「剣士の集団」で各剣士のキャラがたってるという点では、僕の好きな「新選組」を彷彿とさせます。
善逸は「座頭市」、伊之助は「宮本武蔵」へのオマージュですかね。
また「呼吸」「型」「全集中」といった武道の世界で大事な言葉が、鬼との戦いの中で非常に重要なものとして何度も出てきます。子供たちに空手を教えてる僕にとっては「とてもいいものが流行ってくれた」と内心思っています。
最近は稽古していて子供たちの集中力が欠けてきたな、と思った時は「全集中!」としょっちゅう叫んでいます(^^)
さて今回は僕が「鬼滅の刃」で出てくる2人のリーダーについて語ります。
ある程度ストーリーを知っている方向けに書きましたので、そのあたりはご了承ください。
鬼殺隊のリーダーであるお館様こと「産屋敷耀哉」
一方、鬼たちの絶対的リーダーである「鬼舞辻無惨」
アニメ化されたシーズン1「立志編」の中で、この2人の組織の統率の姿勢で対象的なシーンがそれぞれ描かれました。
まずはお館様の方から。22話~23話「柱合会議」のシーン
人を喰う恐れがある鬼の禰豆子と、その禰豆子を連れている炭治郎をどうするべきか?ということで柱達とお館様の間で活発な議論が交わされます。
柱達の意見は当初お館様と対立しますが、お館様はそれに対して決して激昂することなどなく、彼らの意見に耳を傾けます。
お舘様がよく口にする言葉「そうだね。」
基本的に柱達の発言はまず受け入れます。
ただそういった穏やかなお館様ですが、柱達からは決して“なめられる”といったことはなく深い尊敬の念を持たれています。
一方、26話、無惨様が下弦の鬼達を集めての粛清(!)のシーン
いきなりの「こうべを垂れてつくばえ。」ですからね(怖っ!)
目の前に現れた時点で全員ガクブル状態…(*_*;
下弦の鬼の一人「累」が鬼殺隊に殺されたことで、下弦の鬼達のだらしなさを指摘され、しまいには「下弦の鬼はもう要らねえ」とばっさり切り捨てられてしまいます。
一言でも発言しようものなら「誰がしゃべってよいと言った!」
そして説教しながら、一人(一鬼?)ずつ粛清されていきます。
どんな発言(頭の中の思考も!)に対しても、すべて否定され、とことん追い詰められます。
この2つのシーンを見ながら「組織の統率」や「求められるリーダー像」といったことも作者の吾峠先生は対象的に描いたのかな~、と思ってしまいました。
鬼舞辻無惨がリーダーの鬼軍団は、これまでの古い組織であり、古いタイプのリーダーが率いている様が描かれていますね。今で言うブラックな職場。
先輩・上司の命令は絶対であり、口答えは許されない。
ミスをすれば、問答無用で罰を与えられる。
恐怖で後輩・部下を支配し、部下も自らの保身の為に働く。
また鬼達それぞれのマンパワー、パフォーマンスに頼っているところも見受けられます。
一方、お館様率いる鬼殺隊は理想的な組織であり、理想的なリーダーを擁しています。
後輩・部下の意見は幅広く聞き、問題解決の材料とする。
反対意見・感情的な意見に対しても、リーダーはまずは受け入れる。
後輩・部下が深く頭を垂れるのは、「この人(リーダー)の為なら…。」という全幅の信頼による自然な動作。
「柱」という圧倒的なパフォーマンスをする者もいるが、それを支える裏方もちゃんといて組織として効率的に機能している。
あとまだアニメには出てないエピソード
剣を振るうこともできない病弱なお館様ですが、鬼殺隊の隊士のことは生い立ちから家族のことまですべてを把握しており気にかけてくれています。
そして「この人のもとで鬼を倒すことに全力を注ぐ!」と自然に鬼殺隊隊士に思わせています。
たとえば、雲の上の存在の大会社の社長が、ふらっと地方の営業所に現れて
平社員の僕に「君は確かTommy君だね。この前の○○の仕事はご苦労だったね。奥さんと子供も元気かね?」なんて声をかけられたら、そりゃぁ感激して「俺なんかのこと知ってくれているんだ!俺この社長の為に一生懸命働こう!」となりますよね?
娯楽のアニメ作品ではありますが、見方次第ではたくさん学べることがあります。こんな見方は小中学生にはできないかもしれないけど、感覚的に色々学べると思います。
あの映画、ドラマ、アニメ、漫画、小説の“あのセリフ”に背中を押されて今の自分があります、っていう人も結構多いんじゃないかと思います。
僕はそんなセリフ、今まで見てきた作品で何かあったかな…?
あっ!…でもそれは今後のブログのネタにとっておこう(^^)