有意な差について

 YahooやGoogleの記事を見ていると、キャッチャーな見出しでいろいろな研究成果が報告されている。

信頼性はあるのだろうか?
私が大学院で公衆衛生学研究室に属しているときは『有意な差はあるか?』ということが一つのポイントだった。”有意な差”というのは”意味のある差”ということ。偶然起きたのか、そうでないのかを調べるのが「有意差」。

例えば血圧の薬の効果の有無を測るために、薬を飲んだグループと飲まなかったグループの血圧の差について、有意な差があれば効果があったと発表していた。しかしながら、『優位な差がない=効果がない』ということではないよと教授からよく言われていた。もしかしたら、研究対象の人数を増やしたら有意差が出るかもしれないと研究発表の場では言っていた。

最近みた"有意な差"のニュースは新型コロナウイルス感染症に対するアビガンの効果について。藤田医科大学が新型コロナウイルス感染症の治療薬候補となっているアビガンの臨床研究の結果について、統計的な有意差はなかったと発表した。

約70人の対象者で研究したよう。有効性に関して統計的有意差は見いだせなかったが、サンプルサイズを拡大すれば有意差が得られる水準であったと報告している。

数年前に『父親は深夜帰宅、母親は専業主婦の方が「子供の学力」は高い』という研究結果の記事が出てモヤモヤしたのを思い出した。この研究はいったいどんな世界をのぞんでなされた研究なんだろうか。キャリコン講座で『アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)』という言葉を学んだ時にこの研究を思い出した。研究は仮説を検証していくものだとおもうが、仮説自体が無意識の偏見に囚われていないかな?と感じたものだった。

研究って難しいなぁ〜

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