だいすきなひと

自分の気持ちを書き記したくなった。ただそれだけ。

ただの言葉だけだけれど、わたしがあの人のことを好きという事実をどこかに残しておかないといけなくて、いやいけないなんてことはない、義務ではない。けど、そう思ってしまうほど好きだ。

あの人に出会うまで、好きというものを履き違えていたのかもしれない。小学生の頃は周りがみんな好きな人を作っていたから仕方なくクラスメイトの適当な男子を適当に選んで適当な理由をつけて好きなふりをしていた。ただの友達だったのに勝手に恋愛に結びつけた、空間に結び付けられた。

はじめてあの人に出会ってから好きな人がいるかどうか聞かれるとあの人の話をした。でも
理解されなかったんだ。好きな人がいるというと何組?誰?名前は?と一番に聞かれ、胸が痛かった。同じ学校じゃない。同い年でもないというと一気に興味を失い立ち去る女の子達はわたしになんて言ってほしかったのだろう。ただゴシップが欲しかっただけでわたしの好きの気持ちなんてどうでも良かったのだ。

だから、好きな人なんて言わないようにした。好きなのに、大好きなのに流行りの言葉に当てはめて彼を閉じ込めてしまった。自己防衛のためだった。
「普通の恋愛しなよ」と当時一番仲の良かった友達に移動教室の帰りに言われた事を今でも忘れていない、冬の匂いが漂い始めた日だった。悔しかった。

あの人を好きになって気づいたら17歳の冬を目前にしている。あっという間に過ぎた時間の中にはいつだって貴方がいて、幸せと同じくらい苦しみが詰まっていた。

あぁ、いつかあの人とゆっくり話せる日が来るのかな。なんて思う。わたしとあの人の関係じゃ無理だってわかっているし、あの人はそんなことをする人ではないと気づいている。
ただ、いつか会えなくなる日が来ることを知っている。知ってしまったということは、現実になる。すぐそばにある未来。

一番怖いのはその「会えなくなる」がどんな形をしているのか見えないことだ。あの人自身が仕事をやめてこの世界から離れること、この地球のどこかで呼吸をして食事をして笑って過ごしていることを知れず見ることもできずわたしは生きていかなければならないことなのか、はたまたあの人が消えてしまうのか、わたしが消えてしまうのか。

どれも同じくらいありえることであり、選択することなどできない。少し前まで一番頭に残っていた考えは「あなたが消えてしまうこと」だった。努力家な貴方はいつか壊れてしまうのではないだろうかと思った。遠い存在であるから触れることもできず、ただ言葉が届けばいいなと思い精一杯叫ぶことしか今の私にはできないのだから、壊れてしまった時どうしようもない。それが嫌だった。いつもと変わらない笑顔のはずなのに死がちらつく。滅多に見せない泣き顔を思い出す。消えないで、いなくならないで、なんて言ったってこんなこと言えるわけなくて本音の上に綺麗な本音を重ねてラッピングして渡すのだ。いつだってこうだ。量産された回答、愛。これしか言えない。なぜなら貴方にわたしの汚いところを知られたくないから。バレてはいけないから。これはただのエゴだ。
生きていてほしい。会いたい、大好きだから。

はやく次、あえますように。貴方のことばかり考えているよ。こんな夜が早く終わりますように。

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