【無料】2022年11月14日の米国株相場
開場の日は毎日お届けしている、米国相場解説。
今日もマーケットの動き、経済指標結果と重要動向、翌日の予定についてお届けします。
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FRBは利上げを続ける
今日、ブレイナードFRB副議長の発言を受けて、順調に上昇を続けてきた主要株価指数は腰折れて、どれも終値ではマイナスで終えました。
S&P500
-0.89%📉 50日移動平均出来高: -2.4%, 前日比出来高: -15%
CPI発表後に楽観的な上昇を続けたS&P500は、ブレイナード氏の発言によって、前日の寄付き付近まで下げていきました。
50日移動平均線を割ることはなかったものの、上値抵抗として存在する200日移動平均線の方向には向かわず、連続上昇は2営業日で終えました。
大きな材料もなかったことから、出来高も少なく終えた形になります。
S&P500の構成銘柄別では、久しぶりにディフェンシブ銘柄はまだグリーンで今日1日を終えました。
ブレイナードFRB副議長「利上げに向けて、さらにやるべきことがある」
既に半年以上続けてきた、金融引締めの効果をFRBは実感し、満足しているか?
この質問に対して、ブレイナード氏は"NO"と答えました。
歴史的にも異例な75bpsを4回連続で行っている現状、「タイムラグがあり、累積的な引締め効果が浸透するまで時間がかかりそう」だと述べ、「今後、より慎重にデータを確認した上で引締めペースの移行を行い、時間をかけてインフレ低下を確認しながら続ける必要がある」ことを語りました。
一方で、9月FOMCの見通しよりも高い利上げが必要になる可能性については、明確に支持することはやめています。既にパウエル議長や他のFRB高官は今月、見通しよりも高い利上げが必要であると述べていたため、興味深い示唆です。
これまでFRBはほぼ満場一致で利上げを決めてきました。ブレイナード氏は特にすべての利上げに賛成しており、「FRBで最もハト派」という異名を完全に払拭してきたわけですが、ここでは改めて「データ」の重要性を強調しました。
彼女が気にしているデータとは一体何になのか?
ブレイナード氏は今だにFRBの目標とする2%のインフレ目標から大きく乖離していることを認め、「利上げに向けて、さらにやるべきことがある」と述べた後に、賃金上昇のペースが緩やかになり始めたことを示すデータについて指摘しました。
「賃金はインフレに追いついていないことを忘れてはならない。実質所得はインフレに対して低下してきている」と話し、賃金と雇用がFRBのアキレス腱であることを改めて示唆した形になります。
先を考えず、年末は楽しむ
FRBの期待する累積効果と、雇用関連の悪化。どちらが早く出てくるか。私はかねてから伝えているように、後者が先に現れ、FRBはインフレに勝てなかったシナリオを2023年前半にやってくると考えています。
FOMCの見通しをほぼ修正しない形で終えることを望んでいるFRBにとって、そのシナリオは悪夢のようなものです。しかし、本当に悪夢なのは、投資家にとってなのかもしれません。
しかしそんなことはひとまず置いておいて、年末のラリーを楽しみながら、来年になってから考える。そのような相場展開が続くでしょう。
今日の重要指標結果
NY連銀 1年期待インフレ率 前回: 5.7% 予想: ー 結果: 5.9%
NY連銀 5年期待インフレ率 前回: 2.2% 予想: ー 結果: 2.2%
粘り強い賃金インフレがインフレを助長させる予想となり、1年後の期待インフレ率は前回よりも上昇する結果となりました。
これも受けて債券市場はボトムを打ったような動きを見せていますが、FRB高官の発言やFOMC議事録公開に向けて少し長い目でどのような推移で動いていくか、観察する必要があります。
明日の重要イベント
10月 生産者物価指数[前月比] 前回: 0.4% 予想: 0.4%
10月 生産者物価指数[前年比] 前回: 8.5% 予想: 8.3%
10月 生産者物価指数[コア・前月比] 前回: 0.3% 予想: 0.4%
10月 生産者物価指数[コア・前年比] 前回: 7.2% 予想: 7.1%
11月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 前回: -9.1 予想: -5.0
リサ・クックFRB理事が発言予定
マイケル・バーFRB副議長が議会証言予定
明日は生産者物価指数(PPI)の発表を控えています。こちらも前回の結果に対して、予想は下回っていますが、前月比では横ばい・あるいは微増という動きを見せています。
CPI発表前にもお伝えしましたが、今後は前月比が重要になっていきますので、そちらを見るようにしましょう。
今週もFRB高官の発言が相次ぎ予定されていますが、また必要に応じて解説していきます。
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