見出し画像

【無料】2022年11月17日の米国株相場

開場の日は毎日お届けしている、米国相場解説。
今日もマーケットの動き、経済指標結果と重要動向、翌日の予定についてお届けします。

◆◆◆

ブラードSTL連銀総裁「政策金利の上限値は7%近くになる可能性がある」

FRBの中で最もタカ派で知られる、セントルイス連銀のブラード総裁は、利上げはこれまでインフレに対して「限られた効果しかなかった」と指摘し、「インフレをコントロールするまでにまだやるべきことがたくさんある」と述べました。

ブラード氏は政策金利について、5%が必要下限値であり、上限は7%に近くなる可能性があると主張しました。

これは9月FOMCで発表したFRBの見通しに対して、2%近く乖離しており、大きく外れています。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「政策金利をどこまで引き上げる必要があるか分からないが、インフレがピークをつけたことが明確になるまで利上げを停止するべきではない」と主張したこともあり、米国金利は短期から長期に至って上昇しました。

しかし、利上げについてはブレイナードFRB副議長も慎重な姿勢を見せていたこともあり、7%論の割には上昇幅はそこまで大きくありません。

これを受けて主要株価指数については、金利上昇を受けてどれもマイナスになりました。以下の中で、最も下げなかったのはダウです。

ダウに関しては、依然200日移動平均線を上回った状態が続いています。

S&P500

-0.31%📉 50日移動平均: -8%, 前日出来高比: -18%

前日比ではマイナスになりましたが、一日の動きとしては寄付きから引けにかけて上昇を行いました。材料も大きくなく、出来高も少ない1日になりました。

S&P500 5分足チャート

日足チャートでは21日移動平均線がじわじわ上昇を続けており、これがサポートラインとして200日移動平均線を突破するか、注目です。

S&P500 日足チャート

NASDAQ

-0.35%📉 前日出来高比: -5%, 50日移動平均出来高比: -12%

NASDAQについても同様に薄商いが目立つ一日となりましたが、5分足ではS&P500と同じく、寄付きから引けにかけて上昇をしました。

NASDAQ 5分足チャート

今日の動きの中で重要だった点としては、50日移動平均線が下値のサポートラインとして下ヒゲをつけて、上昇したことです。

これが今後も続き、200日移動平均線を試す上昇があるか注目です。

NASDAQ 日足チャート

今日の重要経済指標

  • 前週分(11/6-11/12) 新規失業保険申請件数[前週比] 前回: 21.7万件 予想: 21.9万件 結果: 22.2万件

  • 前週分(10/30-11/5) 失業保険継続受給者数[継続受給者] 前回: 149.3万件 予想: 150.8万件 結果: 150.7万件

新規失業保険申請件数については、予想を上回ったものの、これまでの推移を見てわかるとおり、大きな上昇ではありませんでした。

欧米はブラックマンデーが近づいていますが、失業者はまださほど増えておらず、FRBがインフレ阻止に必要だと考える5%の失業率にはまだ遠いように見えます。

  • 10月 住宅着工件数 前回: 143.9万件 予想: 141.0万件 結果: 142.5万件

  • 10月 住宅着工件数[前月比] 前回: -8.1% 予想: -1.3% 結果: -4.2%

  • 10月 住宅着工件数[住宅建築許可件数] 前回: 156.4万件 予想: 150.9万件 結果: 152.6万件

  • 10月 住宅着工件数[住宅建築許可件数(前月比)] 前回: 1.4% 予想: -3.0% 結果: -2.4%

住宅着工件数はマチマチな結果ですが、いずれにしても減少していることが確認出来ています。

  • 11月 フィラデルフィア連銀景況指数 前回: -8.7 予想: -6 結果: -19.4

市場予想を大きく外していますが、普段から外しまくっている指標なので過剰に反応する必要はないです。

あくまでもISM製造業・非製造業景気指数を占う先行指標としての意味合いが強いため、今後出てくるそれらの指標に注目しましょう。

明日の重要イベント

  • 10月 中古住宅販売件数 前回: 471万件 予想: 436万件

  • 10月 中古住宅販売件数[前月比] 前回: -1.5% 予想: -7.3%

  • 10月 景気先行指数 前回: -0.4% 予想: -0.4%

気になるニュース

WSJによると、第3四半期の企業が行う設備投資額は2000億ドルを超えると見られており、前年同期比で約20%の増加であり、Q1, 2の成長率とほぼ同じであると報じました。

FRBは金融引締めを行い、個人だけでなく、企業の新たな投資を止めたい思惑がありますが、思うように経済活動に冷やせていない要素を見せています。

個人支出は堅調で、企業も新規投資を加速させており、株式市場も上昇を続けている現状は、FRBの思惑どおりに進んでおらず、個人投資家として投資をする我々はFRBに戦いを挑んでいる状況です。

今年はこれまで何度か、こうした戦いに挑み、毎回打ちのめされてきたわけですが、どのタイミングでそのようなことが起きるのか。それとも我々が勝つ日が来るのか。楽しみです。

ここから先は

0字
月に複数本有料記事を購入するよりも、購読の方がお得になるようにしています。

マネーリテラシーを高めていきたいものの、株についてどのように学べばよいか分からない。そんな方に向けて日々の相場に関する情報をまとめてお届け…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?