2022年7月22日の米国株相場
いま、あなたは日本に住んでおり、朝起きたタイミングで米国市場の1日を振り返ろうとしている、とする。
そのとき、この米国債権市場の動きをひと目見たら分かるだろう。
米国経済はいま、音を立てて崩れようとしていることが。
2020年以来、初めての企業活動縮小が観測された
昨日発表された経済指標を先に紹介する。
製造業PMI
前回 52.7 予想 51.9 結果 52.3サービス業PMI
前回 52.7 予想 52.7 結果 47.0コンポジットPMI
前回 52.3 予想 52.3 結果 47.5
企業の購買担当者らが景況感を集計したPMIは一般的に50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と言われる。
製造業は前回よりも低下し、サービス業については50を下回った。
製造業とサービス業をあわせたコンポジットPMIについては47.5となり、これは2020年5月以降で最も弱い数値となった。
パンデミック初期の数カ月間を除けば、7月の数値は2009年までのデータで最も弱いものである。
コロナ後、企業の回復がついに逆戻りを初めていることがわかる。
これを受けて債券市場は景気後退の懸念から中長期債の利回りが低下した。来週FOMCを控えており、75bpsの利上げが想定されているため、短期債はそのイベントを織り込む形で上昇している。
その他、マーケットは以下のとおり。
株式
ニューヨーク時間午後4時現在、S&P500は0.9%下落した
ナスダック100は1.8%の下落
ダウ平均株価は0.4%の下落
MSCIワールドインデックスが0.5%下落
通貨
ユーロは0.2%下落の1.0208ドル
英ポンドは1.1995ドルで横ばい
日本円は1%上昇し、1ドル=136.02円となりました
債券
10年物国債利回りは12ベーシスポイント低下し、2.76%になりました。
ドイツの10年債利回りは19ベーシスポイント低下し1.03%に
英国の10年債利回りは11ベーシスポイント低下し1.94%に
コモディティ
ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は1.8%下落し、1バレル94.58ドル
金先物は0.5%上昇し、1オンス=1739.30ドル
S&P500は4日ぶりに下落し、見事3日天下で上昇は終わった。しかし、今日の暴落を含めてもこの1ヶ月で最高の週だった。この動きの背景には、最悪の状況を脱したという思惑がある。
しかしインフレ、金利の急上昇、景気後退の懸念によるダメージは計り知れない。JPモルガン、ゴールドマン・サックス関係者は口を揃えて「景気後退のリスクをマーケットは織り込みきれていない」と話す。
SNAPをはじめ、企業業績の悪化が見られた途端に株式市場の下落が加速した。まだまだマーケットは紆余曲折を繰り返すことになるだろう。
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