2022年8月2日の米国株相場
今日の相場は、以下2つがハイライトでした。
①ペロシ下院議員が無事に台湾に到着しリスクオンで株式が上昇
②その後FRB理事が相次ぎタカ派の発言があり金利上昇・株式下落
①ペロシ下院議員の台湾訪問
ペロシ下院議長を乗せた飛行機は南シナ海を避ける形で台湾に向かい、無事に台湾に到着しました。
着陸後、彼女の公式声明を発表した。
「私たちの訪問は、米国が台湾とともにあることを改めて示すものです。台湾は強固で活力ある民主主義国家であり、インド太平洋における重要なパートナーです。」
これを受けて中国人民解放軍は台湾近海の複数エリアで実弾射撃訓練を開始した。この演習はペロシ氏が台北に到着した1時間以内に開始され、金曜日まで続く見通し。中国は台湾の国家主権を守るため断固反対の意を表している。
マーケットはペロシ氏が無事に到着した11時頃前後に上がり始め、+1%近くまで上げることになった。結局その後、FRB理事の発言を受けて下がることになった。
②その後FRB理事が相次ぎタカ派の発言
FRB理事によるタカ派の発言が相次ぎ、引き締めのピークが過ぎていないことを市場は認識し、債権利回りは大幅に上昇しました。
サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁は、FRBとインフレとの戦いは「まだ終わっていない」と述べ、インフレは「あまりにも高すぎる」と発言。「利上げ終了はまだ程遠い」ことを示唆しました。
また、シカゴ連銀のチャールズ・エバンス総裁もさらなる利上げを示唆。
9月の大幅な利上げが必要な合理的評価を検討するために「十分な時間がある」として、50bpsではなく「75bpsでも良いかもしれない」と発言しました。
彼は先月、FRBは9月に50bps、11月と12月に25bpsの利上げを過去に示唆していたため、よりタカ派の考えを示していることが分かります。
また、クリーブランド連銀のロレッタ・メスター総裁は「景気後退の兆候は見られない」と述べ、「インフレを抑制しなければならない」と指摘しハト派的なシグナルを出しませんでした。
さらにメスター総裁は「インフレが横ばいになっていることを示唆するものは何もない」と付け加えました。
これは6月のFOMCでパウエル議長が話したインフレの下落傾向を確認次第、金融引締めの手を緩めるという発言に重ねたものであり、まだ手を緩める段階ではないと伝えています。
また、議決権のあるセントルイス連銀のブラード総裁の発言も直近予定されています。
株式
S&P500は0.6%下落しました。
ダウ平均株価の先物は1.1%下落しました。
NASDAQ100は0.3%下落しました。
特にNASDAQについては、決算の取りこぼしがあった銘柄を中心に上昇を続けているため、楽観視は注意が必要です。いわゆる「治安の悪い」銘柄がこの上げ相場の中心になりつつあり、典型的なブルトラップの様相を見せてきています。
通貨
ユーロは0.9%下落の1.0166ドル
英ポンドは0.7%下落の1.2162ドル
日本円は1.2%下落し、1ドル=133.15円となった
債券
10年物国債利回りは17ベーシスポイント上昇し、2.75%になりました。
ドイツの10年債利回りは4ベーシスポイント上昇し0.82%へ
英国の10年債利回りは6ベーシスポイント上昇し1.87%へ
コモディティ
ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油は0.2%下落し、1バレル93.74ドル
金先物は0.5%下落の1オンス=1779.50ドル
今日の経済指標結果
注目度の高い経済指標の発表はありませんでした。
明日の重要イベント
米)MBA住宅ローン申請指数 前回 -1.8%
米)7月 ADP雇用者数
米)サービス業PMI【確報値】 前回 47.0, 予想 47.0
米)コンポジットPMI【確報値】 前回 47.5, 予想 47.5
米)6月 製造業新規受注【前月比】 前回 1.6%, 予想 0.7%
米)7月 ISM非製造業景況指数 前回 55.3, 予想 53.6
米)6月 耐久財受注【前月比】 前回 1.9%
米)6月 耐久財受注(運送除くコア)【前月比】 前回 0.3%
米)7/23-7/29 原油在庫【前週比】 前回 -452.3万バレル
米)7/23-7/29 ガソリン在庫【前週比】 前回 -330.4万バレル
米)7/23-7/29 留出油在庫【前週比】 前回 -78.4万バレル
米)ブラード:セントルイス連銀総裁の発言(投票権あり)
NZ)第2四半期失業率&就業者数
豪)小売売上高
中)財新サービス業PMI
第31回OPEC・非OPEC閣僚会議
主要企業決算発表: モデルナ、リジェネロン、ヤム・ブランズ、アンダー・アーマー、ブッキング・ホールディングス、イーベイ、コー・マイニング、メットライフ、その他
明日は特にOPEC+会合、原油・ガソリン在庫と原油先物価格の影響に注目が集まります。
ここから先は
米国株解説マガジン2022
マネーリテラシーを高めていきたいものの、株についてどのように学べばよいか分からない。そんな方に向けて日々の相場に関する情報をまとめてお届け…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?