泣いて 笑って 泥にまみれた ドラマの後で
2021年3月12日、金曜日。
Mリーグ2020 レギュラーシーズンが終了。
U-NEXT Piratesは残念ながら7位敗退となり、セミファイナルへ進むことは出来ませんでした。
最終日、私はまさに一喜一憂で、拍手したり飛び跳ねたりその場にへたり込んだり…とにかく感情も体も忙しかった。
試合の後は空気の抜けた風船みたいになってた。時間が経ってしぼんだのではなく、多分割れてしまった方。あと、6割方泣いてた。
(一緒に観てくれた皆さま、騒がしくてごめんなさい。あと、お皿も割ってしまってごめんなさい…猛省してます)
土日は元々まるまる一日つぶれる予定が入っていたから、ふとした瞬間に思い出すことはあっても感傷に浸るまではいかなかったけど、月曜日の夜に改めて、最終日の第2試合を観戦。
結果はもちろん分かっている。だけど試合当日は必死過ぎて画面を直視できない瞬間も何度かあったので、少し落ち着いた状態で今季最後の海賊船の航海を、もう一度目に焼き付けたかったのです。
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<画像引用元>
出典1:AbemaTV『大和証券Mリーグ KADOKAWAサクラナイツvs渋谷ABEMASvsセガサミーフェニックスvsU-NEXT Pirates』(2021/03/12)
出典2:YouTube『おしえて!パイレーツ 第19弾 -LIVE-』(2021/02/24)
出典3:Twitter:小林剛/小林未沙(2021/03/12)
<文中略称>
ご:ごーさん(小林剛)
近:近藤さん(近藤誠一)
内:内川さん(内川幸太郎)
多:多井さん(多井隆晴)
渋:渋川さん(渋川難波)
桃:桃さん(松嶋桃)
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https://twitter.com/supatechi/status/1370344959480631305?s=19
第1試合、キングが34900点の2着を取り、トップ必須ながらも現実的な通過条件が残った。
それを受けてのごーさんのこのツイート。
剛さんが『必ずトップを取る!』って気持ちで試合に向かうってだけで、もう胸がギューッてなってました。
同じような気持ちのクルーは、きっとたくさんいたはずだって、勝手に思ってる。思わせてほしい。
試合開始直前のごーさん。
誰かの表情を見るだけで、こんなに涙が溢れそうになるなんて、この先あるのかな…(あるといいな)
選手入場。
心なしか、2019シーズンのファイナル最終日より強い意志を感じるように見えたのは…私だけじゃないですよね。
(そう言えばこの卓は全員違う団体に所属してるんだなぁと、今更思う)
東1局。まずは西のみ1000点。
門前高打点派の人たちからしたら、『それ和了って何になるの?』って思うんだろうか。
実際私だって普段は『リーチ大好き』『だって満貫ほしい』で生きてるけど、だからこそ自分には出来ないことを、淡々と積み重ねて前に進んでいくPiratesの面々に憧れた。
いま必要なのは、喉から手が出るほど欲しいのは、8000点じゃない。欲しいのは、セミファイナル進出のチケット。
東2局は内川さんが多井さんから和了って、迎えた親番の東3局。
いい!とってもいい!!!
と思ったのに、あっという間に多井さんがテンパイ。そして無情にも、その牌はごーさんの元にやってくる。
北『こんにちは』
多『ロン』
ああ、もう、本当に。何でここに北が来るのかな?
理由なんかなくて、ただその山に、そこに北が積まれていただけ。
そんなことは分かっているけど、目に見えない何かに嘆かずにはいられない。
Les Misérables.
でも剛さんは嘆いてなんかいない。いられない。
前に進む!
近『ロン』
何で…何でなの!そんなにみんなごーさんが嫌いなの?!
そんなわけないのに、展開が私にそう思わせようと仕向けてくる。
もはや一種の被害妄想。そんなことはわかっているんだよ。
でもそんな被害妄想にまみれた(まみれちゃいない)私なんてどこ吹く風で、東4局1本場、ごーさんは白南東を鳴いて混一色テンパイ。
待ちのカン7pはこの時点で山に4枚!
カンチャン全山とかあああああああ!!!(まだ和了ってないのに泣いてる)
いたあああああああああああああああああああああああああああああ(号泣)
結局、落ち着いて観たとしても、号泣するのは変わらないことが分かりました。
(note書くためにスクショするにも、手が震えて何度も失敗した)
視聴者に見やすいよう、牌をくるっとする手つき、毎度のことながらとっても良き。
そして南場へ。運命は刻一刻と進む。
南1局。
ごーさんはカン3mでテンパイするも、多井さんのペン3sリーチが飛んでくる。3sは私の十八番なのに…!(そういうことじゃない)
そしてごーさんがもってきたのは、リーチには通ってないドラの9m…
ごーさん押す!!!(私泣く!!!)
ご『ツモ』
(´;ω;`)ブワッ
遠く前方に、セミファイナルの港が見えてきた…!!
だけどそこに立ち塞がるのが、海の神様ポセイドン…じゃなくて桜の騎士ウチカワサン。
内『リーチ』
いきなりもってくる。
はあああああああああああああああああああああああああああ(語彙力低下)
多『ポン』
多『チー』
内『2000/4000』
うわああああああああああああああああああああああああああああ(語彙力0)
それでも船長なら…
船長なら、きっと何とかしてくれる…!!!
そういう目をしていた。
(某人気漫画からの引用表現)
や、やめて…(´;ω;`)ブワッ
やめて………(´;ω;`)!!!
ご『リーチ』
ツモれーーーーー(´;ω;`)!!!!!
ここで4枚目の9mが見えて、近藤さんが一瞬、目を閉じる。
最後のツモ番…!
筒子じゃないのよーーー
あと、6200点…!
なのに、嘲笑うかのような配牌…
何で…何でなの!そんなにみんな剛さんが(2度目)
内『ポン』
やめて…(´;ω;`)ブワッ
ああああああああああああ、よくぞ、よくぞここまで…!!!(語彙力氷点下)
3sはツモれる!!!(迷信)
(でも現時点で役はない)
もう、なんで?
多『チー』
多『ポン』
・・・なんで・・・ですか・・・?
内『ロン』
桃『だめ…』
本当にだめだよね桃さん…
内『5200は、5500です』
それでも。
それでもまだ、船長なら。
渋『なんですかこれは』
近『リーチ』
思えば今シーズン終盤、ごーさんは『一日一剛』で闘い続けてきた。
冷静になってみれば、『あの人ならきっと何とかしてくれる』だなんて。
そんな根拠のない願望を、過多な期待を、一人で受け止めて闘い続けることがどんなに酷なことか、想像することもできない。
それでもごーさんは、いつも変わらぬ表情で闘ってくれた。
ごーさんが出てくるだけで、『まだ大丈夫』って思わせてくれた。
AbemaTVのコメントやTwitterで、他チームの一部のファンに、『またコバゴーかよ』とか『そろそろラス引けよ』って揶揄されてるのを何度も見て、その度にめちゃくちゃモヤモヤした。
ごーさんを好きな人たちがいっぱい観てるであろう場所で、そんなことを平気でのたまえる人たちの多さが悲しかった。これが自分が好きなチームの選手なら、きっとそんなことは言わないだろうに。
でもごーさんはそんなことおかまいなしで、いつも自分の仕事をこなしてくれた。
本当に、すごい存在だった。(すごいってことをただたくさん伝えたいだけなのに、なんで私はすごいしか出てこないんだ…)
そんなごーさんが最後まで前に進もうとしている。
ごーさんが前に進もうとしているのに、クルーがそれを見つめていなくてどうする。
額ににじむ汗を拭く近藤さん。
流れる涙を拭く余裕すらない自分。
そして近藤さんの当たり牌を、多井さんがもってくる。
近『ロン』
こんなに鋭い視線で人の和了りを見つめるごーさんを、私はほとんど知らない。
近『3900』
まだ、まだ、もう1局…跳満条件!
渋『いい手だ~~~』
ご『カン』
こ、ここでカン…!!!
先日のおしパイを観た人なら、ごーさんがここでカンしたっていう事実だけで、涙が溢れてしまったんじゃなかろうか。
ご『南をカンすると和了りめがないっていうのが昔からのセオリー』
ご『難しい関門と書いてナンカン』
それでも、勝利をつかみ取るために。
難関を、突破するために!
桃『安全パイを抱える局面ですか?今は』
渋『いや、違います』
ごーさんは少しずつ、条件を満たす和了りを手繰り寄せようとしていた。
だけどあっという間に、その声は飛んできた。
内『リーチ』
近『リーチ』
ごーさんは目を閉じ、そして開く。いつものことながら、とても穏やかな表情。
とても今まさにギリギリのところで闘っているようには見えない。
終わりの瞬間は、すぐに訪れた。
内『ツモ』
勝利の女神は、海賊船には降り立たなかった。
(結果がわかっていても、何度でも泣けてくる)
渋『あの69sさえツモっていれば…』
勝負にたらればはない。でももし…もしもない。
最後にもう一度、卓を見つめるごーさん。
しばらくつくことが出来ないその卓を、どんな想いで見つめたのか。
桃『2位は、U-NEXT Pirates 小林剛選手。プラス1.9ポイント』
Mリーグ2020 レギュラーシーズン全試合90戦が終了。
そしてU-NEXT Piratesの、大航海物語2020も幕を閉じた。
ごーさんは『4着回避率』という個人賞を獲得。
『0.9677』という、尋常じゃない数字。
それが簡単にできるわけがないことを、みんな知っている。
このタイミングで、なんてやさしい微笑みなんですか?
U-NEXT Pirates、今季最後のインタビュー。
ご『期待に応えられず申し訳ないですね』
もちろん期待はしていた。でもそれが叶わなかったからと言って、決してごーさんが申し訳ないっていうことじゃない。
いつもと違うこと、いつもより遠いしかけ、いつもならやらない暗槓。
きっとこんな状況じゃなければ、ごーさんは『いつもの』麻雀が打てたかもしれないのに。
ごーさんは自分と異なるスタイルをとってまで、みんなの期待に応えようとしてくれた。
4着回避率1位も本当にすごい。
すごい、のに。
ご『僕が2233だったところを1144にできてれば、また最終戦も違う条件になってたので…』
https://twitter.com/kbysms/status/1370378410254471170?s=19
コバミサさんの言葉が深い。
そしてそれができるごーさんだからこそ、みんなごーさんについてきた。
ご『来シーズン、Piratesは必ず復活しますので』
(この先何回観ても、ここで私はきっと溢れてしまうだろう)
放銃しても放銃しても、前を、上を見続けたごーさん。
渋『終わってしまったんだなあ…』
終わって、しまったんだなあ。
どんなに濃厚な日々にも、終わりは必ずやってくる。
渋『最後に語りたいんですけど』
桃『語りましょう』
渋『レギュラー90、シーズン90試合、あったんですけど、多分どの選手が欠けてても、こんなドラマは生まれなかったと思うんですよね』
本当にね。
それはもちろん、Piratesのことだけじゃない。
いろんなチームに数えきれないドラマがあって、チームを応援するファンたちはその度に泣いたり笑ったり、大きく感情を揺さぶられた。
ドラマだらけだった。
レギュラーシーズン最終日の2戦は、1戦目も2戦目も、大きく抜けたチームの選手(白鳥さん/内川さん)がトップをかっさらっていった。
それでも、キングもごーさんも決して諦めてはいなかった。
ふたりだけじゃない。
控室のメンバーも、パイレーツクルーも、最後まで祈ってた。
あなたがいたから。
あなたたちが、いたから。
語り出せばきりがないけど、本当にたくさんの心躍る瞬間をありがとう。
たのしかった…
(何回noteを書いても、結局最後は毎回ありがとうとか楽しかったとかで終わりになっちゃうところが、色々自分には足りてない)
船のメンテナンスと海賊たちの休息が終わって、また続編がはじまる、その日まで!
P.S.
今回のnoteのタイトルは、スピッツの『スターゲイザー』からでした。
来シーズンも、『パイレーツゲイザー』で!!