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高打点入り乱れる大激闘!【第1期ゆうなだリーグ 第1節 C卓】
(この記事は5925字、約12分で読めます。)
こんにちは、夕灘です。
5/28(日)に、私主催のリーグ戦【ゆうなだリーグ】の第1節C卓がおこなわれました。
私は試合ではありませんでしたが、2回戦から観戦をしていましたので、闘牌の様子をご紹介したいと思います。
今回の面子
今回の面子は以下の4名です。
いがらし
手役と打点を追い求める重厚派。部の悪い手はじっくりダマで構え、虎視眈々と加点チャンスを追い求める。あとめっちゃモテるらしい。
にしばた
言わずと知れた雀魂魂天。最近始めた天鳳は、ゆったり時間を見つけてコツコツと進め七段折り返し。たぶん九段まで余裕というのは私談。好形高打点を求め手組みをするが、腰が重い訳ではない。他家からの見られ方を意識した引き出しも豊富。
れん
リーグ内随一の麻雀ジャンキー。歳に見合わずがっちり門前の手組み・役牌絞りをするタイプだが、寿人よろしくの攻撃型。氷の打牌で灼熱地獄を作り出す様はまさに魔王が如し。高手に捕まり得る牌だけはキッチリ止める、堅牢な守備面も寿人譲り。
あこちゃ~
第6期Yリーグ優勝。乱れぬリズムでバランスのいい麻雀を打つも、やや門前寄りの雀風でリーチファイターな印象。唯一市外からはるばる参戦の好青年。
1回戦
1回戦は直接観戦できなかったので、伝聞系でダイジェストをば紹介します!
開幕は親のれんが満貫のアガりを決めリードするも、下家のにしばたが染め模様。リードを活かし徹底して絞っていたところにいがらしのリーチが炸裂。無筋の数牌と生牌の役牌、唯一リーチに現物の6pがにしばたの12000に捕まる。
トップからあこちゃ~、にしばた、れんの並びでフィニッシュ。いがらしは0和了と苦しい展開となった。
この1回戦については、対局者のにしばたさんが本人視点で記事を投稿されています!
ポイントは以下のとおりです。
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2回戦
本記事のメインはこの2回戦になるでしょう!流局なしのアガりラッシュはで、映像にしたらお金になりそうな対局でした笑
その熱戦ぶりをご紹介します!
座順は東家からにしばた、いがらし、あこちゃ~、れんの並び。
東1局、なかなか各者リーチに至らない状況でこっそりダマテンを入れたのは南家のいがらし。中を暗刻にした嵌5pの中ドラ1。これを赤5pでツモり上げ、20-40に。いがらしにとって今日初のアガりとなった。
東2局、勢いに乗るいがらしは10巡目にあこちゃ~が切ったドラの6pをポン。牌姿は以下の通りだ。
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一方でドラを切ったあこちゃ~の手は789平和の一向聴。
この手に葛藤があった。
前巡、6pをツモったあこちゃ〜の手格好はこちら。
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不確定な789三色か確実なドラかの選択で、あこちゃ〜の選択は打3s。
4sと6sは生牌で357sリャンカンの部分が選びづらかったが、打点の確保を優先とした。
ドラの6pを切ることとなる次順に引いたのは8sだった。平和が確定し、場が煮詰まってきたことからドラをリリース。
これをポンしたいがらしに対し、絶好の三色確定9mツモでリーチを繰り出した。
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嵌4m VS 69sの捲り合いは、すぐに決着がついた。いがらしが9sをツモ切り、あこちゃ~のメンピン三色一盃口で8000の和了り。
いがらしは原点に後退させられることとなった。
東3局、れんは5巡目に素早い147p三面張の平和リーチをかけると、ツモって裏を2枚乗せ20-40のアガり。
開局から3連続の満貫となる。
事件が起きたのは東4局、今度はにしばたの5巡目リーチだ。47p待ちの平和。
これに卓上を凍てつかせる氷の打牌を放ったのは親のれん。にしばたの宣言牌7mに対し6mを手からプッシュ。
極めつけは筒子が一枚も切られていないにしばたに対し、赤5pをプッシュしてのリーチ!卓外で観戦していた3名までもが凍り付いたであろう。
れんの下家で先制をかけたにしばたが最初に掴んだのは、れんに裏筋でドラの4s。恐る恐る河に置かれたそれに、しかしロンの声はかからない。
これには流石のにしばたも胸をなでおろしただろう。
悪夢のような捲り合いは、2軒リーチの僅か2順後に決着がついた。
「ツモ」
声を発したのは追っかけたれんだった。ツモ牌は静かに置かれ、手が開かれた。
「16000オール」
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出アガり18000の四暗刻だった。
ゆうなだリーグ初の役満は、あっという間に第1節で爆誕した。
高打点の応酬で燃え盛る2回戦、その苛烈さは途絶えない。
東4局1本場、いがらしの手順が光る。
ドラが2pの当局、5巡目にしていがらしの手格好は以下の様子だ。
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ここから789三色を見て9s切り。狙いを定める。
次順、三色を確定できる絶好の9mを引くと、
更には次の7巡目に7sを引いて聴牌。
平和三色のリーチを繰り出した。
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異変が訪れたのは10巡目。
リーチに対し、にしばたが6pの暗槓。いがらしの宣言牌5pのモロ筋2pをプッシュ。
それもその筈、にしばたの手はツモり四暗刻の聴牌だったのである!
2局連続の四暗刻を前に、観戦者たちの頬を汗が伝う。
一方、当のにしばたは淡々と、無筋の3mをツモ切った。
にしばたの手を見ていなくてもわかる。誰が見ても聴牌だ。
しかし、軍配はいがらしに上がった。次巡にしばたが4mをツモ切り、いがらしの8000のアガりで東場の幕を下ろした。
南入してもいがらしの勢いは止まらない。
南1局、親のにしばたが西ポン、5s暗槓、8mポンと動き4cmに。
実はこの仕掛け、ラス目のバラバラ手からのブラフ仕込みであった。
興味深いのは8mをポンした時の牌姿。
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東バックのこの手から、8mをポンして打3pとしたのだ。
この4cmがノーテンとは知る由も無い中で、いがらしに聴牌が入る。白単騎の七対子赤だった。白は生牌でにしばたに切りづらい。いがらしは牌を横に曲げた。
これに手詰まったのはあこちゃ~。にしばたに受けていただけに、いがらしへの安牌は一枚も持っていなかった。
苦渋の決断で絞り出したのは、対子で持っていた白だった。
リーチ一発七対子赤、8000のアガりだ。
南2局、好調の2着目親いがらしは、重たくもつれた17巡目に選択を迫られる。13巡目に4sを切っていて以下の牌姿。親で全員門前なので、ツモ番はあと一回だ。
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この巡目で聴牌したので、ツモ牌は9sではなかった。
9sを切ればタンヤオでダマテンにもできる。
8sはれんが中盤に切っており、8pはあこちゃ~が一段目で切っていた。
ドラの5sは生牌、7sも生牌だ。オリ気配の者はおらず、全員がダマテンを入れてもおかしくない。
いがらしは枚数から、タンヤオを捨て8s切りリーチに踏み切った。
互いにけん制しあったようなこの状況であれば、親リーで一人聴牌が期待できると考えたのかも知れない。
だが、いがらしにツモ番は廻ってこなかった。
「ツモ」
対面のれんが、ダマテンのままツモりあげた。
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タンピンツモ三色ドラドラ、高目の30-60だった。
かなり離れた、いがらし2着れん1着だったが、このいがらしの親を終わらせるアガりで、れんのトップは濃厚となった。
この2回戦で唯一の満貫未満のアガりとなったのは南3局、いがらしが3巡目リーチでにしばたから2600をアガり、大トップ目のれんの親番でオーラスを迎えた。
点棒状況は
いがらし:17600
あこちゃ:0
にしばた:-10900
にしばたはハネツモ3着、あこちゃ~は倍ツモ2着と、やや離れた状況だ。
ほぼ並びは変わらないだろう、そう思ったさ中、わずか7巡目ににしばたからリーチがかかった。么九牌を並べた後、5mが宣言牌だ。
もう条件が出来ているのか…?
それとも素点回復…?
答え合わせはすぐに訪れた。
にしばたの後ろ見をしていた2人からどよめきが上がる。
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タンヤオ七対子を一発でツモりあげ条件達成の30-60。あこちゃ~を捲り3着でフィニッシュ。
ツモ赤条件だが、5mか5pかの選択もあった。わずかに、筒子の方が安かった。
あこちゃ~にとっては悪夢のようなラス落ちとなった。
2回戦を終えて、スコアはこのようになりました!
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16000オール、大きいですね…
ちなみに、2回戦までの自戦記もにしばたさんが執筆されています。
私がご紹介できなかった手牌情報や判断経緯に触れていますのでぜひご覧ください!
3回戦
豪快で軽快な2回戦に対し、この3回戦は苦悩と順応の半荘となりました。その手で紡ぐのは悲劇か喜劇か__著者はあくまで打ち手であり、私は事実を切り取って紹介することしかできません。ですが、漫画の二次創作よろしく、ifの世界線に思いを馳せられるのが麻雀のいいところです。皆さんがその席に座っていたら、どんな物語になっていたのでしょうか。
決断には2種類ある。「するか、しないか」と「どうするか」だ。2回戦、「押さない」ではなく「押す」決断をしたれんは、見事その手を役満に昇華させた。しかしこの3回戦は、「どう捌き、どこへ至るのか」を繰り返し投げかけられることとなった。
第一問は開幕の東1局、ドラは8p、10巡目。親のれんの手牌は以下の形だ。
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皆さんはパッと、何を切るのが最も広く、またそれ以外の条件を加味して何を切るべきか、思いつくだろうか?
まず明らかなのは、9pを切るとタンヤオになるということだ。もし聴牌料がとにかくほしい時や副露を重視する人は、9pを切るかも知れない。
次に、この手が一向聴になる打牌は3種類しかない。赤5mか、5p9pだ。つまり、赤を使いきりたいのであれば、リャンカンを決めるか、二向聴にとらなくてはならない。
一盃口と赤5s、タンヤオかドラがあるから、両面リャンカンの一向聴で打点十分と考える人が多そうだ。私もその一人である。
ではより高い打点を追うなら?
れんの選択は打6s。
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筒子はドラかタンヤオで一翻。
赤5mを使うか、さもなくばツモり三暗刻の構えだ。三暗刻にならない入り目は、必ず索子の一盃口がつく。
門前での打点を追及した一打だった。
彼の岐路はここだった。このあと8pをツモり打5p。入り目次第で聴牌打牌は固定される。
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だが、打点を追い求め和了率を軽んじれば、当然リスクが伴う。いがらしのドラポン、あこちゃ~のリーチを前にして、れんの入り目は5mだった。4m5mのシャンポンリーチ、その宣言牌5sがあこちゃ~のリーチに捕まる。
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あこちゃ~にとっては、高打点2つを打ち砕く有意義な1300のアガりとなった。
問いは休みを与えない。
東2局4巡目、第二問となるれんの手牌はこうだ。
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この手牌で、上家のいがらしが東を切った。
さて鳴く?鳴かない?
場風の東、678の三色、これらは鳴くと安くなる。トイトイはやや遠く、数牌の対子があまりよくない。本命は七対子ドラドラだろうか。
門前高打点派のれんにとって、このノータイムスルーは日常だった。
その後、8mを縦に重ね、打6mとする。七対子一向聴とした。
更に6pを引き入れ、面子手との天秤を取り、7s、8sと落としていく。
そして東を自力で重ね、面子手も一向聴。
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しかしここでいがらしが、親のにしばたが切ったドラの中をポン。いがらしのドラポンは、今日何回目だろうか。れんは使えなくなった中を切り、1枚切れの白単騎七対子も見る。切った2sに、すかさずれんはポンの声。69pの聴牌だ。
そこに割って入ってくるのはあこちゃ~だ。先制リーチが入る。
そして畳みかけるように、親のにしばたからもリーチが入った。
交差点四方正面衝突、全員参戦の殴り合いだ。
勝者はひとり。
何度目の正直だろう。ドラポンのいがらしか。
場の状況に順応し、数多の選択肢から好形聴牌にこぎ着けたれんか。
値千金の1300から勢いに乗るあこちゃ~か。
それとも__
2回戦、平和の先制リーチを四暗刻で叩きのめされ。
自身の四暗刻は平和リーチに打ち砕かれた。
「ツモ、4000オール」
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平和赤を一発でツモ。
この大一番を制したのは、にしばただ。
打点が一気に伸びる一発が大きい。
瞬く間にトップ目に躍り出た。
続く東2局1本場、早めにタンピン赤の完全一向聴のれんは、そこからなかなか進まない。
一方で同じ一向聴でも、親のにしばたはあまりに悪い手格好。9巡目でこの形。
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生牌のドラを引いて安全牌の打北。手牌の価値を高める。
こんな時に限って、と言いたくなるところだが、あこちゃ〜からリーチがかかる。
しかも、河にどうも違和感があり、ドラ単騎の可能性が捨てきれない。
次巡、まさかの聴牌。
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親のリーチ赤は愚形でも追いかけたい。1m7pは1枚見えだ。
だが、聴牌を取るなら切らねばならいのはドラの白___
長考の末、にしばたの選択はオリだった。現物の8mを抜く。
直後、あこちゃ〜の一発ツモが炸裂!
リーチ一発ツモ七対子…ドラドラ。
そう、にしばたが止めたドラの白単騎だったのだ。
この放銃回避が、後で大きなアドバンテージを産む。
その後四者がアガり、数局挟んで南2局。
ドラは4m。
場を凍てつかせたのは、何気ない4sチーだった。
れんが早い巡目に23sから両面チー。
これを見たにしばたの頬を汗が伝う。
(れんくんの早い両面チー、彼の雀風を考えるとほぼ満貫以上確定…)
その予想は正しく、れんの手牌は234sを副露してドラ3の一向聴。
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その後すぐに5mを縦に引き、嵌6pの聴牌に。
これを受けてにしばたは選択を迫られる。第三問だ。
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フリテンだった1pを引き戻し一向聴に。
456の三色が見える。
れんの河には、78sが現物。
46mはれんに切れないから、78sを落として456を追うのだろうと思ったが、
にしばたの選択は、打4s。
3sが3枚見え、9sが1枚見え。
れんは最終手出し7m、筒子の中張牌は何も通ってない。
相対的に索子は安全だ。
目論見通り9sを引いて聴牌したにしばたは、これをリーチし嵌5mをツモりあげる。鮮やかな2000オールだった。
そしてオーラス、点棒状況は
にしばた35400
あこちゃ30400
いがらし19500
れん 14700
このリードを活かし、にしばたが早いダマ平和をアガってゲームセット。
最終成績はこうなった。
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大トップを取ったれんがデイリートップ、ラス無しのにしばたと続いた。
こうして第1節がすべて終わりました!
全体の成績はこのようになっています。
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首位はAshley#さんで58.9ポイント!
飛び抜けた人がおらず、接戦ですね。
残り21半荘!
私は早く初トップが欲しいところ。
24半荘ということは〜均等な着順で6-6-6-6。上位4位に入るには、最低でもそれより多い7トップが欲しいですね!つまり、一節1トップが目標となります。
第2節は6月開催!
6月はIKUSAにBeast Japanext選考会なとの観る雀や、第6回ゆうなだ会もあってイベントだらけです!
麻雀づくしの6月になりそうですね!
(了)