悪い心の自分が顔を覗かせた昨日
昨日はなんだか、心が忙しかった。
やりたいことが沢山あるのに、頭と心がついていけない日だった。
やりたいパソコン作業がどうしても上手く進まず、休憩をしていた時のこと。
いつもの猫ブログを読んでいると、そこから違うブログに飛び、そしてまた違うブログに飛び……。行きついた、とある犬ブログ。
そこで読んだのは悲しい犬の話だった。
10年間小さな庭から一歩も出してもらえず、散歩にも連れて行ってもらえなかった大型犬。
雨風の強い日も、暑い日も、その庭で過ごす。
長い毛はドロドロ真っ黒で、毛は固まり、お尻から血を流していたことさえも飼い主は気付いていなかった。
そんな犬が、たくさんの慈愛をもった人達のおかげで、その酷い飼い主から離れ、「うちにおいで」と快く受け入れてくれた里親様の元へ旅立った。
しっかり医療にかけてもらい、癌だと言われたお尻の腫瘍の手術。
転移していた所の摘出手術。
何も知らなかった、楽しいと思えることを感じられなかった。そんな10年間を取り戻すために、どんどん幸せになっていく。
初めてのドッグラン。走ることも知らない犬は上手く走ることを表現できない。
初めての川、初めての海、初めての雪、初めての温かいベッド、初めてのオモチャ。
10年以上も生きてきて、知らないことばかり。
その里親様の愛情。
その子に携わった人達の愛情が素晴らしくて、泣けた。
ひとつの命をここまで大切に思える人たちに、心から感謝した。
だがブログを読み進めていくと、今年に入って、その里親様が突然病気で亡くなったと知った。
今もその犬は、里親様のご家族や仲間たちが大切に育ててくれているという。もちろん、その犬を助けるために携わった方々も変わりなく、力を貸してくれているという。
酷い飼い主から救われた大型犬は、今も幸せに暮らしている。
それは、本当に嬉しいことだ。
だがそこで、私の心の悪い何かが話し出した。
『大型犬に酷いことをしてきた元飼い主は、今もどこかで、のうのうと生きている。自分の犬が癌になり、その腫瘍が破裂し、そこから血を流していても気づきもしない。その傷口にハエが卵を産み付け、もしウジになり体内に入ってしまったら死んでいたかもしれない……。そんな酷い飼い主が生きているのに、その犬を救い、命を救ってくれた慈悲深い人が亡くなってしまうなんて……なんて不公平なんだ……』
なんだか悔しくて、涙が出た。
そのブログを書いている人も、とても苦しい気持ちを言葉にしていた。
元飼い主のことを否定はしない、「ただ、犬の飼い方を知らなかっただけなんだ」そう言って、何か本当に言いたい言葉をぐっと我慢しているようにも感じた。
その犬が病気を乗り越え、今も幸せに暮らしていることが救いだった。
なんともいえない、悪魔のような言葉を思った自分に、モヤモヤした気持ちを持ったままの午後。
テレビで情報番組を見ているとコロナのことがやっていた。
とあるタレントさん。
「一度コロナにかかったら、もう感染しないから大丈夫」
そう言い、仕事だからと夜に飲み歩いているという話だった。
本当かどうかは定かではない。
でも、「自分は」とか関係ない。家族のことを考えて。
テレビに出る人なら、感染しないように気をつけようと訴え、自粛するべき立場の人では?
その無責任な言葉を聞いて、また私の悪い心の何かが話し出した。
『素晴らしい才能のある、そんな人がコロナで命を落としている。医療従事者やコロナ関係者が、命をかけて頑張って働いている。それなのに、その人は「自分はもう感染しないから大丈夫」と、飲み歩く。自分のことしか考えられないのか?』
私のいけない悪い心が、次々と言葉を吐いていく。
ああ……荒んでいる……。
こんなふうに言ってはいけないのに……。
でも、どうしても思ってしまうのだ。
「命をなんだと思っているんだ」
「なんで自分のことしか考えられないんだ」
そう――――。
切ないことが続いた昨日。
これは私だけが感じた、悪い心のお話。
これは、私が一人感じただけのお話です。
犬の元飼い主さんや、飲み歩いているというタレントさんに対しての誹謗中傷ではありません。もし気分悪く感じるようなことがありましたら、申し訳ありません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。