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私のゆたかさって?

ある人が言っていた。

『子供には好きなことをさせたい。生きているだけでいいんだ』

その人の今までの大変な、壮絶な人生を知っているから、その言葉の重みを感じることができた。
その言葉は、今の私には壮大な『ゆたかさ』だと思う。

それを私は、今は言えない。

実際、自分が親になってみて思うことは、「好きなことをさせたい。生きているだけいいんだ」とは違った。
正直、綺麗事だと思った。
私の家はとても貧乏で片親だったから、家族でレストランや遊園地、動物園、水族館、楽しかった思い出というものは記憶にない。
だからこそ、自分の子供には私にはない楽しい思い出をたくさん作ってあげたいと思う。

主人の母親はとても苦労をしてきた人だという。
父親が自由奔放な人で、好きな事をして生きてきたから、お金の面でもとても苦労をしていたそうだ。
反面教師で、「自分はそういうふうにはならない。だから大学も出てちゃんとした会社に入るんだ」主人はそう思って生きてきたと話してくれた。
だからこそ今、主人と結婚して子供を普通に育てていけるのは、すべて主人のおかげだと思っている。
すべてが学歴とは思わないけれど、長年続けられる仕事と信頼って本当に大切。

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今の自分を考えると、将来、子供に「好きなことをしていいよ」とは言ってあげることができないかもしれない。
もし好きな人が出来て結婚を考えた時、奥さんや子供に苦労をさせるくらいなら好きな事ばかりに夢中になるな。そう言うかもしれない。
もちろんその時になってみないと、わからない。

「物理的な豊かさがすべてではない」と、「今ある小さな幸せに気付け」と言うけれど、やっぱりお金がなければ生きていくことは出来ない。
豊かさというのは自分だけのものではないと、家族が出来た今の私は思うから。

家族で過ごす時間は大切だ。ただテレビを見てみんなで笑う。散歩だけならお金もかからない。
でもそこには生活出来るだけの最低限のお金があるから。
余裕がなければ、どんなに面白いテレビ番組を見ても笑えない。

レストランに行かなくたって遊園地に行かなくたって、楽しいことはいっぱいあるよ。でもそれは行ったことがある人だから言えること。
お金も同様。お金がある人だから「お金がすべてではない」と言える。

未来を思い描き、夢を追いかける。そんな子供になってほしいから、習い事も色々させたい。英会話かな。音楽かな。スポーツかな。
でもそこには莫大なお金がかかる。

「好きなことをしなさい」そんなふうに言えるのは、親である自分がそれなりの余裕があるから。
家族がみんな元気に生きていられて、楽しく過ごせる、そんな幸せがあれば何もいらない。そう言えるのは余裕がある人だけだと思う。

豊かさの根本は、必要最低限のお金があってこそだと思った。

そこから真の自分の豊かさに繋がっていくものだと思う。

この記事を書くにあたって、UUUM株式会社代表取締役の鎌田和樹さんのお手本作品を読ませていただきました。

その中で、こういう文章がありました。

もちろんお金がゆたかのすべてじゃないよってこともわかりますが、でもあるほうがいいですよね?
結婚するならどんな男性がいいですか?と女性に聞くとしましょう。
A.
年収360万で毎日18時に帰宅する家庭想いな男性
B.
年収1500万で毎日会食で日付が変わって帰宅する仕事優先な男性
別にどちらを選択してもそれは個人の価値観という言葉に収まりますが、ぼくは単純にAを選択した女性はそのうち「もっと仕事して稼いできてほしい」と言うと思います。(偏見だけどそう言ってほしい笑)

私はAを選びました。
とにかく主人には早く帰って来てほしい!と思っています。それは昔も今も。
もちろん、たくさん稼いでほしいとは思うけど、家でみんなで過ごす時間がないというのは、私は嫌だなぁと思う。
だったら私も仕事をするから、ほどほどにして帰って来てと言うタイプ。
働く私が子供や主人を疎かにしてしまうようなら、それでは私が働く意味がなくなってしまうのだけれど……。

昔から夢を叶えたいと思って生きてきた私は、結婚なんて考えられなかった。その当時は夢を叶えることが自分の『ゆたかさ』と思っていた。

それが今、結婚して子供が出来、守りたい家族ができると考え方が変わった。

必要なお金はなければ駄目だ。でもそれは家族を守っていくため。

私の真の豊かさって、自分の仕事が成功して、家庭を守り、子供をしっかり成人まで育てること。かなと思う。

その時に初めて自分の子供に、私の思う”壮大なゆたかさ”の「好きなことをしなさい」その言葉を言える時がくるのかもしれない。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。