私流コミュニケーション術
こんなタイトルを付けたけれど、ただ私が勝手に思う『コミュニケーション』についてのお話。
私は昔から人見知りで、自分から話しかけたりが苦手だった。
友人の笑い話にさえ傷ついたりする自分。繊細というのか、なんというのか……。
数人の友達とファミレスに行った時、私の注文したものがとにかく出てくるのが遅かった。
「夕雪ちゃんのが先に頼んだのに、ぜんぜんこないねー。みんな食べ終わって帰っちゃうよー」
そんなふうに笑われて、私はぜんぜんニコリとも出来なかった。
冗談だとわかっていても、面白くもなかった。
むしろ、「やっぱり来なければよかった……」そう思った。
それは案外今でもそうで、一人で過ごしたり、出かけたりが楽だし、好きだ。
私はぜったい他人と一緒に暮らすことは出来ないと思っていたくらいだった。
そんな私が変わったのは、友人に無理やりすすめられて始めた居酒屋でのバイトをしていた時。
カウンター席しかない鮮魚を売りにしている居酒屋で、とても人気があった。
まあ、いつものことだけど、同じところで長く働くと責任というものが付いてきて、いつからかお店を任されるまでになっていた。
そのことがあるから、今でも小魚くらいは捌ける。
そこで酔っ払いのお客さんを相手にしていると、嫌でも心は鍛えられて、人と話すことが嫌ではなくなっていった。
いろんなお客さんと話すようになったからか、記憶力というものが身について、接客業をしていた時も「あの人この間あれ買っていったよね」とか「あの人毎日これ買っていくよね」とか、そんなことも覚えられるようになった。
だからか、人との会話が膨らみ、お店に毎日来てくれる人が増えたり、声をかけてくれたりする人も増えた。
私がおすすめすれば「じゃあ買ってみようか」と商品を買ってくれる人も増えた。
そういうのが積み重なって、人とのコミュニケーションって大切なんだなと思うようになった。
こんな世の中だから人と会わずして出来る仕事も増えるだろうし、買い物も今やネットで何でも買えてしまう。
友人にも人とのコミュニケーションが苦手な人は結構いる。
正直これからの世の中、それで大丈夫なのか!? と心配になったりする。
友人にとにかく人とのコミュニケーションが苦手な子がいた。
「コミュニケーションなんて必要ない!」と言い切るような子で、職を転々としてはいつも職場の仲間の文句を言っていた。
辞める理由は人間関係だった。
それが私には理解できなかった。
私は、まずは仲間とのコミュニケーションって大切だと思うから。
彼女はいつも仕事が上手くいかず、接客業は人付き合いが面倒だからと工場で働き出した。
でも、そこにだって人はいる。
流れ作業の工場の仕事だって、仲間が居れば自分勝手な仕事は出来ない。
そしてまた、仲間の文句を言い始める。
「あいつ私に、何で挨拶もしないんだって言うけどさ、なんであいつに挨拶しなきゃいけないわけ!?」
『仕事の仲間なんだから挨拶しなきゃいけないでしょ』
「大声出すやつって仕事ぜんぜん出来ないんだよね」
『仕事なのに小さな声で何言っているかわからない方が問題だと思うよ。ちなみに私は声大きいですけど』
「この日休みたいっていうから代わってやったのに、私の時は代わりもしない」
『そういう態度だから代わってあげようって思えないんだよ』
どう考えても友人の方に問題があると感じた。
自分がこうして欲しいと思うなら、まずは自分がするべきだ。
見返りを求めるわけではないけど、どんなに優しい人だって、自分ばかりが与えることに疑問を抱くに決まっている。
挨拶にしたってそれは人間としてあたりまえのものだと私は思う。
だけどその一言が言えない人だってたくさんいるのは分かっている。
仲良くしたいのに出来ない……そう悩んでいる人だって多いと思う。
「そんなこと分かってるよ! でも出来ないんだよ!」
そう思っている人は、きっといっぱいいる。
もし、どんなことをしても自分が変われないと悩んでいるのなら、相手を観察してほしい。
すべての人が自分に否定的ではないと感じ取ってほしい。
人とコミュニケーションをとる時、何度挨拶をしても、うんともすんともない人であっても、私は何度も挑戦する。
目が合って会釈からでいい。
小さく「こんにちは」でいい。
そのうち相手が挨拶してくれるようになったら、こっちのもの。
それでも中には『完全無視』を貫く人もいる。
目も合わさない。
完全に無視。
そういう場合は私も引き下がる。
何度も何度も挑戦して、歩み寄って、それでダメなら仕方ない。
この人は私と話もしたくないのだろう……残念だがそう思うしかない。
だけど。
私は案外しぶとくコミュニケーションをとろうと試み、歩み寄る人なのです!
コミュニケーションが苦手という人も、自分の近くに私みたいな人がいるかもしれない。
この人ならちょっとくらい話してもいいかな。
そんなふうに思える人を探してほしい。
そしてちょっと勇気を出して相手に歩み寄ってほしい。
コミュニケーションをとれない人を否定するわけではないけど、やっぱりそれでは世の中生きにくいと思ってしまう。
前記で書いた友人のことを考えて、人と関わらないで出来る仕事を探したけれど(友人が出来る仕事内で)どんな仕事でも、人と関わらず出来る仕事なんてないとわかった。
一人で動く、宅急便や新聞配達、車のドライバーさん、他にもあるかな?
内職なんてのもあったけど、それで生計を立てようなんてとても無理な話だ。
そういう人たちだって仲間は居るし、新聞配達の人も集金に行ったり、営業したり、人と会わずにはいられないと思う。
人に雇われたくない。仲間なんていらない。そう思って自分で商売を始めたって、取引先の人とうまくやっていかなければ成功はしない。
商売するってお店の場所は?
不動産屋さんや、大家さん、その人たちに悪い印象を与えてしまえば借りることもできない。
仕事の合間にコンビニ。そこでだって接客してくれる人がいる。
レストランだって食堂だって、そこには人がいる。
どんな仕事も『人』との関わりは絶対なのだ。
主人と話していて
「○○さんっていつも笑ってるよね。だから商売も成功するんだろうな」
眉間にシワを寄せ、「出来ない出来ない」と否定的なことを言う人よりも、いつも笑って「なんとかなるよー」と言っているような人の方が運も味方する。
やっぱり『笑顔』って大切なんだな。
その笑顔に人も寄ってきやすいと思う。
結果、仕事でも人間関係でも成功している。
そして、自分のために頑張ってくれる人、協力してくれる人に常に感謝している。
今は人との密は難しいし、笑顔って言ってもマスクしていると表情も見えなくて、本当にコミュニケーションをとるのに不便な世の中だと思う。
いつか普通の日常が戻ってきたら、笑顔でたくさんの人と話せるようになるといいな。
それは自分のためだけではなくて、他の人も幸せに出来るように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。