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詩まとめ

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2024年3月の記事一覧

【詩】約束

12年目 うたう、ふと 誰もいない青空と草原の狭間 名前も知らない木がひとり それは「誰か」に入らない だってそいつは「居る」だけだ うたうことも、ほほえむことも、 逆らうことも、花を咲かせることでさえ それがさみしかった ひとり未満のその木は、ただの景色だった けれどそいつがいなければ、ここは本当にからっぽのゴミ箱みたいに、ゴミ箱のアイコンがあるあの景色みたいに、アイデンティティもクソもなくなる だからそのさみしいゼロ人の木は必要だった ここを液晶の世界にしないために