数ヶ月単位で移り住む生活を送る20代夫婦が、地域深掘りの活動のみを通して、新たな仕事を得ることができるのか? #研究報告書 #私の働き方実験
こんにちは!
人生模索中の私たち20代フリーランス夫婦は、2021年11月末に関東の自宅を引き払い、2021年12月から北海道各地を数ヶ月単位で移り住む生活を始めました。
新しい働き方LABへの参加を機に、私たちは下記タイトルの研究を行いました。今回は、研究の半年間の結果をお伝えします。
どうして関東から北海道に行ったのか、数ヶ月単位で移り住む生活の実態等については、本記事で記載すると長くなるためブログをご覧くださいませ。
◆実験の目的と背景
目的1:クラウドソーソングでの案件獲得をやめて、実際に見て聞いて感じて共感し力になりたいと思ったクライアントと仕事したい
私たちは、2020年に夫婦で会社を退職して、独学でスキルを身につけフリーランスとして生計を立てています。これまでクラウドソーシングなどを活用して仕事を獲得してきましたが、契約金額や仕事内容に妥協することが少なくありませんでした。その結果、モチベーションの低下やストレス増大に繋がっていたのです。
そんな時に転機となったのが、北海道内を転々と移り住む生活の中での様々な方との出会いです。私たちは数ヶ月滞在する地がどんな地域か深く知りたいため、地元の方やIターンUターンの方と交流を積極的に行っています。その出会いの中で、「私たちがこの人たちの課題解決の力になれたらいいな」と思うようになりました。
そこで、いまのライフスタイルを通して出会った人たちに、自分たちのスキルを活かして貢献できないか?と考えたことが今回の実験テーマを掲げた一番の目的です。
ただし、条件として積極的な営業活動を行わないこととしました。その理由は、
数ヶ月単位で移り住む生活を始めた目的は「各地域を見て回ること」なので、仕事ではなく地域を見ることを優先したいから
これからの生き方(仕事)について考える時間や自分の時間が欲しいから
押し売りにはせず、本当に求められていることに対応したいから
仕事に溢れて、上記のことができなくなると本末転倒です。そのため、積極的な活動は避け、私たちの生き方・働き方に興味を抱いていただきご依頼をくださった方とお仕事したいと考えました。
目的2:新しいライフスタイルへの挑戦の発信
単身であればアドレスホッパーや旅暮らしというライフスタイルが、行いやすいイメージです。しかしパートナーと2人となると、理想のライフスタイル、行ってみたい場所、合う働き方は異なります。それでもパートナーともに望む生き方(=働き方)ができるのか試してみたいと思いました。
これまで2人で経験してきたのは、会社員・都会暮らし、フリーランス・田舎移住、フリーランス・デジタルノマドという生き方です。まだまだ多様な生き方・働き方が2人でできると思っています。最終的に、どんな生き方・働き方を選択するのか私たち自身もわかりません。
私たちの挑戦を発信することで、多様な生き方・働き方の選択があるということを認知していただけると嬉しいです。
◆検証したいと思っていたこと
地域深掘りの活動のみを通して、仕事の相談や依頼がくるのか。
営業活動や仕事作りのための活動をせず、どんな仕事をしているかは聞かれたら答えるスタイルでも、仕事の相談や依頼がくるのか。
もし依頼を受けたいと感じて実際に仕事をすることになった場合、クラウドソーシングと比較して、契約金額やモチベーションにどのような影響があるのか。
私たち夫婦のSNSでの発信を通して、私たちに興味を持って実際に会ってみたりお話ししたり、友達になることはあるのか。
◆研究活動の概要
<当初想定の活動概要>
【地域深掘り活動の流れ】
滞在地域で、私たちが関心のある分野で働いている方やUターンIターンの方を訪問 (※私たちが関心のある人に会いに行っているので、クライアントにしたくない人からの依頼をこの時点である程度防げているはず)
交流を通して、私たち自身について興味を持ってもらい、後からふと思い出して連絡をもらえる人になる(※名刺は渡されたら渡すスタイル)
経験問わず、お手伝いできることはなんでもできるスタンス
報酬の発生する仕事につなげる
【SNS発信】
Blog、Twitter、note、Instagramを使用して私たちの日々の活動や考え方を発信
(Instagram : 1週間に1回以上、blog : 2週間に1回以上、note : 2週間に1回以上、Twitter : 適時)スキルベースではなく「この人にお願いしてみたい」と思われ、働き方や生き方に対して気が合う人と繋がる
報酬の発生する仕事につなげる
<実際に行った活動概要>
【地域深掘り活動の流れ】
滞在地域で、私たちが関心のある分野で働いている方やUターンIターンの方を訪問
交流を通して、私たち自身について興味を持ってもらい、後からふと思い出して連絡をもらえる人になる(※
名刺は渡されたら渡すスタイル→徐々に渡さなくなり、渡さないスタイルが定着してしまった)経験問わず、お手伝いできることはなんでもできるスタンス
報酬の発生する仕事につなげる
【SNS活動】
Blog、Twitterを使用して私たちの日々の活動や考え方を発信(
note、Instagram)スキルベースではなく「この人にお願いしてみたい」と思われ、働き方や生き方に対して気が合う人と繋がる
報酬の発生する仕事につなげる
◆結論と根拠・気づき
<実験活動から得られた結論>
半年間で5自治体にう移り住む暮らしをした中で、『地域深掘りの活動のみを通して、新たな仕事を得ることができる』ということが得られました。SNSの発信を通して繋がった方と実際に会って話すことはできましたが、仕事には繋がっていません。
<その根拠>
下記、実際にいただいた仕事のご相談/ご依頼です。
・急に人手が足りなくなった大規模農業法人から農作業手伝いのご依頼→仕事完了/報酬頂戴済み
・某町から映像制作のご依頼→発注に向けて詳細を詰めている途中
・今後農泊事業をしたい農家さんからHP制作や事業立ち上げ等のご相談→将来的な受注見込み高い
<気づき>
・仕事作りのための活動もせず、仕事も聞かれないと答えないようなスタイルだったが、私たちの生き方に興味を抱いて仕事や働き方について聞かれることが多かった。その結果、仕事の依頼に繋がったのではないかと考える。
・私たちが既に持っているスキルを活用した仕事の相談が多い。もし新しいことで挑戦したいのであれば、こんなこともやってみたい、としっかりと口に出して言たほうがいい。農作業手伝いのケースでは、事前に周りに酪農業に興味があると伝えていたのが良かったと思う。
・私たち夫婦のSNSでの発信を通して、私たちに興味を持ったくださった方がコンタクトをくれ、オフライン交流に繋がった。
・私たちが力になりたいと思った方からのご依頼であっても、既存のスキルを活用した仕事依頼の場合、契約金額はクラウドソーシング案件と同様に、納得いく金額を提示してしまう。それに対して、一度も携わったことのない分野に関しては、経験ができるだけでありがたいと感じ、金額にはこだわらなかった。
◆研究に関する考察・これから
<考え方・価値観>
・会社員をやめてフリーランスになった頃は、時間や場所に縛られない生活へのこだわりが強かったが、人としても生業も魅力的な方から仕事の相談をいただき、伴走して仕事していきたいと思った場合は、時間や場所も縛られても気にならないだろうなと感じた。
・農作業をお手伝いした経験から、半農半Xの相性の良さを実感した。また、自分自身が農家になるのではなく、あえて農作業のバイト的なポジションにいることによって、デスクワークとのちょうどいいバランスを保てたように感じた。
<具体的な成果・仕事・働き方への影響>
・滞在地域の深掘り活動を続けていれば、何かしらご縁があり本気でやりたいと思うような仕事にも繋がることがわかったので、思い切ってクラウドソーシングでの案件獲得をやめることができた。その結果、クラウドソーシング案件によってモヤモヤしたりイライラすることがなくなり精神的に健康になった。
◆全体振り返り
この半年間、気候や地域の基幹産業が全然違う5自治体で暮らしました。私たちのライフスタイルは、住居をはじめ生活環境がコロコロと変わります。このライフスタイルを選択しているときは、稼ぐことではなくライフスタイルを重視した生活が送りたいという思いや、もっと質のいいクライアントと仕事したい、滞在地で出会った方の課題解決の力にもなりたい、など仕事に対しても色々な思いがありました。そんなモヤモヤがしばらく続き、「いっそ今持っている仕事だけにセーブして、クラウドソーシングとか案件獲得とかそう言うのはやめよう。できた時間で私たちが興味ある人に会いに行こう、人生模索中の私たちに何かしらの刺激になるのでは?」と考え、思い切って「稼ぐ<地域深掘り活動」重視に切り替えました。実践してみると、滞在地で出会った方からご縁をいただき、新しい経験や価値観をたくさんもらいました。長期的に見たときに今の自分とって大切なこと、大切な時間をどう使うか考えるいい機会になったと感じています。
地域深掘り活動の中で出会った方から仕事のご相談やご依頼をいただいた経験から、さらに働き方・生き方の選択肢が広がったように思います。今後、私たちがどんな働き方・生き方を選択するかわかりませんが、今後ともあたたかく見守っていただけますと幸いです。
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