【那須ハイランドパーク】ビックバーンコースター@乗車レポート
【累計乗車回数】
15回以上
【初乗車】
2021年8月7日
【オススメの座席】
最後尾車両(11番/12番)
【レポート】
「ビックバーンコースター」、コースターマニアなら一度は聞いたことあるだろう那須ハイランドパークの名物コースターのひとつだ。
筆者とビックバーンコースターの出会いは幼少期まで遡る。
当時「るるぶ」という遊園地兼アミューズメント施設を紹介する本を愛読していた私だが、ひときはインパクトのある写真で掲載されているコースターがあった。
まさしく、そのコースターこそ「ビックバーンコースター」である。
当時としては規格外の角度のドロップがあるジェットコースターの写真に私は電撃が走ったかの様な衝撃を覚えた。
そして小学生の頃、親に懇願し那須ハイランドパークへ連れてって貰えたのだが点検整備の為その時は乗れず悔しい思いをしたが、反面あまりの佇まいの凄さにホットしてしまった自分もいた。
だが、トップガンやサンダーコースターに乗れたのは今でも記憶に残っており当時に那須ハイランドパークへ訪れて本当に良かったと改めて思う。
その時から数十年、私は再び那須の地へ訪れた。
私は2021年からナガシマスパーランド「白鯨」を機に再びジェットコースターマニアとして再出発したのだが、そこで忘れかけていた「ビックバーンコースター」という当時、憧れていたコースターに白羽の矢が立った。
数十年ぶりのご対面、改めて見るがタダならぬオーラを感じた。
「ビックバーンコースター」は園の一番奥に建っており正に「ラスボス」と言ったところだろうか。
しかし、"そのコースター"の轟音は離れていても聞くことができる。
「ゴゴゴゴッ」、その様なドスの効いたサウンドが再び緊張を襲った。
私の撮った外撮りの動画があるので、是非「見て」「聞いて」頂きたい。
※追記
「ビックバーンコースター」を設計した明晶というメーカーの中規模以上のコースターは、よくこの様な音を出しているので私は「明晶サウンド」と呼んでいる。
そんな如何にもな雰囲気を出しているコースターだが、駅舎はかなりシンプルだ。
昔ながらのコースターだからこそ、シンプルな駅舎が似合うと私は思う。
そして、待ち列へ私は並んだ。
当然狙うは最後尾。
コースターレビューのサイトで散々語り尽くされている事だが、この「ビックバーンコースター」は最後尾に乗ることにより唯一無二の最恐の恐怖を体験する事が出来る。
有り難い事に運良く最後尾の車両を引き当て、歓喜と恐怖が入り乱れた複雑な気持ちになった。
いざ車両に乗り込むと足元の狭さとハーネスの拘束感。
ショルダーハーネスとラップバーの二段構えでかなり窮屈だ。
まるで尋問を受けて拘束されている囚人の様な気分。
勿論、ハンズアップは出来ない。
そんな期待と不安を胸にライドは走り始めた。
巻き上げは、かなーーーり ゆっくり。
カタカタと音がしない、静寂の巻き上げ。
しかし、右を見ると那須高原の大自然が広がり遅い巻き上げが功を奏したっぷりと堪能できる。
だが、左を見ると今から地獄へ叩き落とすと言わんばかりの急角度のファーストドロップが目に入り恐怖が襲う。
そこから大きく左に旋回しながら少しずつ加速していく。
この部分もコースターレビューの先輩方と同じ感想になってしまうが、本当にこれから75度のドロップを行おうとしているのか…。
正気の沙汰ではない。
大きく左に旋回し終わると少しだけ右へ曲がり、そこには先の見えぬレールが。
緊張はピークに…。
究極のファーストドロップ!
一瞬浮遊感が出たと思ったら、かなりキツい引き込まれ感が身体を襲う。
まるでショルダーハーネスがいきなり100kgの重りとなり、自分を押し下げようとしている感覚だ。
これまで様々なタイプのドロップを経験してきた私だが、これは「富士急ハイランド/ええじゃないか」や「TDCA/サンダードルフィン」の日本トップクラスの自由落下とは違う強制的で暴力的な落下を味わう事が出来る。
怖過ぎる!!!
例えるなら「机にうつ伏せで寝ている時に急に強い落下感が襲いパッと目が覚める」、こんな経験をした方々は多いのではないだろうか。
その様な一瞬の体験を"リアル"に感じ取る事が出来る。
雑学的な事だが上記の現象のことを「ジャーキング」と言うらしい。
怖さと言うものは人によりベクトルは違うものだが、個人的にファーストドロップという括りでは"日本一の迫力"ではないかと思う。
とにかく楽しいとか気持ちいいより、ただただ怖いとか凄い、時には酷さという感情だけが残る。
まさに「最恐(最強)のドロップ」だ!
続いて、結構な高さのキャメルバックへ突入だ。
頂上で先頭車両は微妙な浮きを感じることは出来る。
最後尾では浮きこそないものの、コチラも1stドロップと似た、引きずられる様なドロップを体験する事ができる。
ただし1stドロップのインパクトが強すぎるので、やや小物といった印象だろうか。
そして「垂直ループ」へ突入だ。
乗り心地の悪さもあってか、中々荒く激しめなプラスGを感じた。
先頭車両ではループ進入時に急な重力変化を感じ一瞬クラッときてしまう。
こういうパンチのあるループも、昔こそ「クレイジーマウス」や「ループ・ザ・ループ」などがあったが今では貴重なのかも知れない。
(上記2機種ほどではないが激しいのには変わりない)
ループを終えると、左に旋回し軽く下りながら余力を残しタイヤブレーキを掛け終了となる。
タイヤブレーキの独特の臭いを感じ、古いコースターだということを改めて実感する。
【まとめ】
現代の安全基準では到底設置許可が降りなさそうな、ある意味では「ロストテクノロジー」的なコースターではないだろうか。
確かにコースは単純だ。
1stドロップ▶︎キャメルバック▶︎垂直ループ
でほぼ終わり。
しかし、このコースターの「凄さ」というものを令和のこの時代に体験出来るのは素晴らしい事ではないだろうか。
当時「ムーンサルト・スクランブル」を体験した人々が"ヤバかった"と口々に語り継がれたこともあり、この「ビックバーンコースター」も考えたくない話だがクローズしてしまった後でも口々に"ヤバかった"と語り継がれ伝説になっていくコースターであるポテンシャルを秘めている。
そんな、ある意味「法外ジェットコースター」に未乗な方は是非乗って頂きたい。
ビックバーンコースターのレポートは過激だったが、那須ハイランドパーク自体はとても景色も良く楽しい遊園地なので是非訪れてほしいところ。
(中々ハードなジェットコースターが多いけどネ!)
Thankyou Nasu Highland Park.
【追記①】
コースターの資料を調べていたところ、過去に運行していた「ループ・ザ・ループ」というアトラクションのループ部分を「ビックバンコースター」でも流用して使っていることが分かった。
また、共通点として上記2つのジェットコースターは「明晶」というメーカーのものとなる。
【追記②】
那須ハイランドパークで是非とも訪れて欲しいエリアがある。
それが「ロックンロール」エリアだ。
まるで、1950年代の古き良きアメリカに迷い込んだかのような体験ができる。
その中でも特筆すべきは「ロックンロールダイナー」というレストランだ。
おそらく本物であろうジュークボックスが飾られてあったり、バック・トゥ・ザ・フューチャーという有名な映画で見たことあるような飲食店の雰囲気を感じ美味しいハンバーガーを食すことが出来る。
現代からタイムスリップしてしまったかのような感覚は、さながらバック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公「マーティ」になった気分だ。
また、似たような施設として横浜にある「ムーンアイズ」というカーカスタムショップにあるレストランもこの様な雰囲気だ。
この「ムーンアイズ」も、USDMというアメリカ市場において流通しているパーツで車両カスタムを楽しむスタイルのことを指し、ショップ自体もアメリカンな雰囲気を強く味わえるので、遊園地とはかけ離れてしまったが楽しい場所である。
コチラもおすすめだ。
そんな、気分がアメリカンハイになれるエリア。
少し覗くだけでも良いので、是非とも訪れて欲しい。