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初出勤してみた

10月某日、私は某アルバイトに初出勤した。

初出勤時間は、18:00。
私は心配性なので、17:04出発の電車に乗り、バイト先がある駅である骨髄駅へと向かう。

駅についたのは、17:15頃。早い。あまりにも早い。

だがしかし、これでいい。

接客をするにあたってメイクは必須。その日の私は顔面に塗装をしていなかったのでトイレに行くついでに塗装をする。
ズボンもついでに着替えちゃお。

今回お世話になる店には面接時以外に一度だけ行ったことがある。私にはわかる。あそこには、大きな更衣室などないはずだ。

で、あれば…着替えておかなければ、もしも社員の人と出勤時間が被った場合は私の下着姿を晒す羽目になってしまう。
それだけは、絶対に避けなければならない。

なんてことを考えているうちに着替え終わる。

着替えている途中で、音姫が何度も反応して少しイライラした。

うるさい。黙りなさい。

次は塗装。
塗装といっても下地にファンデにアイシャドウにマスカラ…なんてメイクはしない。

大事なのは必要最低限のナチュラルメイクをすること。

今回は同じ職場で働く人たちとは初対面である。仮に気合いの入れたメイクをしたとしよう。私のメイクをみた人間に「…なんだコイツ、ケバいな。ギャルいな」と思われたら私の第一印象は最悪なものになるだろう。

人間は、自分と価値観が近い人間に親近感が湧き仲良くなりやすい生き物である。

メイクをこの先、濃くするか薄くするかは、今後、職場の雰囲気を観察してから決める。

ということで、アイシャドウはなしで、まつ毛をビューラーで上げ薄づきのマスカラをしアイライナーで短くラインを引く。マスクをするので目元だけで印象操作を図る。(めんどくさいだけ)

時刻は、17:30分。あと、30分か…。
今日は面接時に書類不備があったため、まずは店長に書類を渡さなければならない。
また、初めてなので諸々の説明もあるだろう。
となると、早めに出勤するのが妥当。

10分~15分前には、店頭に到着しておきたい。店は、駅から徒歩5分。
では、45分頃に歩き出せば間に合う。

時間になるまでは、駅の椅子に座り時計を見ながら待機…。(待っている間ソワソワした)


17:45になった。

よし、いざ出陣。

学校終わりで登山にでも行くんかと思われるようなカバンを肩に掛け、私は戦場へ向かった。

面接時以降、久しぶりに聞く店頭の音楽。
店の中に行くと受付に女性の店員さんがいて、「いらっしゃいませ」と笑顔で出迎えてくれる。歳は、多分近い。

『お疲れ様です!今日からアルバイトでお世話になります。好中球です。』

相手の目を見て、声をツートーン高くし元気よく挨拶をする。
よし、いいぞ。いい感じだ。

私がアルバイトと聞きその女性の方(以下:赤血球さん)は、
あ!と眉毛を上げ「こちらにどうぞ」と私を店の奥へと案内する。

事務室に入り、店の制服を渡される。
渡されたTシャツとエプロンを持ち、私の予測通りの更衣室で着替えを促される。

これからも、下は駅で着替えた方が良さそうだな…。
荷物を置き、指示通りに着替えていく。

が…エプロン着用後…

え、めっちゃ紐落ちてくるんですけど…?

私が、なで肩だから…?
こんなのじゃ、仕事中に落ちてきて、仕事どころじゃないよ…?

対策が必要だ。

しかし、今は何もその問題を解決できる方法がない。

時間も迫っているし、とにかくこれは後で解決しよう。
そう考え、赤血球さんに着替えたことを報告する。

「お!着替えた?じゃあね~…」

赤血球さんが私に背を向ける。


ン…?

ちょっと待て。

あれ…。

あ!


その時、エプロン問題がなぜ発生したのかの理由が明らかとなる。

赤血球さんのエプロンの紐が背中で交差され、しっかりと止められている。
対する私のエプロンの紐は平行になっており止められていない。

つまり、私はエプロンの着用の仕方を間違っていたのだ。

『あ…!すみません、もしかしたらエプロンの着方を間違っているかもしれません…』

私の言葉を聞き、私の背中を見る赤血球さん。

「あ!本当だ笑」 

優しく笑う赤血球さん。
私のエプロンを直してくれる。

好きだ。

『すみません泣 仕事を増やしてしまって…!ありがとうございます…!』

初対面の人間に世話をされる好中球。

焦る。謝る。感謝する。

「大丈夫ですよ~笑」私の反応にまたもや笑う赤血球さん。

あ、やばい。調子に乗りそう。
(好中球は、自分の反応で笑ってもらうと調子に乗る癖がある)

そのあとは、調子に乗りそうな自分になんとかセーブをかけながら打刻をする。
本当は、更衣前に行うものだが、今回は出勤が早かったので更衣後に行った。
次回からは、5分前に到着で良さそうだな。

「あ、ごめん!!ちょっと待ってね!!」

打刻をした後に、丁度よく店長さんがくる。

何やら忙しそうである。



 
第二弾へ続く。
 

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