コロシアムにおける回復量の計算方法~入門編~【SINoALICE-シノアリス-】
こんにちは、Under7(ゆーなな)と申します。
初めましての方は初めまして。
12月に入り朝晩の冷え込みが一層激しくなってまいりましたが皆様お変わりございませんでしょうか。
今回は3つ目のヒーラー向け記事になります。
内容はタイトルの通り「コロシアムにおける回復量の算出方法」と過去2記事に比べかなり中~上級者向けのものになりました。
突然ですが、シノアリスにはいわゆる「最強武器ランキング!」みたいなものがあまり存在しません。入っているギルドや自らの育成状況によって装備に入る武器が人それぞれ変わるからですね。
そのため、算出方法を考えてどのステータスがどれほど実数値に影響をしてくるのかを知ることで装備組みや育成優先度を読んだ人が"自ら考えられるようになる"というのがこの記事の目的の一つです。
本題に入る前に簡単な謝辞と注意事項を *はじめに に記します。
今回はお手数ですが必ずそちらからお読みいただきますようよろしくお願いいたします。
では参りましょう。
*はじめに
まず第一に、これまで検証に携わってこられた全ての先達に感謝と敬意を表します。
シノアリスをプレイされている方は御存知の通り、ダメージ量や回復量、支援量などの計算方法はゲーム内で明示されておらず、どのステータスがどの貢献値に反映されるのかでさえも普通にプレイしているだけでは正確に知り得ません。
そんななか既に引退されている方もいらっしゃいますが、サービス開始当初から沢山の方々によって検証用装備で日々のコロシアムに臨んだり、スキルレベル毎に効果量を調べたりと気が遠くなるような検証の試みが行われ、今日ではどの武器種でも殆ど確からしいとされる精度での計算式が確立されるまでに至っています。
今回扱う内容も大きくは既に広く知られている計算方法を紹介するだけに過ぎません。
この記事の最後で参考にさせていただいたツイートやwebサイトを紹介させていただくつもりです。より正確な情報はそちらをご参照ください。
2点目は本記事で扱う情報の正確性を保証できない、という点です。
前述の通りゲーム内では各効果値の算出方法は明示されていません。
私自身も今回紹介する計算式をコロシアムのログから実際に計算し、殆ど間違いないという確証を得て記事を著すに至っていますが、今後のアップデート次第では正確な算出が出来なくなるおそれがあります。(現在のものは誤差±1未満の精度で算出できます)
正確性は追求していますがあくまで非公式な内容であり、この記事で扱う内容により生じた如何なる行為もその一切の責任を負いません。
また、詳しい方には申し訳ありませんが個別のメインスキル倍率やLv.ごとの補助スキル倍率は例示を除いて扱わない方針です。有志のファンサイトなどでご確認いただければと考えています。
以上の点をご理解いただける方のみお読みください。
何卒よろしくお願いいたします。
1- コロシアムにおける回復量に影響を与える要素
前回の記事で総防御値が回復量に影響をするという内容を扱いましたが、それ以外の要素も関わっていることが広く知られています。そこでまず回復量計算式を扱う前に、影響を与える要素を挙げていきます。
ゲーム内で確認できる数値と推定である数値があり、現在コロシアムでの回復量に影響を与えていると考えられている要素は以下の通りです。
ゲーム内で確認できる数値
・総防御値
コロシアム画面から確認できる自分の装備の(物防+魔防)の値です。
限突スキルでの上昇量も含みますが、コロシアムでは殲滅ボーナスは含まれません。
・ジョブスキル補正
クレリックなら祈祷、ソーサラーなら魔書というようにジョブ種によって特定武器種にかかる補正です。
クレリックのハーフナイトメアでは祈祷武器に+35%の補正がかかります。
・キャラクターズ強化補正
キャラ強化で開放できる封魂の中には祈祷1%UPなど特定武器種の効果をあげるものがあります。
12/4現在、いばら姫の封魂を全て解放した場合合計で祈祷5%を得ることが出来ます。
・サポートスキル補正
聖ジョブや一部通常ジョブのLv.16で解放される「〇〇ジョブ使用時、〇〇2%UP」などと表記されるスキル。
メイン装備に用いているジョブがサポートスキルを持っていたとしても発動されない。
12/4現在サポート枠を全て回復効果UPで埋めた場合の上限は12%UP。
ゲーム内で確認できない数値
・メインスキル倍率
武器のコロシアムスキル毎に設定されている効果の大きさを表す数値です。
大回復と特大回復の回復量の差などはここで生まれます。
原則同じ名前のスキルは同じ数値に設定されていると考えられていますが、初期の武器の中には同じコロシアムスキル名で明らかに異なる効果値を持ったものがあります。
また、再生の黎明や再生の燐光などの時限式でメインスキル倍率が変わるものや劣勢時にメインスキル倍率が上昇するスキルもあります。
・コロシアム/コロシアム補助スキルレベル補正
基本的にレベルが高いほど表記されている効果が大きくなりますが、Lv.15はLv.1の何倍の効果量があるのかなどはゲーム内から確認することが出来ません。
現在回復量に影響を与えるコロシアム補助スキルは「回復支援」「回帰定理」「双翼の恩寵」の3種のみです。詳しい算出方法は後にまとめます。
・神魔, ナイトメア補正
杖神魔や属性ナイトメアによっても回復量は上昇します。
一方、オディオのように祈祷武器の効果量を減らすナイトメアの効果も同様に計算されると考えられています。
以上です。
HPや総攻撃値、防具のモノガタリ補助スキルなどは回復量に影響を与えていないと考えられています。
2- コロシアムにおける回復量計算式
さていよいよ回復量計算です。上述の各要素を足したり掛けたりします。
やや複雑ですが一度仕組みを知ればそれほど難しくありません。
また、回復量の計算には乱数は無いとされています。
現在広く知られている回復量計算式は以下の通りです。
回復量 = 総防御値
1. × (100%+ジョブスキル補正%+キャラ強化補正%)
2. × (100%+サポートスキル補正%)
3. × メインスキル倍率
4. × コロシアムスキルレベル補正%
5. × コロシアム補助スキル補正%
6. × 神魔, ナイトメア補正%
× 0.05
順を追ってかけられている各要素を解説します。
1.(100%+ジョブスキル補正%+キャラ強化補正%)
ジョブスキルとキャラ強化で上昇する祈祷武器効果の和を100%に足します。
例)いばら姫のキャラ強化で祈祷1%UP×5個解放している状態でいばら姫/ハーフナイトメア(35%アップ)を装備した場合、
100+35+5 = 祈祷効果140%UP
2.(100%+サポートスキル補正%)
メイン装備のサポートスキルでアップしている祈祷効果の和を100%に足します。
例)サポートスキル枠に祈祷2%UPを6ジョブ装備した場合
100+2×6 = 祈祷効果112%UP
気をつけたいのは、ジョブスキル補正とキャラ強化補正はその和が全体に乗算される一方でサポートスキルは個別に掛けられる点です。
すなわち、前述の2例を同時に満たす場合の回復量UP倍率は、
1.45×1.12 = 1.624 = 祈祷効果162.4%UP
となります。
3.メインスキル倍率
中回復~特大回復まで各スキル個別に設定されている値であり、よく用いられる杖の殆どでおよそ2.04(中)~3.00(特大回復)の間に設定されています。
例)恵みの福音(Ⅲ)/2確/消費SP25→2.25
癒やしの福音(Ⅳ)/1体/消費SP18→3.00
劣勢時効果が2.5倍になるスキルでは、劣勢時は非劣勢時のメインスキル倍率の250%の値が新たなメインスキル倍率として用いられます。
例)大翼の福音(Ⅲ)(劣勢時)
=2.25(非劣勢時倍率)×2.5 =5.625
非劣勢時に100000回復していたと仮定すると、単純計算で劣勢時には250000回復することとなる
4.コロシアムスキルレベル(SLv)補正%
計算式 : 100% + 3% × (SLv - 1) + ボーナス%
SLv.が1の状態を100%とするとき、レベルが1上がる毎に効果が3%ずつ上昇します。
また、上記に加えSLv.が15に到達した時に+3%、20に到達した時に+5%がボーナスとして加算されます。
よくSLv.は15まで上げたほうが良い、と言われるのはこのためです。
例)SLv.3のメインスキル倍率=100%+(3-1)×3%=106%
SLv.15のメインスキル倍率=100%+(15-1)×3%+ボーナス3%=145%
SLv.20のメインスキル倍率=100%+(20-1)×3%+ボーナス(3+5)%=165%
無凸SLv.Maxで回復量が1.45倍、完凸で回復量が1.65倍となる
よく使われる値なので覚えておいても良い
5.コロシアム補助スキル補正%
回復支援・回帰定理・双翼の恩寵が発動した際に乗算される値です。
最も計算が複雑な部分です。詳しく知らなくても大丈夫な方は読み飛ばしてしまって構いません。
計算式 : 100% + 基礎倍率 × {100%+(SLv-1)×3%+ボーナス%}
※{ }の中の計算式はメインスキルレベル補正のものと同一
基礎倍率は各補助スキルのランクによって変わります。
回復支援(Ⅱ),回帰定理(弐),双翼の恩寵(参)→10%
回復支援(Ⅲ),双翼の恩寵(肆)→15%
回帰定理(弐)→20%
ランクにより5%刻みで倍率が増加する
この10~20%の基礎倍率にSLvによる補正を掛け算するので、実際の回復量の上昇量は5%以上の開きになります。
例)各補助スキルのレベルを20(165%)とした場合の回復増加量
回復支援(Ⅱ)→10%×1.65=16.5%
回復支援(Ⅲ)→15%×1.65=24.75%
回帰定理(弐)(劣勢時)→20%×1.65=33%
完凸時は8.25%ずつ支援量が上昇する
また、複数発動した場合は個別の補助スキルの効果量は全て足し算された後全体に掛けられます。
例)SLv.15の回復支援(Ⅱ)とSLv.15の回復支援(Ⅲ)が同時に発動した際のコロシアム補助スキル補正
100%+{(10%×1.45)+(15%×1.45)} =(100%+14.5%+21.75%) =136.25%
何も発動しなかった場合は×100%となり値の増減が発生しない
※双翼の恩寵については恐らく回復支援効果と補助支援効果が別々に発動していると考えられており、バフ効果を持った祈祷武器のログで発動が確認されても、回復量が上昇していないことがあります。
→参考ツイート参照
6.神魔, ナイトメア補正
神魔、ナイトメアはそれぞれの効果上昇量の和を100%に足した後全体に掛けられます。
例)祈祷神魔(Ⅴ)(効果量200%UP)とウガルルム(火属性45%UP)が同時に発動中に火属性の祈祷武器を使った際の効果上昇量
= 100%+200%+45% =345%
100%に加算される点に注意
杖神魔(Ⅴ)発動時の回復量は(100%+200%)で300%、すなわち3倍になる
以上を踏まえて、一例として実際の回復数値を計算してみます。
これは11/30に行われたコロシアムSPでのログの一つです。
このときの実数値の算出を上記の方法で試みてみます。
条件・総防御値66万(固定値・限突スキル関係無し)
・いばらハフメア(35%)/キャラ強化5%
・サポートスキル+10%
・ナイトメア・神魔無し
・破撃の萌芽(Ⅵ)メインスキル倍率→2.34
<計算> (%は全て割合に変換)
回復量理論値 = 660,000 総防御値
×(1+0.35+0.5) ジョブスキル+キャラ強化
×(1+0.1) サポートスキル
×2.34 メインスキル倍率
×{1+0.03×(18-1)+0.03} コロシアムスキルレベル補正
×[1 +0.15×{0.03×(20-1)+0.08} 博愛の雫補助 +0.15×{0.03×(17-1)+0.03} 花の精霊補助 +0.10×{0.03×(20-1)+0.08}] 宝樹の杖補助
×(1+0+0) 神魔, ナイトメア補正
×0.05
=300,158.19 ≒300,158
以上の結果になります。
計算結果は300,158.19、整数部分が実数値と一致しました。
現在知られている計算式はこの精度で回復量を算出することが出来ます。
ひとまず、今回のメイントピックは以上になります。
興味のある方は実際にご自身でもコロシアム中の総防値とログから算出してみてください。
↓ 以下少し計算に詳しい方向け
一番最後に掛けられる0.05という値ですが、0.075とするツイートやソースをご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。
よく回復定数と呼ばれる最後に掛けられる値ですが、0.075を採用する場合はメインスキル倍率を0.05の場合から2/3倍する必要があります。
回復定数を0.075とするとメインスキル倍率が特大回復は2.00、恵み福音(Ⅲ)が1.50、S杖恵みの福音(Ⅰ)が1.00と綺麗な値になるなどのメリットがあり、サービス開始からしばらくの間よく用いられた換算方法でした。
現在では0.05が用いられることが多くなっており、本稿でもこちらの値を採用しています。
3- よくある疑問を考えてみる
残りは回復量の計算方法を踏まえて、よくあるヒーラーに関する疑問に答えが出せないかを簡単に考えてみることにします。
他にも疑問などあれば是非コメントいただければ幸いです。
思いつけば増やしていきたいと思います。
Q. 回復量2%UPは総防御値換算でどれほどの上昇量か
A. 総防20万なら4000、総防30万なら6000アップとほとんど同じ。
サポートスキルは全体の計算式に個別にかけられる値なので、サポートスキル0%→2%を1つ装備するだけで回復量が単純に×1.02されます。
したがってこれと同じ上昇量をを総防御値だけで得ようとする場合、総防御値に×0.02した値を加える必要があり、それが総防20万なら4000、総防30万なら6000になります。
現状1ジョブで総防御値を4000アップできるサポートスキルは実装されていないので、基本的にはサポートスキルは回復効果2%UPを積むのが良いでしょう。
厳密には既に装備しているサポートスキルの数が多いほど2%UPと回復量を同値にするための総防御値は減っていきます。
例)サポートスキルが10%→12%になる際に実際に上昇する回復量
=1.12÷1.1 ≒1.018 =1.8%
Q. 無凸の回復支援(Ⅲ)と完凸の回復支援(Ⅱ)だとどちらがよいか
A. 単純な支援量だと支援Ⅲだが補助スキル発動確率が変動する&メインスキルの出力が下がるので一概には言えない
これは勇猛果敢など他の補助スキルでもよく見る議論の一つですね。
両方発動したと仮定した場合の純粋なコロシアム補助スキル補正量は、
無凸回復支援(Ⅲ)SLv.15→15%×{1+0.03×(15-1)+0.03}=21.75%
完凸回復支援(Ⅱ)SLv.20→10%×{1+0.03×(20-1)+0.08}=16.5%
と確かに回復支援(Ⅲ)の方が高くなります。
しかし、コロシアム補助スキルは御存知の通り常に発動するわけではありません。本稿では扱っていませんが、コロシアム補助スキルはレベルごとに発動確率が異なると考えられており、Lv.15とLv.20では11.5%と14.5%ほどの発動率の差があるとされています。
また、杖単体に関しても先述の通り無凸と完凸ではスキルレベルによるコロシアムスキル補正に20%ほどの差が生まれます。
以上から必ずしも回復支援(Ⅲ)が最適解とは限らない、と個人的に考えています。祈祷武器は対象数などメインスキルありきのものなので、ギルドに合わせてメインスキルがより有用なものを選択すべきでしょう。
Q. 回復支援って大事?
A. 思ってた以上に大事でした
最後は自分が改めて計算をしていてなるほどなーと思ったことを少し。
こんなことも知らずに今まで記事を書いていたのかとお叱りを受けるかもしれませんが…
さて、問題です。
総防御値30万というと1部ギルドの募集条件でもよく見かけるそれなりの値かと思います。
この総防御値30万のヒーラーが完凸の預言者の妄言(惨禍)を発動して補助スキルが一つも発動しなかった場合の回復量は一体いくらになるでしょうか。
全くの直感で構いません。
(メア・神魔無し/ハフメア+キャラ強化5%=40%/サポート12%/メインスキル倍率2.34)
計算をするとその理論値はおよそ90810となります。
実際に考えていたより高かったでしょうか、低かったでしょうか?
個人的には完凸にしては思ったより低いかな、という印象でした。
というのも言いようによっては一回あたりの回復量が10万未満というのはHPが20万の前衛を全快させるのに3回の発動が必要、とも捉えられるからですね。
これがLv.20の回復支援(Ⅱ)が3つ発動するだけで13.6万、6つ発動でほぼ2倍の18万あまりまで回復量が伸びます。
補助スキル発動率を左右するポピー・リオンの重要性が改めて感じられますね…
もちろん必要な回復量というのはその時々で変わるもので、どれだけ高ければ大丈夫というものではないのは重々承知しています。
しかし現実問題として相手からのダメージの平均が8万なら一度で9万回復すれば2発は耐えられますが、ダメージの平均が10万なら9万回復では一発も持ちません。
グラコロ本戦や予選最終日、落とすか落とされるかのシビアな局面になったときに勝敗を分けるのが回復支援一つの発動の有無になる…必ずしもそんな場合がないとは言い切れない、というのも自分の装備を見直すキッカケの一つになるかもしれません。
*おわりに
お疲れさまでした。少しでも普段の自分の回復量がどう計算されているのかを意識する助けになったなら幸いです。
記事の内容で不明な点やご意見等ございましたらお手数ですがコメントやTwitterまでお願いします。
検証に携わられた全ての方々に感謝します。
それではまた。
【参考記事・ツイート】
ほゐもん さん/回復支援のLv.ごとの倍率
https://twitter.com/whipemerald/status/1061275832704880640?s=20
すー さん/双翼の恩寵の発動確率について
https://twitter.com/suu2000001/status/1162583949857607682?s=20
シノアリス技術部 さん/Weapons Search(メインスキル倍率の確認)
https://weaponssearch.sinoalice.tools/
and ひつじレポート
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