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「この番組はフィクションです」――『バカせまい史』的に「テレビの注釈テロップの工夫史」を調べてみた
テレビドラマには、テレビの性質上、番組の冒頭や最後にほぼ必ず注釈のテロップが挿入されます。
基本的には、こんな文言です。
「このドラマはフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」
これは、視聴者に誤解を与えないためだったり、視聴者から抗議を回避するためだったりといった理由で生まれたものだと言われています。
通常のドラマなら、そんなことはわかりきっているけど、一応つけときました、で済みますが、たとえば「フェイクドキュメンタリー」のような、フィクションとの境界を揺さぶっているような番組の場合、単に「このドラマはフィクションです」とつけてしまうと興ざめになってしまうことも少なくありません。
けれど、局側からはつけるように言われてしまうことが多いと聞きます。
だから作り手は涙ぐましいほどの工夫で、そのテロップ自体におかしみや仕掛けを加えています。
『私のバカせまい史』的(?)に、そんな主にフェイクドキュメンタリー的番組について「テレビの注釈テロップの工夫史」を調べてみました。
(もちろん、テロップ自体ない番組も多いのでそれらは省きました)
(なお、「フェイクドキュメンタリー」ではありませんが、本人が本人役ドラマも変わったテロップが多いので入れてあります)
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このように作り手たちは一瞬しか映らないテロップまでこだわり抜いて作っているのです。「は」を「も」に変えるなど、一文字単位で考えられています。
一見、ごく普通のテロップもありますが、大抵は「あえて」そうしているのがほとんど。テロップの出し方・タイミングを工夫したり、フィクションを強調したりすることでより強い効果を狙っていたりするのです。
そんな仕掛けとこだわりに満ちたテレビ・フェイクドキュメンタリーの現代史を描いたのが『フェイクドキュメンタリーの時代 テレビの愉快犯たち』です! どうして上記の文言に至ったのかも本書を読めば納得できるはず。
まさにこれらのテロップには“愉快犯たち”のたくらみが宿っているのです。
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