台湾旅行、宿泊先にキャンセルを懇願される
11月末に金門島に旅行する予定。これは今回の半年間の台湾滞在のなかでもかなり楽しみにしている旅行の一つだ。
金門島ってご存知ですか? 私は恥ずかしながらほぼ知りませんでした。
中国・厦門(アモイ)からわずか2キロメートルに浮かぶ小さな島で、いまから七十数年前、国民党(その後中華民国≒台湾を統治)と共産党(その後中華人民共和国を建国)の内戦のときは激戦地になったらしい。こんなに大陸側に近いのに、どういうわけか国民党が防衛に成功し、いまも中華民国(≒台湾)が実効支配している。
Google Mapをみていても大陸側の厦門(アモイ)は「門」の字が簡体字で「门」ってなってるのに、金門は繁体字の「門」になっている。おもしろい。
飛行機のチケットを取ったのは10月上旬。その後すぐに現地の宿を予約した。ここがまたローカルな伝統家屋を活用した民宿で、もうとにかく楽しみなのである。
ところが、予約が完了した数日後だったか、メッセージが届いた。いわく「お客様、キャンセルしてくれませんか」。
どうやら私が予約した後に大人数の団体さんから空室照会があって、貸切希望らしい。で、宿からしたら私ひとりを泊めるよりは大人数の貸切利用を受け付けたほうが商売になる。そういう文脈での「キャンセルしてくれませんか」という話なのである。
えー。そんなー。これは正直かなり悲しい。
この宿を探すのに(中間テスト前夜の)1〜2時間を費やしたし、せっかく素敵なところを見つけられたし、かなりショック。そんなのそちらの一方的な事情じゃないですか。
本当に純粋に悲しかったので心の整理がつかず、しばらく返事をできないでいた。すると3日後、こちらの気持ちを察してかどうか、向こうから追加のメッセージが届いた。
「日本からのお客様、以上の件についてどうかご協力いただけないでしょうか。返事をお待ちしてます」
貴賓っていう言葉を使っているし、おそらくかなり丁寧な言葉づかいなんだと思う。さすがに返信することにした。けれど、やっぱりちょっと悔しいので抵抗してみる。
とってもささやかではあるが「こちらは予約済みなので、やっぱり泊まりたいです」と送ってみたのである。「他に団体さんがいてもこちらは気にしませんので」と譲歩したのかしてないのかよくわからん一文も添えた。
すると「もう一度説明させてください」と先方。「団体さまは大家族での旅行で、お客様の予約済みのシングルルームさえ空けば貸切になるんです。どうか相談させていただけないでしょうか」
やっぱり言葉づかいはかなり丁寧。まあおそらく家族経営の小規模民宿なんだろうし、まあここまで平身低頭にお願いされたら妥協してもいいか……、と考え始めたそのとき、彼らのメッセージには続きがあることに気づく。
「もしキャンセルしていただけるようでしたら、当方でお客様が宿泊できる別の民宿を予約します。宿泊費は当方で負担します。これでいかがでしょうか? もちろん私どもの民宿を見学しに来ていただくのは歓迎します」
禍福は糾える縄の如し(?)。ここまで言われたら引き下がるしかない、というか、むしろラッキー? どちらかというとやや申し訳ないくらいの状況になってしまった。
ということで、条件を受け入れることを先方に通知する。さすがに申し訳ない気がしてきていたので「泊まれないのは本当に残念です😭」と絵文字もつけることにした。
しかも実は私がよく理解できておらず、わたしが予定していた2泊のうちキャンセルをお願いされたのは後半の1泊だけで、前半の1泊はこの宿に泊まれるということも判明。余計に申し訳ない状況になってしまった。
いや、別に申し訳なくはないか? 「協力」したのはこっちなんだから……? よくわからん。こういうやりとり、見方によってはカスタマーハラスメントかな? 叱るなら叱ってください。
【2022/10/30の日記】
机に向かっての勉強時間は3時間49分。