台湾・台南は酒飲みに優しい?厳しい?
台南はお酒文化の充実した街らしい。留学前にはあんまりそういう印象はなかった。(どちらかといえば)酒飲みの私にとって、これは僥倖だ。
ただ台南式のお酒の楽しみ方は、東京のソレとはちょっと違う。
まず大前提として、街角の食堂はお酒を置いていない場合が多い。
家族や仲間で鍋をつついたり大皿料理を分け合ったりして、支払いが一人3000〜4000円になるような大型店になると、ようやくどーんと置いてある業務用の冷蔵庫から自分でビール瓶を取る形式が登場する。ただビール以外の選択肢は乏しい。
お酒を飲みたいなら向かうべきは居酒屋。これはもう中国語でも「居酒屋」と表記してあって、ちゃんとジョッキでお酒を提供してくれる。これが日本の一般的な飲食店に一番近いイメージ。ビール以外のアルコールも置いてある。ただ店数はかなり少ない。
では、なぜ、台南がお酒文化の充実した街といわれるのか。それは酒吧(バー)があるからである。
最近は台北から知人がよく足を運んでくれることもあり、わりと頻繁に酒吧に行くようになった。が、これも日本のバーとはちょっと様相が異なる。いや、インテリアにこだわっていてバーテンダーさんがお酒を作ってくれるのは同じなんだけど、とにかく高いのである。
カクテル1杯で、安くても300元(1300円強)。少し凝ったものだと450元(2000円弱)みたいなメニューもザラにある。
しかもこういう店では「最低消費額」を指定していて、週末だと「最低500元以上は注文してくださいね」などと求められる。
1杯で日本円にして1500〜2000円という価格をどうみるか。
東京でもちゃんとしたバーに入れば同じくらいするだろうし、取り立てて高い高いと言う必要はないのでは? という見方もあるかもしれない。
が、80〜100元(350〜440円)も出せばお昼ご飯でおいしい弁当や麺料理が食べられる台湾での価格帯である。たしかに凝ったカクテルは多いけれど、それでもやっぱり、この高さは異常であると思わざるを得ない。
不思議なのは、こういうバーでお酒を飲んでいるのがわりと若い世代であるということ。ほとんど20代前半なんじゃないか。彼ら、そんなに稼ぎあるんでしょうか?
ちょっと調べてみると台湾内ではわりと高収入で知られる電子部品の製造業でも賃金の中央値は72万元(=約314万円)。日本の平均賃金よりは100万円くらい低い。日常的にバー通いするのは無理なので、記念日とかハレの日にえいやっとバーにやってくるんだろうか。
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それではいくつか、私が足を運んだなかで好きだったバーをご紹介。
まずは蝸牛巷という路地裏の一角でひっそり営業する籠裏(Bar Lonely)。
続いては赤崁樓の近くにある「赤崁中藥行」
最後は神農街にある「太古」
まあよく考えると東京で2時間3000円飲み放題とかで大量に飲むより、こうやって凝ったお酒をちびちび2時間くらいかけて飲むほうが健康的ではあるのかもしれない。
【2023/01/05の日記】
机に向かっての勉強時間は4時間15分。