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また二月が来た
二月になった。
二月というのは、まだまだ寒いくせに春の顔をしている。
デパートには春服を着たマネキンが軽やかなポーズを決め、コンビニでは苺や桜味のお菓子が並び始める。
二月は、春生まれの私をそわそわさせる。
それは誕生日が楽しみというわけではなく、年齢に見合った生き方が出来ていないことへの“焦り”からくるものだ。
「その歳で、その出来?」と思うことが増える。
自分はその程度なのかと、がっかりする。
虫唾が走る。
だから生き急いでいる。
老いに抗わず、その歳に相応しい生き方や身なりで自分を受け入れていきたい。
若さは武器だけれど、脆く繊細だ。
そこに縋り続けるのは痛々しい。
その人にはそのひとの、その人にしか出せない味がある。誰かにわかってもらうためでも、見てもらうためでもない。
自分が納得できるように、アイデンティティーを確立させていく。
二月は私をかき乱す。
それに負けずに歳をとる。
重ねた分だけ、強くなる。