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差額10円分の親切
先月、日頃の身体の疲れを癒やしに日帰りで温泉に行きました。
露天風呂で温まり、バキバキに固まった背中もすっかりほぐれて脱衣所に戻ると、私のすぐ下のロッカーを使っているご婦人が裸で何やらお困りのご様子。
手持ちの100円玉を切らしておられたようで、返却式のコインロッカーの鍵が閉められず、途方に暮れていらっしゃいました。
ご婦人は既に裸の状態でいらしたので、服をまた着て両替するのは面倒だろう、と
すぐ上のロッカーの鍵を開けた私は、返却されたばかりの100円玉があったので差し上げたところ、いたく恐縮されて財布からかき集めた90円をくれました。
これもなにかのご縁だし(100円ですが)、返ってこなくてもいいつもりだったのですが、お気持ちが嬉しく、身体だけでなく心もほっこりして温泉を後にしました。
その数日後、今度は私がスポーツジムのロッカーキーを失くして焦るという事件が発生しました。
トイレや風呂場、脱衣所、プールを探しましたが見つからず、ロッカーに戻ると、なんと、失くした鍵がささっていたのです。中の荷物が荒らされた形跡もなく…。
どうやらどなたかがロッカー番号を元に鍵をさしておいてくださったようなのです。
つい数日前、温泉でご婦人にした、差額10円分の親切が返ってきたのかもしれません。
「情けは人の為ならず めぐりめぐって己がため」とはよく言ったものですね。
皆さんは他人に対してした親切が、めぐりめぐって自分に返ってきたことはありますか?