#コロナ下だからできたこと 「僕はみんなに選択肢という名のビラを配りたい」
日本経済新聞の若者向けメディアU22は、学生団体TSUNAGUの協力を得て、オンラインイベント「#コロナ下だからできたこと」を3月24日の夜に開催します。そこで今回は、TSUNAGU設立者の倉内佑さん(慶應義塾大学4年)に、イベント開催への思いやTSUNAGUをつくるまでの経緯などをインタビューしました。(聞き手はU22桜井陽)
Q 「#コロナ下だからできたこと」というイベント、倉内さんが設立した学生団体TSUAGUと我々U22がご一緒するわけですが、まず、TSUNAGUに込めた思いから教えてください。
A 新型コロナウイルスの影響で学生生活をモヤモヤしながら過ごしている大学1、2年生が、人との繋がりや将来の選択肢を見つけるきっかけをつくりたかったんです。それで2020年の夏ごろから記事を書いたりイベントを開いたりしてきました。
Q 多くの学生はキャンパスにも入れませんしね。悩んでいる学生はとても多いと思います。倉内さんの学生生活にも影響はありましたか?
A はい、ありました。アフリカのルワンダでインターンをしようかと思っていたのですが、行けなくなってしまいました。
Q ルワンダ!?
A ルワンダの日系会計事務所で働きたかったんですけど、緊急事態宣言も出たし、これは無理だなと諦めました。
Q コロナがなければルワンダに旅立っていて、TSUNAGUも生まれていなかったということですかね。
A そうです。ですので、日本にとどまって就職活動を続けることにしました。
Q ショックではなかったですか。
A それが、そこまで大きなショックを受けたわけでもなくて。。コロナがあることを前提に自分は今、何をすればいいのか、落ち着いて考えていました。
Q なぜそんなに冷静でいられたんですか。
A 高校生のときにフェンシングをやっていまして、メンタルコーチがいつも「今を生きることが大事だ」と言っていたんです。競技をしていれば勝つことも負けることもある。そんな中で一喜一憂せず、過去や未来にとらわれないようにしようという教えです。コロナの中で、すごくしっくりきました。
Q 今回のイベントのテーマは「#コロナ下だからできたこと」です。まさにTSUNAGUの設立も、コロナがあったからできたものですよね。
A はい。これまで先輩や仲間たちのおかげで素晴らしい学生生活を送ることができたので、今度は自分が繋がりをつくる側に回りたいと思いました。
Q ちなみに倉内さんは、これまで学生時代の中でどんな繋がりをつくってきたのですか。
A 中学高校の6年間、東日本大震災で大きな被害があった石巻や気仙沼に通いました。漁業組合の組合長さんや市長さんとも何度もお話することができましたし、気仙沼出身の小野寺五典防衛大臣(当時)にもインタビューすることができました。
Q もともと何か縁があったのですか。
A 中学校から関東なのですが、もともと宮城県の仙台市に住んでいました。小学校6年生の3月に震災に遭ったんです。それで毎年夏に通うようになって、ちょっとずつ人間関係も広げていくことができました。50人ぐらいの方々にお話を伺うことができました。
Q なるほど。倉内さんの場合は、震災の経験がすごく大きかったわけですね。
A はい、その通りです。
Q これからTSUNAGUの活動を通じてどんなことを実現していきたいですか。
A 大学1、2年生にとってのきっかけづくりのお手伝いができれば嬉しいです。コロナがなければ普通にサークルのお誘いがあったり新歓があったり、いろんな選択肢が自然に提示されたはずなのですが、今はそうではありません。だから僕はサークルや部活の「ビラ」を配るような役割を担えればなと思います。
Q ビラですか。面白い表現ですね。
A 今話していて、自然に出てきました(笑)。今回のイベントもそうですが、「こういうのがあるよ」という感じで。もしたった一人でも興味を持ってくれれば、それでまた繋がりができてきますし。
Q イベントを開催するにあたって伝えたいことはありますか。
A 一番伝えたいのは、「コロナのせいにして、なにもしないのはもったいなくない?」ということです。学生生活を川の流れに例えるならば、コロナで流れがせきとめられたのではなく、自然と違う流れになるような選択をした3人のスピーカーの言葉から、何かヒントを持ち帰ってもらえれば嬉しいです。なんか、意識高い系みたいになっちゃいました(笑)
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