廃墟オタクが徒歩で五色園行ってみた
こんにちは。Twitterアカウント突然消してすみませんが今後もう戻りません。お久しぶりです夜光Pです。
ここ一月ほど、この世界の一員としてもまた個人としてもトコトン嫌なニュースにまみれて暮らしており、気が滅入ってきた。落ち込んだ時は歩きまくるに限る。日進市の某サイゼで昼から白ワインとハンバーグランチを貪り、店外に出た瞬間にその閃きは訪れた。
……歩いてくか? 五色園。
五色園というのは言わずと知れた愛知県屈指のB級スポットである。詳しい説明についてはググっていただくか、後々僕の貼る写真を見て理解して下さるかでお願いしたい。だいたいこんな記事に辿り着くのは自発的に五色園について調べているか俺のnoteの読者でいてくれている物好きかという感じなので、多分今さら俺が説明する間でもないでしょう。仏教塑像テーマパークです。Google検索かけようとすると「五色園 殺人」って出てきて怖いよ。詳細を調べたところ別にそういう事実はないらしいよ。何なんだ。やめたげろよ可哀想だろ。
日進市内であることだけは知っていたため、ひとまず地図読めない人類御用達アプリ「Waaaaay!」で現在位置からの距離と方向を見る。ここからおよそ3kmと表示され一瞬怯むが、ま〜ほろ酔いだし機嫌よく行けるっしょ〜と雑な自信を持って出発進行。
高速を伝ってグイグイ歩く。良い天気で良かったね。僕はこういうちょっと煤けた建造物が好きなタチなので道すがら写真を撮って行く。あわよくば面白いモンないかなあ。いや、面白いモン見に五色園に行こうとしてるのはそりゃそうなんだけど。
ジブリみたいな階段。
こういう造形にときめく奴は大体友達。
来たッ、ちょっと面白いやつ!
再犯が多いんだろうか。「やめよう!」で伝わるだろうに、「もうやめようよ!」ってそれは全然止まる気配もない上に最終形態を残してるラスボスに縋りつく旧友のセリフなんよ。今回徹底的に練り歩いて気づいたのだが、日進市の防犯看板や交通標語、ささやかながら香ばしいキャッチコピーの宝庫っぽい。そういうところも含めてお散歩してみるとB級スポット好きはより楽しめるのではないでしょうか。
国道沿いあるある、岩と枯れ草に擬態するタイヤ。道の端に突っ立って写真撮ってたら己まで壁に同化しかけてたらしく、背中スレッスレを2トントラックが走り抜けていって死を感じました。高校生の頃、古虎渓廃墟群の近くまで行ってみようとしてトンネル歩いてる時も同じ目に遭ったな。廃墟と轢死は存外相性が良い気がする。
あぁ〜造形が素晴らしいんじゃ〜
やっとこ地名としての五色園の入口。この信号待ちの間に目の前を五色園行きのバスが通り過ぎていってちょっと後悔したが、行きは歩きと決めたのでもう少し頑張る。
ポニーのようなずんぐりしたフォルムがかわいいベンチ。バス待ちの木製小屋とか置きベンチとか見るとあ〜久々に遠出してきたな、って気持ちになって嬉しくなる。そうそう。バス待ちのベンチってこういうのだよねこういうの
決してこういうんじゃないはずなんだよ
たったバス停一区間で何があった。何だお前は。控え目に言って不審だぞ。置きベンチと地面に突き刺さった背もたれの位置関係が著しく乖離している上、背もたれ単体でねじれの関係を発生させている。何これ?3Dモデリングのミス?
終わったバス停に別れを告げ、後は知らない住宅街の間をひたすら縫って進む。ひーこらひーこら言いつつ、ついに五色園の入口らしき場所に着!!
はわわ〜っ!今日はイカれベンチと縁のある日だな〜〜〜〜!!!!!
最高に好み(皮肉ではない)の集会所がお出迎え。天井ベロベロ。座面は底抜け。限界近い体力に引っ張り落とされかけていたテンションがアツい物件により一気に復活。ありがとう。これは気合入れて探索しなくちゃだぜ……!
地図はざっくりこんな風。人間のイラストがあるところに仏教エピソードにまつわる像が建っており、それを眺めつつウロウロする感じです。入場は無料。ディズニーランドにも勝る広大な敷地と風の噂で聞いたが、どうなんだろう。歩きすぎて既にクッタクタなので行けるところまで行って引き返そうと決め、レッツ観覧。
静かでしたが、園内に墓地があるため人通りは決してゼロではなく、程よい孤独さで一人散歩ができる場所です。イヤフォンを外し、風音に黄昏れながら進んでいったところで塑像発見!
おぉ〜。これがかねがね聞いていた五色園か。中3から大学前期までまともに授業出てなかったので仏教史についての知識はかなり朧げで、新鮮な気持ちで説明の看板を読んで回る。ついつい像に向かって「通りまぁす、失礼します」と声をかけてしまう。はいどうぞ、とか返事されなくて良かったよ。不気味さと学習意欲を半々に感じつつ、像を目印に練り歩いていく。これぐらいしか像自体の写真が残っていないのはご勘弁願いたい。コラムを頭に入れるので必死だったんだ。
イケてる防犯看板その2。不法投棄についての呼びかけばっかりだ。環境課のお巡りさんも大変だなぁ。そのうち「田舎のお袋さんが泣いてるぞ!」みたいなとこまで行きそう。嫌だなあ、自分の血縁や知人が不法投棄してる姿、確かにかなり見たくないなあ。
しばらく行くと児童用の遊具が見えてくる。へー、ここちっちゃい子が遊びに来るのにも向いてるのかな。
なんでそういちいち独創的なんだよ
年季の入った鉄製巨大遊具。とにかく高所に登ると楽しいという遊び方なのかもしれないが、子供が素肌で触ったらケガすると思うんだ、これ。試しに手前の足場を登ってみましたが普通に楽しさより危機感の方が強くて途中でやめました。ちなみにこの遊具、右側の影が落ちてる辺りに接近してみたところ……
完全に地獄の入口が待ち構えている。何?
死ねってこと!!? ってデカい独り言が出た。いや「デカい・高い・錆びてる」までは理解するよ僕も。これは遊具のアイデンティティ以前に人道倫理としてアウトじゃん。何をとは言わないけど吊るところじゃん。長さも様々で身長や年代に合わせて幅広く対応! 処刑場かホラゲか五色園でしか見られない大層レアな景色、いかがでしょうか皆様。帰ってから知人に見せて回ったところ全員激しく笑ってくれたので土産話にはうってつけです。
王冠とバネでできた滑り台もあった。いやだから独創性。
そこそこ奥へ進んで見えてきました御休所。どこでどう休もう。剥がれかけのトタンが風で絶え間なく音を立てていました。いいね、ムービング廃墟。
木造の上から壁を塗った? 囲った? のかな。建築の基礎知識も怪しいので上手く解説できないんですが風情は◎です。裏手に回ってみましょう。
戸の壊れ方よ。どうなってるのか全然わからなくてすごい。お手洗と風呂場は廃屋の見せ場ですからね、いいもの観測させていただきました。
「やーい、お前んち、おっばけやーしーきー」って感じの風格がある。赤屋根の廃墟にハズレはない。今のところ。
尊いシーンのはずなのに建造物がボロボロすぎてこわい。2009年に有志が塑像の塗り直しを行ったそうですが、いつかこの辺の大道具も修復されたりするのでしょうか。塗り直し当時は小学生のガキでしたが、今後再び何かしらの工事があるならぜひお手伝いに来たいです。
雪の中のお話
花にトタン
急すぎ階段
冬も終わりですねえ
まあだいたいこんなところでした。園地を出て正面に戻りのバス停があったのでバス内で爆睡して帰りました。今度は類友を誘って、軽くお弁当とか持ってきてもいいかもしれない。
日進市、ディープでいいとこ、ぜひおいで。
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