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【FaB】【MTG】Hokkaido FaB Specialization No.01 小野寺店長(カードショップGENKEN)前編


0.この記事について

新企画、『Hokkaido FaB Specialization』へようこそ!

今回から始まったこの企画は、北海道で活動してるFlesh and Bloodプレイヤーについて毎回1名ずつご紹介させていただく内容となっています。

トレーディングカードゲームとの出会いからTCGプレイ歴、そしてFaBを始めてから現在どのような活動をしているのかを、インタビュー形式にて語っていただきました。
北海道にはどのようなFaBプレイヤーが生息しているのかを他の地域の方々に知ってもらおうという企画です。

北海道のFaBプレイヤー人口は決して多いとは言えず、関東や関西の先輩方にはFaB未開の地として見られているのではないでしょうか。
そんな厳しい環境であっても、こうしてFaBの芽が出ているんだよと知っていただきたく、この企画を思い立ちました。

なお、FaB以外にも多くのTCGについてお話してもらっているため、人によっては知らないTCGの名前や対戦環境について語ることも多いと思います。またベテランプレイヤーの方々には懐かしい話もいろいろと出てくるかと思いますので、肩の力を抜いて気軽に読んでいただければと思います。
あと長いです。

今回は前編となっています。
後編では今までのTCG人生でお気に入りのデッキについて紹介していただく予定ですので、後日公開予定の後編もよろしくお願いします。

それでは、Hokkaido FaB Specialization 記念すべき第一回はこの方。
カードショップGENKEN 小野寺店長です!

小野寺店長 カードショップGENKEN前にて

1.TCGとの出会い

まず、年齢を教えていただけますか?

小野寺店長(以下、店長)「今年で47歳です。」

TCGとの出会いはいつ頃ですか?

店長「マジック・ザ・ギャザリングの第5版が出たばっかりの時ですね。ルールを学んだときはテンペスト(※1)が発売前で、本格的に始めたのはテンペストの後くらいです。
10代の頃から友人に誘われていたのですが、英語のカードゲームをやるのはちょっとなぁ…と断っていました。ただ日本語版が発売するようになり、「良かったな、日本語版出るぞ!」と言われ後に引けなくなって始めました(笑)」

テンペスト

その頃って、どこのショップでカードを買ってましたか?

店長「カードショップ・・・無いですね。いろんなおもちゃ屋さんやホビーショップをまわって、パックをつまんでたくらいですね。」

カードショップというものがほとんど無かった時代ですよね。

店長「北海道でも一番古い、パックを置いている店。さらにちょっとしたシングルと大会も開催してるお店が近くのプラモデルショップだったんです。そこに通っていたおかげでカードゲームに触れ、そのままカード沼にハマっていったのが牧野君(※2)と。」

ははは!ここでまさかのビックネーム!まだ学生時代ですよね。

その後、地元のコミュニティに参加したとのことですが、何かきっかけはありましたか?

店長「私、その点において恵まれてまして、最初にルールを教えてくれた人が北海道で有名なプレイヤーだったんです。で、その人からさらに紹介してもらった人もまた有名プレイヤーで、その方から当時札幌の南区になったフューチャービーというお店を教えてもらったんです。」

聞いたことあります!当時はカードショップって珍しいお店でしたね。

店長「そうだね。その時は衝撃的で、すごい!カードしか売ってない!カード関連しか売ってない!ってびっくりしました(笑)。
2階のデュエルスペースで初めてイベントに参加したのが沼の入り口でしたね。そして親友となる友人と出会いました。」

おお。

店長「大会前に話をして、「今日初めてなんですよ」って言ったら、向こうも初参加だったみたいで。「今日デッキ何持ってきたんですか?」って聞いたら、スーサイドブラック(※3)だったんです。」

《憎悪/Hatred》

ああ!当時流行してた黒単のデッキですね。

店長「実はその時、自分も同じスーサイドブラックで、しかもお互いのサブデッキは緑単スパイクデッキ(※4)だったんです。」

《スパイクの飼育係/Spike Feeder》

なんという偶然!

店長「それで完全に意気投合して、その後も一緒に大会に出るようになりました。
ちなみに最初にマジックを教えてくれた人は、その後北海道の麻雀の大会で優勝して、麻雀のプロになってました。その際に久しぶりに挨拶に行ったら、「マジックで北海道の頂点に立つより100倍楽だったよ」って言われました(笑)」

凄いですね…。才能があったんでしょうね。

店長「その人だけに限らず、北海道の強いプレイヤー達と繋がりがあったことは大きな利点でしたね。
当時のパックって、ちょっと計算してみたんだけど、1ボックス18000円くらいしたんですよ。英語版で1パック500円くらいで、日本語版はもっと高かった印象だね。そしたらコミュニティのメンバーから「小野寺君、今度ボックス何箱買うの?カートンでもいいよ!」って。1ボックスいくらですかって聞いたら、8500円って言われて。」

メチャクチャ安いな(笑)。並行輸入が可能だった時代ですね。
あと当時はシングルカードを置いてる店が全然無かったですね。まだアメニティードリームは札幌に無かったし、イエローサブマリンの片隅に少しあった程度だった記憶があります。

店長「チーム内で取りまとめて、大量に発注してもらってました。発売時期になると大量の段ボールがその人の家に届いてました(笑)。
チームメンバーの中には新弾が出たら全種類4枚ずつ揃える人も多かったからね。チーム内でカードを融通することも普通でした。」

今だとシングル買い安定ですから。その当時ならではの話ですね。

カードショップGENKEN 入口

※1 テンペスト
マジック・ザ・ギャザリングのエキスパンション(拡張セット)。
1997年10月13日発売。

※2 牧野充典
マジックのレベル5ジャッジ(2025年2月現在)。すごい偉い人。

※3 スーサイドブラック
マジックの黒単デッキ。自分のライフを犠牲にしながら戦う高速アグロデッキ。この当時は《憎悪/Hatred(EXO)》を使用した『ヘイトレッド』が主流。

※4 緑単スパイク
テンペストブロックにて登場した緑単アグロデッキ。+1/+1カウンターを利用する『スパイク』というクリーチャーによるギミックを中心にしたデッキ。どちらかというとファンデッキ寄り。


2.競技大会との出会い

そんな感じでマジックの沼に入っていったようですが、そろそろ競技プレイへ進んでいく頃の話を聞かせて頂きたいと思います。遠征はされました?

店長「遠征はしてなかったんですけど、自分が出た大会で一番大きかったのが、グランプリ札幌(※5)の1回目と2回目です。」

おお!両方とも参加されたんですか?

店長「1回目はリミテッドのグランプリでした。
この時の思い出は、外国から来たプレイヤーが多かったんですが、台湾から来たプレイヤーが英語でカードの説明をする際に、毎回メモ帳に書いて説明してくれて、メチャクチャ親切だったことが印象的でした。
女性プレイヤーとも対戦しました。ドイツから来たみたいだったのですが、北大(北海道大学)の留学生の方でしたね。カードの説明に苦労した記憶があります。」

国際的なのはマジックらしい風景ですね。2回目はどうでしたか?

店長「2回目は忘れもしない青緑マッドネス(※6)の時代で、私もマッドネスを使っていました。
実は私はその会場で唯一《ミリキン人形/Millikin(ODY)》というカードを使っていたんです。2コストのアーティファクトクリーチャーで、タップするとデッキトップを1枚墓地に送って1マナ生み出すというカードだったのですが、これを4枚メインデッキに投入しているのは会場で私だけだったんです。」

《ミリキン人形/Millikin》

ほう。どういう意図で入っていたんですか?

店長「デッキにはマッドネスのカードも入っていましたが、ほとんどがフラッシュバックを持ったカードだったので、墓地にカードを直接送り込みたかったんです。
あと、多くのプレイヤーがサイドボードに入れていたマッドネス対策カードを、私はメインデッキに入れてました。」

《触媒石/Catalyst Stone(ODY)》ですか?メインからメタってたんですね。
(※優勝者も含め上位勢はそのような構築が流行していました)

《触媒石/Catalyst Stone》

店長「そうそう。で、周りの先輩方から「小野寺君はbye(※7)持ってないから、グランプリ初日突破は難しいと思うよ。だから気負わずにやっておいでよ」って言われてたんですね。それでグランプリ初日を戦ったら、6-2で初日を抜けたんですよね。」

それは凄いですね!

店長「2ターン目に《ミリキン人形》を出したら、全てのプレイヤーに「それ何ですか?」って聞かれるのが最高に気持ちよくて(笑)。
一番気持ち良かった対戦は、ミラーマッチでお互いに膠着して、《ミリキン人形》を起動したら《不可思議/Wonder(JUD)》がポロって落ちて、捲れた瞬間に相手が「投了!!!」って(笑)」

《不可思議/Wonder》

青緑マッドネスミラーは《不可思議》落とした方が勝ちでしたからね(笑)

店長「そうだね。《ミリキン人形》のおかげでマナカーブも整ったから、とても良いデッキだったよ。
でも2日目はあと1勝が足りなくて、賞金圏内に入れなかった。最後の1戦で勝てば賞金圏内だったんだけど、相手のアタックに対してブロックしたときに、《ケンタウルスの庭園/Centaur Garden(ODY)》を見逃してしまって、それで負けてしまったんです。ちゃんともう1体ブロッカーを用意していれば勝てたんですが…。それが自分のカードゲーム人生で悔いが残る試合です。」

《ケンタウルスの庭園/Centaur Garden》

長丁場だったから、疲れもあったんでしょうね。

店長「糖分が足りなかったでしょうね…。大量に飴とか持って行ったんですけど…。
で、あの悔しさが今も引きずってて、私は今もカードゲーム業界から離れられないという。」

そうなんですね。でもそのおかげで今があると。

店長「もしあの時《ケンタウルスの庭園》を見逃してなくて、賞金を手にしていたら、今は他の趣味をやっていたと思います。」

カードショップGENKEN 店内

※5 グランプリ札幌
当時開催されていたマジックの大型イベントの一つ。
第1回目は2000年にマスクスブロックのリミテッドで開催。
第2回目は2002年にオデッセイブロック構築で開催された。

※6 青緑マッドネス
2002年当時の環境デッキ。手札から捨てられたときに使用できるマッドネスという能力を持ったカードと、それを手札から能動的に捨てることが出来るカードを中心に構築されたアグロデッキ。墓地からカードが使用できるフラッシュバックという能力も多用された。

※7 bye(バイ)
不戦勝のこと。当時はグランプリでの3回戦不戦勝を賭けたトライアル大会も世界中で開催されていた。


3.カードショップGENKENの始まり

そんな感じでプレイヤーとして活躍していくわけですが、ショップの店長になったのは何がきっかけだったんですか?

店長「その当時は他の北海道のプレイヤー達と一緒に、マジックの頂を目指して札幌でのイベントに休まず参加していました。
ですが、ある時期からプレイングも勝率も頭打ちになってきて、自分では頂点には立てないなって思うようになったんです。」

成長の限界を感じ始めたって事ですね。

店長「そのくらいからマジックから離れるべきか悩んでいたんですが、そんな時に地元にカードショップがあるという情報を聞きつけて行ったんですね。
そのお店は遊戯王メインのショップだったのですが、何度か顔を出していると、そこの店長さんと仲良くなったんです。
その時期から、後進を育てようって考え方になって。自分はもう頭打ちになってるけど、このショップにいる若い学生たちなら凄い伸びるんじゃないかって思って、その店の店長さんに許可を取って、構築済みデッキを10個くらい作って店に置いてもらったんです。興味がある人はルールを教えるよって、毎日通ってました。」

遊戯王しか置いてないお店なのに、よく協力してくれましたね。

店長「そしたらそのうち店長さんから、パックも置きたいって言ってくれて。ありがたい話ですよね。そこで知り合いの問屋の関係者に話をして、パックを入荷してもらったんです。確かテーロス(※8)の頃かな?」

テーロス

テーロス…もう10年以上前なのか…。

店長「その頃にはショップの常連さんほぼみんながマジックをプレイできるようになってました。何人かはマジックで人生を狂わせてしまった人もいるようですが(笑)」

ああ、パワーナイン(※9)買っちゃった人もいたね(笑)
それにしても、マジックが全く無かったショップでマジックの種を蒔いて、芽を出したのは凄い功績ですね。

店長「その代わり、そのお店の常連さんに遊戯王を教えてもらったりしてましたけどね。
で、しばらくしたらショップが移転して、それからもうまくやってたんですが、ある時そこの店長さんから「話があるから」って一対一で呼び出されたんですね。9年前くらいかな。
その話の内容が、店長さんが他の仕事に転職することが決まっているという事、そしてこの店の常連さんやコミュニティを無くしたくないので、このカードショップを丸ごと買い取って欲しいって話だったんです。」

これまた突然凄い話がやってきましたね(笑)。でも小野寺さんって当時別な仕事してませんでした?

店長「その時は整体師をやってたんですが、サラリーマンではなくて自営業だったんですよね。まあ自営業が自営業になるだけなんで。」

で、結局買ったんですね。

店長「そうですね。ローン払いでいいよって言ってくれたんで。
そんなわけで、完全に0から始めたんじゃなくて、お店もお客さんも全部揃ってる状態でカードショップを始めることになったんです。」

最高のスターターセットじゃないですか(笑)。お客さんいるのは面白い。

店長「椅子やボールペンまで全部ありましたからね(笑)。」

仕事中の小野寺店長

※8 テーロス
マジックのエキスパンション。2013年9月発売。
古代ギリシャ風の世界観が特徴のセット。
もう11年以上前のセットなのか…。

※9 パワーナイン
マジックの最初期に登場し、のちのカードデザインに大きな影響を与えた強力過ぎた9枚のカードの総称。《Black Lotus》が有名。クッソ高い。


4.他のカードゲームとの邂逅

そんなこんなで自分のカードショップを持つことになったわけですが、取り扱っていたのはマジックと遊戯王と言うことになるわけですね。
他のカードゲームも扱っていたんですか?

店長「カードショップGENKENをはじめる前から『アンジュヴィエルジュ』(※10)ってゲームをやってました。」

アンジュ・ヴィエルジュ

へぇ。お店を持つ前から遊んでたんですね。
何かきっかけがあったんですか?

店長「今はちょっと覚えてないんだけど、新発売のカードゲームをやりたいなって思ってて、ティーチングのイベントに行ってルールを覚えました。お店の常連さんの中でも始めたいって言ってくれた人がいたので、角川さん(角川書店)に連絡したら、パックを入荷できることになったんです。そのままチームGENKENとして対戦したり調整したりしてました。」

店長「その後に『ヴァンガード』とか『バトルスピリッツ』とかも扱ってましたね。バトルスピリッツはガチャガチャの機械を導入しましたよ。あれ楽でしたね。商品の補充はメーカーさん側でやってくれるので。」

ありましたねカードダス!今はもうカードダス形式の方は無いんでしたっけ?

店長「そうなんだよね。で、『アンジュ』がお店の中で広がっていった後に登場したのが『ドレッドノート』(※11)。」

ドレッドノート

出ましたねドレッドノート!みんなでやってましたね。

店長「発売当初は仕入れなかったんだけど、しばらくしてから常連さんの中でティーチングが出来る人がいて、お店でティーチングしてもらったんです。で、最初に一通り遊んだ後の感想が『訳わからん』だったのはよく覚えています。」

そうなんですよね。ドレノってターン構造がTCGの中ではかなり特殊だから。理解すると凄い楽しいんですけど、それまでが大変で。

店長「そうなんだけど、だんだん馴染んでくると、「このゲーム性は面白いぞ!」ってなってくるんですよね。
同じ会社でも、『アンジュ』は一度パワーカードを出すと、1月様子を見てから禁止カードを出したりする傾向があるんだけど、『ドレノ』は全然禁止カード出ないんだよね。」

それってすごい事ですよね。確かサービス終了まで2年くらいだったけど(実際は2年2か月)、その間に禁止カード1枚しか出なかったんだよね。後半はインフレもしたけど、なんだかんだ言ってバランスは悪くなかったですし。

唯一の禁止カード《ベルゼブブの魔風》

店長「サービス終了した後で、愛知県のコミュニティが唯一出た禁止カードについて議論したけど、解除しても問題ないレベルだったって結論が出たくらいバランスの良いゲーム環境だったね。」

インフレが加速してゲームがおかしくなって終了したゲームなんて沢山ありますからね。

店長「でもあまり人気なかったから、売ってるショップに行って売れ残った在庫全部買い漁ったりしましたね。取り扱いをやめるショップに声をかけて、遊戯王の在庫と交換してもらったってこともありました。
平日も大会開いたりしてましたし、1週間に4回イベント開催してた。」

みんな熱中してましたね。もう少しサービスが続いていれば、遠征に行こうって話もしてたんですけど、残念な結果になってしまいました。
あと他に遊んでたゲームと言うと…クロックワークメモリオン(※12)ですか。

クロックワークメモリオン

店長「お店のテナントが無くなっちゃって、新しくお店を移転した後に取り扱うことにしたTCGだね。うちのお店が世界で唯一の公認店でした。」

そうだったんですね。見た目からして手作り感満載だったのが味わい深くて好きでした。イラストは全部、作者が頑張って練習して描いてるんですよね。ブログでその辺の経緯を話してたのも好感持てました。
ところで、唯一の公認店になったとのことですが、それはどういう経緯だったんですか?

店長「クラウドファンディングが行われてて、一番高い金額だったのが、『公認店舗になる』ってものだったんですよね。確か私だけが購入したはずです。値段は3万円だったかなぁ。
最初のスターターとエキスパンション1つ出ただけで、そこからは音沙汰無しになっちゃったけどね。でもクラファンに参加したのは全然後悔してないです。ゲームのシステムは唯一無二で、とても良いゲーム体験でした。」

カードテキストを書き換えて全く違うカードをゲーム中に作れるのは斬新でしたね。全カード揃うコンプリートセットみたいな商品もあって、ボードゲームみたいな売り方でした。

店長「そうだね。公認大会もやったね。勝手に世界選手権(笑)」

実は私が初代世界王者ですからね。参加者3人だったけど(笑)。

店長「すごい頭使うし、駆け引きもあるいいゲームでした。個人でこれだけ作れるのは凄いよね。」

カードショップGENKEN店内

※10 アンジュ・ヴィエルジュ
2013年発売のTCG。発売はメディアファクトリー。開発は富士見書房。
アニメや小説も展開していたが、2017年にサービス終了。
現在はアンジュ・ユナイトという後継のゲームが発売されている。
アンジュ・ユナイト公式サイト https://ange-unite.com/

※11 ドレッドノート
2015年発売のTCG。発売はKADOKAWA。開発はSNK。
とある理由にて、アンジュと同じく2017年の同じ日にサービス終了。
公式サイトは現在閲覧不可。

※12 クロックワークメモリオン
2014年にダウンロードしてプリントアウトして遊べるカードゲームとして誕生し、2019年にクラウドファンディングにてTCGとして発売された。
2020年にサービス休止。その後2023年からプリントアウトカードゲームとして再出発したとのこと。
現在の公式サイト https://www.cw-memolion.com/


5.そしてFaBへ…

さて、そんなこんなでいろいろとTCGを遊びつつ、カードショップの経営も頑張ってこられた訳ですが、そろそろFlesh and Bloodのお話に行きたいと思います。そもそもこのTCGと出会ったきっかけは何ですか?

店長「Uprising(※13)発売後くらいですかね。ネットでFlesh and Bloodを知って、その後でYouTubeで紹介されてたのを見たときに調べたら、なんかこれ面白そうだぞって思ったんですよ。その後海外から構築済みデッキ(ブリッツデッキ)を10個くらい仕入れて、お店の常連さんと3人で始めたんです。」

Uprising

その時はまだ北海道では取り扱ってるお店は無かったんですね。

店長「その後でアメニティードリームで取り扱いを始めたんですよね。Outsiders(※14)発売してから1月後くらいからアーモリーイベント(※15)も始まって、北海道のFaBコミュニティが現れはじめました。
当時はまだ国内の通販でもシングルカードを入手するのが難しくて、ひたすらHistory Pack 1(※16)を剥きまくってた記憶があります。あとは海外からボックスを入れるくらいしか。」

History Pack 1

北海道のFaBの歴史は2年くらいしか無かったんですね。

店長「FaBの専門店となった今のお店になってからだと、まだ1年過ぎたくらいです。ようやくプレイヤーも増えてきて、お店の移転も考えないとならない時期になりました。」

プレイスペースだけだと8人くらいが限度ですからね。カウンターも使えばギリギリ16人が限度ってところですか。

店長「最近は毎日『北海道最大のFaB大会を楽しみに』ってリポストをしてます。3月のSkirmish Season 11(※17)は札幌駅周辺の広めの会場でやりますので、さらに盛り上げていきたいですね。」

今後の目標はありますか?

店長「春になって雪が溶けたころには、もっと広いところに移転したいですね。
後はプロクエスト(※18)。今年中にGENKEN主催でプロクエストを誘致したいです。」

北海道にもレベル1ジャッジが誕生しましたからね。

店長「Skirmishでは彼にヘッドジャッジをやってもらう予定です。経験を積んでもらって、プロクエストを北海道で開催したいですね。北海道外からの遠征プレイヤーも呼び寄せたいです。」

素晴らしい目標ですね。是非バトルハーデン花川まで頑張って欲しいです(笑)。

店長「専門店として頑張りたいです。北海道でFaBを取り扱ってくれるお店は増えてますが、知識のある店員がいるのはうちくらいですからね。そこが専門店としての強みですので。」

カードショップGENKENプレイスペース

※13 Uprising
Flesh and Bloodのエキスパンション。2022年6月発売。

※14 Outsiders
FaBのエキスパンション。2023年3月発売。

※15 アーモリーイベント
FaBのイベントの一種。カードショップで毎週開催されるイベント。カジュアルな側面が強く、プロモカードの配布もある。

※16 History Pack 1
2022年6月発売。過去の再録カードのみで構成されたセット。英語のみ。《征服の命令》《フェインダルの春のチュニック》などの強力カードの再録が目玉だが、種類が多く当てるのは大変。またカードの外枠が白なのも特徴。

※17 Skirmish
FaBのイベントの一種。勝てば限定プロモが貰える。運営から選ばれたショップしか開催できないため、これが開催できることはショップとして一つの目標でもある。

※18 プロクエスト
所謂プロツアー予選。開催するためにはレベル1以上のジャッジが必要。


6.旅はまだまだ続く

というわけで、とっっっっっっても長くなってしまいましたが、前編はここで終了。お疲れさまでした。

後編は、これまでのTCG人生で思い出に残るデッキについて語ってもらう予定ですので、ゆっくりと待っていただければ幸いです。
(少なくとも1つのデッキはFaBです)

それでは、また後編にてお会いしましょう!

後半に続く

このnoteは、ファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
©Wizards of the Coast LLC.

https://fabtcg.com/resources/terms-use-licensed-assets/
画像などは© Legend Story Studios の規約に基づき使用しています。


この記事を執筆するに際し、北海道石狩市のカードショップGENKEN様並びに常連さんのご協力を頂きました。
カードショップGENKENは北海道のFaB専門店です。随時初心者講習を行っており、ショップオリジナルのコモナー構築済みデッキも販売しています。
FaBを始めてみたいと思っている北海道民は、是非一度行ってみてはいかがでしょうか。

カードショップGENKEN
住所:北海道石狩市花川南1条3丁目213番地1階右側
営業時間:平日17~22時 土日祝13~22時
定休日:水曜日

また、今回のインタビュー記事にて使用した小野寺店長本人の画像ならびにカードショップGENKEN店内の画像は、小野寺店長本人の許可を得て撮影、掲載しています。肖像権は小野寺店長本人にあります。無断転載や無断利用はご遠慮ください。

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