2023/05/03 BRM503あおば1000 74h56完走。
(なんか知らんが走ってるあいだずっと脳内再生されてた。)
今年のGWはVCR横浜あおばの1000kmに参加することにした。
2023年はPBPのある年である。PBPに関してはあんまり気は進まなかったのだが、まわりにおだてられてなんとなく仮エントリー・航空券・ホテルの手配まで済ませてしまっている。(自転車でも航空券でも、自分の相場観とあまりにもかけ離れたものに手を出す気にならないのだ)
そうなると逆算で、このぐらいの時期に4桁の距離ブルベに参加しておきたい。スタートが近いあおばにお世話になることにした。
事前計画では…
このコース、ペットネームとしては「酷1000」と銘打たれている。
確かに初日に峠が数多くぶち込まれており、難易度が高そうだ。自分なんか油断しているとPC1が間に合わないかもしれない。のちに公開された正式版のキューシートによれば、途中のコントロールはすべて通過チェック扱いとのことで少し光明が見えてきたが、スタート時刻が9:00と遅めなため、仮眠する計画もなかなか立てづらい…。
9:00スタート、1000kmの制限時間は75時間ということでリミットはスタート4日目の12:00。コースを大きく4分割し、
1日目:稲城〜宮ヶ瀬〜足柄峠〜愛鷹〜富士見峠〜茅野(快活CLUB)
2日目:茅野〜杖突峠〜伊那〜飯田〜飯田大平峠〜下呂〜高山〜富山(ホテル)
3日目:富山〜親不知〜糸魚川〜直江津〜妙高高原〜長野〜上田〜軽井沢〜富岡(快活CLUB)
4日目:富岡〜秩父〜山伏峠〜青梅〜稲城
という心づもりで計画した。
大休止は中間地点(580km前後)の富山を基本線とし、それ以外はネットカフェとした。
宿もその時点で取れるいちばん安いところにしておいた。
まずエントリーしたのが4月3日と遅く、その時点で宿がまったく空いていない。唯一とった富山のホテルも23時チェックインは少々厳しい。そこで今回は事前にホテルへ荷物を送らないことにした。
宿入りに合わせるために無理押ししてもいいことはあまりない。
とにかく初日の所要時間の計算ができないので、宿はいざとなったら放棄するつもり。途中の時間制限がないのならば75時間の範囲内でゆっくりじっくり取り組めばよかろう。
宿に荷物を送ってしまうと、チェックイン期限に間に合わなかった場合ににっちもさっちも行かなくなってしまう。そこで今回はゆうパックスマホ割を使ってホテルの近くのコンビニに荷物を送ることとした。
つい先日発見したサービス。今回が初の利用になる。自分が発送した荷物をコンビニで受け取れるのは、他の宅配便サービスを通してもこれが唯一かと。メルカリで出品したものを自分で落札するとか、いろいろ過去にも考えていた(未遂)のだが公式に自分で受け取りをOKとしていてこれはありがたい。
スタート。そして初日がヤマだ
スタートへは自走で。
早めに到着したのだが、次々やってくる知り合いと会話するうちに気持ちはどんどん沈んでいった。ある程度の成算をもってはいたが、やはり序盤の登りに自信がなく、ジリ貧になって撤退を余儀なくされる未来がなんとなく見えていたからだ。まぁいい、やるしかない。
最初の難関は足柄峠、ということになるのだが、そこまでの神奈川県内のアップダウンが地味に堪えた。このコース、最初に見渡して思ったがコースの序盤と終盤の解像度が他と比べてやたらと高い。
全体のプロフィールマップで見ると見落としかねない細かいアップダウンが連続して仕込まれていて、疲弊した。自分なんかは東京に住んでいるので神奈川県内の道には多少通じている(2022年には籠坂200というコースを担当したりもした)けれども。
このペースで峠を全体にわたって押し込まれていれば「酷1000」というのも確かに…と思わせるところだが、実は足柄峠を越えて以降は比較的オーソドックスなコース設計で、それこそ1000kmブルベにふさわしいスケールの大きなロングライドを楽しませてくれたように思う。
今回そう思えたのは途中の制限時間を撤廃してくれたおかげでもあるが、そうでなくても各チェックポイント間に合わせろよと言われれば無理ではないかなと思った。あんま酷くない。1000km通して酷いコースなんて、なかなか作れないと思うよ、という意味では、好きなペットネームではなかった。
足柄峠。これは斜度がたしかに酷かった。時間はいくらでもかけていいやという態度で臨んでいたのでただただ耐えるだけだったが、この区間で5人ぐらいに抜かされたかな。ただしここでパンチを食らったおかげであとの登りがすべて易しく感じた。むしろよかったのかもしれない(笑)
足柄峠を下りて最初のファミマで小休止。
初日はちゃんとしたものを食べるのは諦めて、コンビニ補給で繋いで行くしかないなという覚悟。
ここから富士サファリパークへ向けて再度の登りとなるのだが、富士の裾野の丘陵地帯を登っていくので斜度としては大したことはなく、むしろ向かい風がかなりしんどかった。
ひとりでのったり進んでいると、さとしんさんトレインがやってきたので乗せてもらう。ちゃんと乗車したわけではないのだがトレインが視界に入っていることでペースが維持できてありがたかった。
ピークからは爽快ダウンヒル。コース全体を通して、下りを気持ちよく下れる部分がとても多く、その意味でもこのコースはあんまり酷くない。
桜峠を越える。ここを明るいうちに突破するのが目標だったので、なんとかギリギリクリアか。
なにもかもがほどよく気持ちよい峠で、景色も素晴らしく、この峠は好きな峠リスト入り。
足柄峠から先、ここまではほとんど知らない道だったので楽しく走ることができた。
そして夜戦へ
稲子駅がチェックポイント。ここからは興津600等で勝手知ったる道。
ここからは夜戦。見上げれば満月が出ていて心強い。
稲子駅の標高は160mほど。そこからは標高954mの富士見峠まで、富士川・釜無川沿いにずっとゆる登りとなる。
ひとりで走っていると、どうにもペースは上がらない。Twitterをチラ見して、知り合いはいまどのへんかなぁなどと気を紛らわせながら進む。さっきまで休憩していたセブンイレブン、とりさんが入れ違いで隣のラーメン屋に入ったみたいだ。暴走族のバイクの集団、確かに遠くに聞こえるな…などなど。
韮崎の円野郵便局で、R20に合流する。
その手前のセブンイレブンで小休止。
ここでやっと、この先の作戦を再考する。
時刻は22:45。計画からはおおむね1時間遅れ。少々遅延気味(とはいえ何度も言うように初日の計算がなかなか難しかったので、これは善戦という判断)。
茅野に快活CLUBを予約していたのだが、予定していた1時にはちょっと間に合わなさそうだ。2時過ぎぐらいだろうか。
2時。って、なかなか微妙な時間帯だ。
3時だったらしばらく我慢していれば朝が来てしまうからそのまま続行。1時だったらまだまだ夜は長いので仮眠もアリかな、という判断になるが、2時か。
まぁでも、今回は快活CLUBには寄らないことにした。いうほど眠気が来ていないのと、今年のGWは高温注意情報が出ているほど気温が高めのため、夜でも冷え込みが厳しくないのと昼間がかなりしんどそうなので、夜のうちに走れるだけ走っておいたほうがいいだろうとの判断。
逆に、深夜の杖突峠越えはまったく気が進まないのだが…(深夜の杖突峠はわくわく動物ランド。知り合いがここで鹿と衝撃している)
快活CLUBの位置が悪く、コースから片道3~4km離れることも寄る気にならなかった理由の1つだ。
予約自体は23時からしてあったので、このタイミングで電話してキャンセルを伝える。(30分経過で自動キャンセルにはなるが)
長野県イン。
自分がいちばん好きな駅である信濃境駅がある。青い鳥のロケ地。
(だから好き、というわけでもないけど)
長野県に入って、気温はぐっと低下。とはいえ8度とかそのあたりだったので、やはり今回はすごしやすい。
道の駅蔦木宿でレッグカバーなど装着。
半ズボン氏との邂逅。会いたかったよ、とりやろう!
富士見峠を越え、茅野市に入ったあたりで、やはり時刻は午前2時前後。ひとり走行を続けてきて、眠さもなかなか…というタイミングで後ろからとりさん登場!
「ようやく合流できたぜ、とりやろう」と叫んで喜んでいた、らしい(憶えていない)。
うれしかったことは間違いない。杖突峠に突入することに躊躇もあったのだが、絶好のタイミングで仲間とパックになれた。
杖突峠への登りはさほど斜度もきつくなく、夜景を見下ろしながら進める楽しい道。
しかしいつ来ても思うが結構標高差がある。ピークは1247m。
登りのペースは当然自分のほうが遅いのだが、とはいえブルベ中、そうそう遅れをとるというほどでもない。今回も10分差ぐらい? ピークの茶屋(もちろん営業していない。営業していればチーズパンが100円でむちゃうま)でダウンヒル装備を整えてもらっている間に到着。
夜を越えて最高の朝食へ。
飯田の手前では新宿へ向かう始バスを見送る。
飯田~新宿のバス路線はおそろしいほどの需要がある。このあと飯田駅で見送ったバスは早朝にもかかわらず2台体制。
飯田駅到着は7時頃。
ここはがっつり朝食をとりたい。駅前の朝食提供カフェなども覗いてみたのだが営業は8時半から。
カレーの大原屋(@curry_ooharaya) • Instagram写真と動画
調べたらコースから1km外れたぐらいのところに朝から営業のカレーを発見。これはいい判断だった。
朝からカレーかよとも思ったが胃に入れてみるとたいへん調子がよい。
ここで今後の作戦を協議。
ここまでお互いに不眠で来ているので、そろそろ大休止の算段もつけねばならない。
この先が今日のハイライトである飯田大平峠。見ると、その先の区間に立ち寄り湯がある。
大平峠とそのあとのアップダウンを越えた先なので、自分ととりさんとだと少々時間差ができてしまうと思われるが、その立ち寄り湯で再集合という形にすればお互いの時間を無駄にすることもなく、綺麗に共同できそうだ。
別にとりさんとずっと一蓮托生というつもりでは(お互いに)なかったのだが、うまくやっていく作戦が立案できた。飯田峠の登りで気持ちよくとりさんを見送る。
飯田峠、大平宿をはさんで木曽峠。とにかくすばらしい道だった…。
標高1358mということでどこまでも長かったのだが、斜度もそんな酷く感じず、時間帯もよくて新緑の中を気持ちよく登ることができた。
途中でバーミッツ(バーミッツ…!)をつけた女性がパスしていったが、そうかなとは思ったけどあれが墨Pさんだったのか。ちょっとした挨拶だけできた(例のプールでお話はしている)。
大平峠を下ると木曽路と合流。国道19号となる。
その手前、妻籠宿を通るのを楽しみにしていたのだが…いまは一刻も早く温泉に辿り着いて寝たい。断腸の思いで通過することに。
…そうもいかなかった。
一瞬だけ寄り道。ぜんぜん妻籠宿のコア部分ではなかったけど、雰囲気だけ。
中山道は過去に歩き通したことがあり、また京都フレッシュの帰りに自転車で京都から帰ってきたこともある。それ含めて4回目の妻籠宿。
熱射から逃げるように温泉へ。
岐阜県イン。巨大な岐阜県を今日のうちには南北に縦断するというからすごいなと思う。
大平峠から下ってきての日差しは強烈で、ガーミンの読みだが気温は35度。普通に30度近くはあったのではないだろうか。
ここから温泉までの区間、3つ小さな登りが連続していたのだがここが交通量も多く、日陰も少なくじりじり照らされて、かなりのしんどさだった。
予習の段階で地形をあまり把握できておらず、川沿いを登っているのにいったんガッツリ下ったりしてなんだか不毛な作業をやらされている感もあり、少々の殺意を覚えた。ここで無理押しせず大休止を計画できて大成功であった…。
命からがら「付知峡倉屋温泉 おんぽいの湯」に到着。とりさんと再会。
とりさんはちょうどひとっ風呂浴びてきた直後であった。
リスタートの時間を決め、大休止へ。
この時点で当然ながら富山の宿は諦めている。強がりではないが、当初から作戦のうち。
正直このコース、大平峠を越えた時点で勝敗は決している(Di2のバッテリーにトラブルでも抱えない限り)。あとは無理をせず、心と身体の健全を保つように消化していくだけ。って思ったら、富山までがんばる気はなくなった。おそらく、飯田駅でくだを巻くことなく、カレーも寄らずに頑張れば富山の宿の門限23時に間に合わせることはできなくもなかったであろう。
宿はリリースしてもキャンセル料100%なので人に譲った。
こんなやりとりをしてから「そうか3600円か…どんなひどい宿だったか」と調べ直してみたらほんとに酷くて笑った。GW1ヶ月前に検索してなお残っていた部屋だからな…ブルベ中の仮眠、しかもおっさんが泊まるんだからなんでもいいだろと思っての宿、そんな簡単に人に譲っていいクオリティであるはずもないw まぁいいやどうにでもなーれ。
下呂温泉へ。それにしてもこのあたりいいところね。今度ゆっくり再訪したい。
二度目の夜戦はあいつに助けられる
下呂温泉の通過チェックを過ぎてしばらくして、温泉で大休止中にパスされていたべいさんとも合流。
しかしなんと、べいさんはDi2にトラブルをかかえているという。
まだバッテリー切れには至っていないので変速をセーブしながら進むとのこと。幸いここから先は富山までほとんど登らないので、隊列を組んで進む。
本当は飛騨牛のお店に行きたかったのだが、温泉大休止をした時点でそれも叶わず。
ふつうの定食屋に入りたかったのだが見当たらなかったので激安系の焼き肉屋へ。焼肉はすぐ出てきて秒で食べられるのでブルベ中の補給にはいいのだが、ここはなかなかのすた○な太郎クオリティであった。半額のカルビでお腹を満たして30分強でリスタート。
べいさんとは高山でお別れ。このまま富山まで行っても宿は無いので。
こちらが本来行きたかった焼肉。
かをる - 飛騨細江
といいますか、ここがルート上なのを発見して、あおば1000へのエントリーがしたくなったのです。
ここに閉店ギリギリで飛び込めれば、富山の宿23時も間に合うかなと。
あのバス停も実在!『君の名は。』の名場面を完璧に再現してみた。(2)
高山から富山へかけてのR360沿線は、映画「君の名は。」の聖地となっている。自分は聖地巡礼に類する行為はあまり好きではないのだが、しかしこのあたりは、諏訪が舞台の映画で引っぱってくるのもうなずける素晴らしいロケーション。自転車で訪れるのは都合3回目だけど、今回は深夜になってしまった。
一昨年訪問したときのツイートを貼っておきますね。
この区間、下りっぱなし、しかも昼間も大して交通量無いのに大規模改良が進行中の超高規格道路。
昼間に走れば快走路だが、2人で調子よく下ってたらえらく疲れた。かといって自販機もまったくない道なので休憩するポイントもなく。やむなくなんでもないただの道に二人して座り込んでしまった。
このあたりでもう20時間以上苦楽をともにしているので疲労の出方が一致してくる。
「いやなんかつかれたよもう…」「わかる」そんな会話だけして、自分が持っていたビスケットを分け合い、ダウンヒルを再開した。
富山県に入ったあたりでとりさんの眠気がかなりマックス。そうか富山まではもたなかったか…
自分も少々眠くはあったので、ひとりで進行していたらもしかしたら危なかったかもしれない。他人の様子を見て判断が付くことも多い。
一昨年に訪れていたときの知識が役に立ち、そのすぐ先の道の駅までとりさんには頑張ってもらった。
ここで小一時間ほど休憩。自分はこういうところではほとんど寝れないのだけど、それでも15分ぐらいは寝落ちできたかな。
「ほう、いまどき珍しい、カップヌードルの自販機かぁ」「そういえばとりさん、うちら焼肉以来ろくに補給してなくね?」「それだ!」
今晩の救世主は道の駅細入のこのカップヌードルであった。世界でいちばんうまい。
試走スタッフだった未架さんも同じベンチで救われていたとのこと(笑)
富山には3時半頃に到着。まぁ冷静に考えてやっぱり間に合わせなくて正解だったな。
荷物はちゃんとファミリーマートに到着していた。事前調べ通り広大なイートインがあったのでそこで装備の入れ替えをさせてもらい返送。ゆうパックで受け取ったがファミマなので返送はクロネコ。
こういう可能性に備えてバッテリーも充電済みのものを入れてあったので、滞在できないことによるディスアドバンテージはなし。
とりさんにはその間寝ていていただいたが、なんだかんだで1時間弱はかかったな。
3日目も最高の朝食から。
それにしてもこの日はやはり異常な高温。夜明け前のこの時間で18.6℃。
半袖短パンになってリスタート。3日目の開始。
岩瀬浜駅には5時ちょうど。
(宿に入っている前提の計画だが)6時過ぎでいいと思っていたので、この先どこで力尽きるかは分からないけれども上々の3日目すべりだし。
魚津でなんか朝食ないかなぁと物色していたら、宿をさしあげたひるとん氏が登場。たっぷり寝られたようでたいへんご機嫌がよさそうだった。下調べを教えてもらったがやはり海鮮的な朝ご飯は望み薄とのこと。しばらく先へ進んでみることにする。
人に引かせておいて「こんなに遅いのに貯金作れるとか言ってる」とか生意気言われながらも新潟県境付近まで。お互い検索した結果、意見が一致してこの先のカフェで朝ご飯ということになった。
1/fゆらぎcafe - 下新川郡朝日町泊 - まいぷれ[黒部・入善・朝日]
20分少々待たせていただいて開店。「1/f ゆらぎ」というネーミングセンスにおじさん大変不安であったが、ふたをあけてみたら素晴らしいモーニングであった。サラダに添えられていたウドがたいへん爽やか。
富山、考えてみればR41で名古屋と繋がっているわけで。モーニング文化あるのね。
ほどなくして新潟県イン。
そして親不知へ。
自分は初体験だったが、この日は交互通行が実施されていたこと、GW中ということでトレーラーのような大型車がほとんどいなかったこと、などからほぼ恐怖感を感じずに通過できた。
糸魚川市に「糸魚川」という川はありません(市名のいわれ)
知識として知っていたが糸魚川に糸魚川という川はない。
調べてみても釈然としない説明しかなかった(笑)
【上越・糸魚川】久比岐自転車道ガイドマップを制作しました! - 新潟県ホームページ
国鉄北陸本線の跡地(新線はもっと山側をトンネルで抜けている)を利用して自転車道になっている。
イケメン新潟にあらわる。そしてまたひとり
次の通過チェックの直江津には12時半頃に到着。なんとAKIさんが応援にかけつけてくれていた!
4人で昼ご飯。
海鮮割烹食堂 樹八 (【旧店名】魚苑にんじん) - 直江津/居酒屋 | 食べログ
直江津でどこに寄るか、ぜんぜんピンときてなかったんだけれどもとにかく「軍ちゃん」が一番人気だからそこの近くに行ってみようと向かってみたら隣が、行きたかったけど昼食営業無しのはずだったお店だったというラッキー。
さてここから、直江津から妙高高原への登りが始まる。
とにかく一定のゆる登りで、R18なので交通量も多く、おそらく楽しくはない。
自分は3日目でなおかつ時間の縛りもほとんど無くなってきていたので、謎に身体が軽かったので調子よく登れた。途中で帰省していたこーへーくんにも応援してもらえた!
「とりさんとはぐれちゃったからコンビニに入ってもいいですか?」と丁寧にお願いしたにもかかわらずとりさんを見つけられないままひるとん氏は去っていった。(とりさんは近くの公衆トイレにいた)
「水は余りませんか」と訊いても「余りません」と返ってきたので買い足したが、その直後に「あぁそのぐらいだったら余ったわ」と言われて凹んだ。
長野市街には18時過ぎ通過。峠から見下ろす長野は思いの外大都会であった。
このダウンヒルが多少斜度があるので、明るいうちに通過できればいいなと思っていたのが叶い満足。
そば忠 本店 - 長野(JR・しなの)/そば | 食べログ
長野でそば補給。そんなむちゃくちゃおいしいお蕎麦というわけでもなかったけどしみじみよかった。
アスパラの天ぷらはじつによかった。
3日目になって、気づけば口内炎ができていた。
ブルベを走るたびに口内炎ができていたことを相談し、それはビタミンの不足だからゴールではかならずビタミン剤を飲むといいよとアドバイスをいただいてそれ以来実践しているのだが、そうか3日目ともなると道中でも補給せんといかんかったか。
ソースカツ丼がめちゃくちゃ舌に痛かった。
別れは突然やってくる
通過チェック、長野市川中島。
ここは(ここも含めてすべて)通過チェック扱いとなっているので時間はどうでもいいのだが、1000kmルールに従えばここの制限時間は16:26近辺になる。実際の通過は20:20。
このあたりからゴールの75時間のことは少々意識しつつの走行となる。(といいつつ、実際にはほとんど気にしてなかったな…)
川中島から千曲川(長野県内は千曲川、新潟県内は信濃川。日本一長い川)沿いを進むのだがそこでまたこーへーくんの応援が。どうもありがとう!
ここからまた700mほどの登りとなるのだが、かなりのゆる登りで負担となるほどではない。
ただこの日はほんとに気温が高くて、もう21時にもなろうというのに23度。空気がまとわりつくような不快感で自分はけっこうやられた。
上田からは浅間サンラインへ。みんな軽井沢方向の浅間サンラインは大キライだと言うが、自分はそこまででもなかったかな…とはいえこの日ほぼ睡眠もとっておらず、疲労感はあったのでろくすっぽペースは上がってなかったと思われる。
一回指摘したときには本人は意外だったようだが、とりさんの足取りも少々重い。
途中の休憩ポイントを道の駅 雷電くるみの里に決めていたのだが、その割と直前でとりさんが落車。
自分が前を走っていたので状況はよくわからず。
そのときはわりとすぐ立ち上がって走り出したので余り気にせずリスタートしたのだが、道の駅で待っていてもなかなか登場しない。
DMによればGSでプライヤー借りてディスクブレーキの修復などしていたとのこと。
道の駅で再会したが、ここから先も騙し騙しの走行になるとのことだったので、しばらく別行動ということになった。
自分はトータル1時間ほど横になり、かなり遅れてのリスタート。
碓氷峠を下りたら今度はめっちゃ寒い。まぁ半袖短パンで下ってきたからだが…。
寒さを経験したら明け方にかけては眠くて大変だった。
さて、ルートは埼玉県に近づき、冒頭の概念図(?)で示した「酷いエリア」に再突入である。
そしたらなぜかRDの変速がおかしくなり、スプロケとホイールの間にチェーンが落ちるようになってしまった…。とくに落車や駐車時にもぶつけたりはしていないのだが…。
しかたがないので下2枚ほどを封印して先を急ぐことにする。
この手を見てください。働き者のきれいな手だよ
こんな無茶振りにもちゃんと返してくれる人のいるあたたかさよ。
このトラブルで変速調整をしているときにとりさんと再会。
通過チェックへ。
この時点で借金1時間ほど。まぁぜんぜん余裕でしょう。
最後の最後は山伏峠なのだが、この間にも間違えてシフター操作してしまい、2回ほどチェーン落ちさせてしまった…。このレーゼロ、まだ下ろしたばっかだったのにorz.
山伏峠自体は当社比でむちゃくちゃシャキシャキと登れたのだが、その手前の正丸トンネルまでは大キライ。
交通量がすごくて緊張感を強いられる上に、通過時間帯がよくなくて日差しが正面から強くて暑くて眠くなって最悪な気分になる。
「勘弁してー助けてください〜」と泣き言を叫びながら登ってたりしたが、それを沿線の人に聞かれて実際に救助されそうになる夢をみた。()
山伏峠を越えてしまえばあとはもう…消化試合、なのだが、自分にとってはここからが結構大変だった。定峰200の逆走ということで、すべての峠がキツい方向になっている。
山王峠はもう面倒になって全部押した。あとは残り時間と残り距離を考えて寄せていくだけ。詰め将棋だ。
ゴールは11:56。74時間56分での完走となった。
聞けば自分のゴールしたギリギリ帯がボリュームゾーンだったとのこと。
まぁ3日目の寝る場所が判断難しく、9時スタートだとそうなるかなぁという気はする。
まとめ
以上、さっくりまとめるつもりが長くなってしまった。
今回は、計画と結果を比べれば落第点なのかもしれない。計画した3泊いずれも泊まることは叶わず、3日目に至っては睡眠1時間弱である。
しかしながら個人的評価としては、今回はそもそも計画に自信を持っておらず、計画から逸れてしまった場合でも総崩れしないように柔軟な計画を持って臨んでいた。荷物を宿に送らなかったなど、ファインプレーがいくつかあり悪くない。
たしかに危うさはあったかもしれない。今回とりさんと前後できなかったら単独では難しかったかもなぁという場面も結構あった。それでもなんとかなったし、この睡眠時間でも走っている間はとてもとても楽しかった。眠いタイミングは訪れたが、その時間はごくごく僅かであった。
とてもヘルシーな完走とは言えないが、こんなやりくりもランドヌールっぽくてよかったのではないか。かつてあこがれたランドヌールたちに近い走り方ができて、けっこう満足度は高い。
PBPでも、こんな感じの顛末になることは十二分にありえるわけで、少なくともこの形で完走を勝ち取れたことは大きな経験となったと思う。
そしてなにより旅を楽しめた。自分の旅という紙芝居に次々と登場人物が登場してくる感じ。700kmぐらい一緒になったとりさんとも事前に打ち合わせなどしていないし、とりさんとは、そもそも長くいっしょに走ること自体が初めてである。
こうやって緩い作戦を持ちつつ、やりくりしつつ「旅」を楽しむ。今回はその充実感がすごくあるんだな。ほんとうに楽しい4日間でした。
真夜中の川中島の画像が上がってきたりして、スタッフの皆さんにはご心配をおかけしたかもしれません(笑)楽しいBRMをどうもありがとうございました。