【映画】『酔拳2』感想 8万回は見た伝説のラストバトルをもう一度
酔っ払いが国宝を守るため奮闘する至高のカンフーアクション
【採点】
ストーリー 20点
エンディングテーマ 100点
ラストバトル 800,000,000,000点
ビデオテープの本体が削れるくらいにラストバトルだけを繰り返し繰り返し見たジャッキーアクションの傑作、
『酔拳2』を大人になってもう一度見直しました。
・心がワクワクするカンフーアクションが見たい
・ジャッキー映画をどれから見るか迷っている
・シンプルで爽快なアクションが見たい
こんな人に『酔拳2』はオススメです。
まず前提として前作とのつながりはほぼゼロ。
この作品から見ても難なく入れるので2からでも。
ストーリーのガバさを差し引いてもジャッキー映画TOP3に入るくらいにアクションが洗練されています。
あくまでWikipedia情報なんでうのみにはしてないけど、途中でラウ・カーリョン(最初に戦う強じじぃ)監督が降板して、ジャッキーが大半の映像を監督したらしいですね。
理由は前監督のアクションの振り付けがあまりにも古風であったこと。
「これじゃ今のジャッキーファンは満足せんやろ」と危惧したために、監督を降板させ、ジャッキーがアクションをいくつか取り直したそうだ。
余裕で大正解だったね。
ジジィはいつの時代も若者にうっとうしがられるという典型的なぶつかりあいです。
ストーリーは「悪い中国人が英国人とタッグ組んで中国の国宝を売りとばそうとしているので、それをジャッキーが阻止する」という流れのおはなし。
ツッコミどころは多いけど、その分中だるみする場面も少ない。国宝が奪われた!と判明した次のシーンですでに英国領事館に忍びこんでいるジャッキー。バラエティロケの「ジャンプしたら目的地」くらいの飛びぐあいに草生える。
そもそも酔拳2のウォン・フェイ・フォン(ジャッキー)は、強面威厳ハゲの父親に「酔拳を使うこと」を固く禁じられている。
るろうに剣心の「逆刃刀」みたいに、「ただでさえ強いやつが力をセーブしている」描写はなんかワクワクするよね。
もちろん酒を飲んで酔拳を使うんだけど、ただでさえキレのあるジャッキーの動きがさらに加速するという演出の良さに気付く。
ポパイがほうれん草を食べるがごとく、マリオがスターを取るがごとく、酒をのんだジャッキーはまさに無敵。
私が好きな3つのアクションシーン
まずは初めてジャッキーが酒を飲むことになる広場での立ち回りシーン。
ジャッキーの代名詞である長イスくんも登場。
敵を翻弄しながら無双するジャッキーがカッコよすぎる。
何気に、このアクションシーンがラストバトルの振り付けの伏線になっているところが良いんだよね!
次に飲食店に大量のブラック手斧隊がカチコミをかけてくるシーン。
師匠キャラと連携をとりながら、大量のザコをぶちのめしていく爽快感がたまらない。
ブルース・リーにヌンチャク、ジャッキーに長椅子。
ジャッキーが長椅子の二刀流で敵をしばき回る効果音の気持ちよさ。うまい人の太鼓の達人をみているようなリズム感に酩酊しそうになる。
あちこちで「だれか死んだやろ」みたいな落ち方する奴が多くて「おもしろいより心配が勝つ(出典:千鳥ノブ氏)」のが「これぞ香港アクションムービー」って感じで良き。
奥様ウットリのぶっとい竹の、さきっちょが花のように開いた凶器を「無双乱舞」とばかりに振りまわし、敵を血祭りにあげていく。このシーンはジャッキー映画にしては割と暴力的な描写が続く。地味にリアルで痛そう。
余談だけど、なぜかこの「飲食店で手斧隊」がPS2のマトリックスのゲームにまんまでてくるんよな。
カンフーハッスルでも手斧隊出てくるし。酔拳2が元ネタって認識で良いんよな?たしかになんかロマンのあるシーンだよね。全員ドスだと画が強すぎる気がするし、手斧というちょうどよさは天才的な塩梅だと思う。
そして最後はもちろんラストバトル。
工場が悪党の巣窟になっていることを突きとめて単身乗りこんでいくジャッキーのボリューミーなラストバトル。
工業用のアルコールを誤飲した結果、無敵になってしまったジャッキーが力を制御しきれていないのを見て、ラスボスと観客が一緒になって「こいつヤバイ」となる感じ。
途中でジャッキがエビぞりになって敵ののど元に手をやった後に、前方宙返りするシーンがあるじゃないですか。
あれが本当に大好きでマジでそのシーンだけでも3桁以上は見てるんですよ。
当時私も体操を習いたてだったので、それを真似して何度ソファに向かって宙返りしたか。
多分ワイヤー使ってるんだろうけど、あのシーンはホント好きだなぁ。ああいう「なぜ回った」みたいなアクション映画特有の意味のないアクロバット最高。
ジョン(ラスボス)の足技もいい。
なぜあんなにあのラスボスが印象的かというと、やっぱり身長が高くてスタイルが良いから。
ポリスストーリー2のアパアパ君は身長が低いからインパクトはあれど見栄えはあまりしないもんね。
まさか大人になって観返した『酔拳2』で改めて自分の低身長で落ち込む羽目になるとは思わなんだ。
国宝は工場にある!→向上に悪党が居る!→悪党倒した!
で終わるストーリーのガバ具合。国宝の行方はどないやねん。
まぁストーリーなんて割かしどうでもいいのでぶつ切りエンドでも「香港映画だなぁ」って感じで特に問題ないけどね。
というわけで『酔拳2』は老若男女すべてにオススメします。というか観て。
今週のひとこと
「ジャッキーは飲むと強いからカッコいいのであり、酒飲んで強くなった気になるだけなのは普通にカッコ悪い」
読んでいただき、本当にうれしいです。 サポートしていただけた分は、新たなエンターテイメントを紹介していくための費用としてフル活用させていただきます。