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Nomadic Labs、フランスのPwCと提携し、Tezosブロックチェーンの環境フットプリントを分析
プライスウォーターハウスクーパースSAS(PwC)が、Tezos Foundationのフランス子会社であるNomadic Labsと提携して作成した報告書では、Tezosブロックチェーンのユーザーやベーカーが、ブロックチェーンのエネルギー効率や、大規模な利用に対する影響について重要な洞察を得ています。
報告書の調査結果が正確であることを確認するために、Nomadic Labsはエコデザインとカーボンフットプリント分析に豊富な経験を持つLCA専門家のHélène Lelièvre(Enviroconseil)を雇い、批判的評価を実施しました。この評価は2021年6月から9月、そして10月から11月にかけての2回に分けて行われました。
LCA報告書の方法論
ISO 14040およびISO 14044の両規格の各事項に従って作成された本報告書は、IT機器のプロダクト環境フットプリント・カテゴリーのルールに基づく環境フローに従い、影響およびエネルギー指標を分析しています。その正確性を見極める為に外部審査員のLelièvre社がISO 1404とISO/TS 14071に基づくサンプルテストを使用しました。
報告書によると、研究者はネットワークの環境影響を調査するため、1つのノードをベーカーとして稼働させた後にブロックチェーン上で取引を行い、スマートコントラクト用のガスユニットを1つ消費しました。
Nomadic Labs社は、欧州委員会の共同研究センターが開発したプロダクト・環境フットプリント(PEF)手法を用いて、各潜在的影響の寄与の大きさを比較し、基準単位に対する正規化係数を提供しました。
また、温室効果の影響を図るために、環境フローやライフサイクルインパクト、エネルギー指標と並行して元素分析を行い、資源の消費や空気・水・土地への汚染物質の排出を評価しました。
結果
分析は2021年3月中旬から4月末にかけてベーカーのパネルから収集したデータ、Tezosのエクスプローラー、文献、および公認のLCAデータベースに基づいています。
グラフ1:トランザクション数
グラフ2:ガス消費量
表:結果概要
主な調査結果
上のグラフ1とグラフ2に見られるように、2021年にはトランザクション数が急激に増加しました。ガスの消費量もTezosブロックチェーンがGranadaプロトコルを導入した2021年8月まで増加しました。GranadaプロトコルはTezosブロックチェーンの7回目のプロトコルアップグレードで、いくつかのバグを修正し、ガスの削減、ブロックの高速化、TezosとTezos Bitcoinの間の分散型のリクイディティベーキングなどの細かい改善を実施することを約束しました。
予想通り(そして今回検証された通り)、Granadaプロトコルの発表では、ステークの証明に必要な保有数が減少しました。
報告書では、保有数と新しいブロックを作成するに必要なエネルギー消費量の関係が示されています。保有数が少なければ少ないほど、新しいブロックを作成するのに必要なエネルギー消費量が少なくなることも説明されています。
上の表の結果は、ベーカーのノードのみを考慮したものであり、元の報告書に詳細に記載されているデータ、仮説、制限と合わせて考慮する必要があります。例えば、2021年にベーカーとして1つのノードを1年間稼働させると、約161kg CO2 eq.、ブロックチェーン上で1つのトランザクションを行うと2.46g CO2 eq.、スマートコントラクトで1つのガスユニットを消費すると2.44E-4g CO2 eq.になります。
結論
今回の報告書では、Tezosブロックチェーンのユーザーにとって、ネットワークのリキッド・プルーフ・オブ・ステーク構造が最もエネルギー効率の高いブロックチェーン候補の一つであることが証明されました。そのエネルギー効率の良さは、地球に優しいだけでなく、ベーカー、アーティスト、ゲーマーなど、ブロックチェーンを使ってNFTを鋳造したり、DeFiのような用途でスマートコントラクトを作成したりするユーザーにも適しています。2021年8月のガス消費量の低下が示すように、環境を救うためにプルーフオブステークに必要な保有量を削減する必要があるかもしれません。
この記事は、Tezosブロックチェーンのエネルギー効率を示す報告書の概要に過ぎませんが、詳細に関しては、報告書をご覧ください。
報告書はこちらからダウンロードすることができます。