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知らないと損する!会計における「現金」の正しい定義と試験における注意点

日常生活で「現金」と言えば、財布に入っているお札や小銭を思い浮かべますよね。しかし、会計の世界で「現金」という言葉を使うとき、その意味は少し違ってきます。実は、会計基準における「現金」は、ただの紙幣や硬貨以上のものを含んでいるんです。

この記事では、試験や実務で押さえておくべき「現金」の正しい定義と、知っておくべきポイントをわかりやすく解説していきます。「現金ってそんなに難しいの?」と感じる方もいるかもしれませんが、実は意外と見落としがちなポイントがあるので、ぜひチェックしてみてください。

現金の本当の意味とは?会計基準における定義を解説!

私たちは日常で「現金」と言うと、手元にあるお金、つまり日本円のお札や硬貨を思い浮かべますよね。でも、会計の世界で「現金」と言うと、それだけではなく、もう少し広い意味で使われています。

例えば、外国のお金、つまりドルやユーロといった外国通貨も「現金」として扱われます。そして、それだけではなく、「通貨代用証券」と呼ばれるものも「現金」として扱われるんです。

簡単に言えば、「現金」には、日本円のお金だけでなく、外国のお金やすぐにお金に換えられる証書も含まれているんです。会計の世界では、この広い意味での「現金」をしっかり理解しておくことが大事なんですね。

現金の具体例:通貨と通貨代用証券って?

通貨

「通貨」とは、日本円のお札や硬貨だけでなく、外国の通貨も含まれます。たとえば、ドルやユーロといった外国通貨も「通貨」として扱われ、会社の帳簿上では「現金」として記録されます。

また、銀行口座に預けている日本円や外国通貨も、いつでも引き出して使えるため、会計上では「通貨」に含まれます。つまり、会計における「通貨」とは、すぐに使えるお金全般を指しているのです。

通貨代用証券

会計上、現金には「通貨」だけでなく、すぐにお金に換えられるもの、つまり「通貨代用証券」も含まれます。これらは実際のお金ではないものの、現金の代わりとして会計処理されるものです。以下では、代表的な通貨代用証券と、それに関連する重要なポイントを解説します。

通貨代用証券には、以下のようなものが含まれます

他社振出の当座小切手: 他の会社が発行した小切手で、これは受け取った時点で「現金」として扱われます。

郵便為替証書: 郵便局で発行される為替証書で、現金と同じように利用可能です。

振替貯金払出証書: 振替口座からの払出しを示す証書で、すぐに現金化できるもの。

期限到来後の公社債利札: 公社債の利子を受け取るための利札ですが、利息の支払期限が到来した後に現金として扱われます。支払期限前のものは「現金」として扱われないので、注意が必要です。

株主配当金領収書: 株主が配当金を受け取るための領収書で、こちらも現金代わりに扱われます。

押さえておきたいポイント

1. 自社振出の当座小切手と他社振出の当座小切手の違い
他の会社が発行した小切手(他社振出の当座小切手)は、受け取った時点で「現金」として会計処理されます。しかし、自社が発行した小切手が戻ってきた場合は「現金」ではなく、「当座預金」の増加として処理される点が大きな違いです。この違いをしっかり押さえておくことが重要です。

2. 期限到来後の公社債利札に注意
公社債の利札は、期限が到来していることが条件です。期限が到来していない利札は、まだ現金として扱われません。これは間違いやすいポイントなので注意が必要です。

試験対策必須!現金に関する出題ポイントとは?

公認会計士試験では、現金に関する問題が出題されます。現金の定義や扱いを正確に理解しておくことが、試験の合否を分ける重要なポイントとなります。ここでは、過去問でよく出される「現金」に関する出題パターンを紹介し、それぞれの対策方法を解説します。

1. B/Sに計上される現金の識別

資料の中から、貸借対照表(B/S)に計上される「現金」を選び分ける問題は、典型的な出題形式です。この問題では、提供された様々な取引データの中から、現金として扱うべき項目とそうでない項目を的確に判断する力が求められます。

•ポイント: 上記で記した通貨や通貨代用証券の具体例を正確に判断し、現金として集計することが重要です。試験では、現金として扱わないものも混在していることが多いため、注意深く選別するスキルが求められます。


2. 外貨換算に関する問題

外貨を含む現金について、為替相場の違いによる計算問題もよく出題されます。特に、取得時の為替相場を使うべきか、期末日の為替相場を使うべきかを問われる問題が多いです。

•ポイント: 外貨建ての現金や預金を日本円に換算する際、どの時点の為替相場を使うかが問われます。通常、貨幣項目か非貨幣項目かで取得時の相場を使うべきか、期末の相場を使うべきか変わってくるのでそれぞれのケースに応じた処理ができるようにしておきましょう。ちなみに現金の場合CR換算(決済日の為替相場)を使用します。


3. 現金及び預金の合計金額の確認

試験では、現金と当座預金を合わせた「現金及び預金」の金額を問う問題もよく出題されます。これは、現金や預金に関する資料を基に、正確に合計金額を算出する能力を試されるものです。

•ポイント: 現金と当座預金の違いを理解し、合計して算出する作業が求められます。この時、小切手が自社のものであるか、他社振出のものかなどの判断も求められることがあります。

4. 現金過不足の修正確認

現金過不足に関する問題では、誤った処理を修正する問題が出題されます。これは、現金として処理してはいけない項目を誤って処理してしまった場合の修正が問われることが多いです。

•ポイント: 現金勘定における過不足を確認し、必要に応じて修正する力が求められます。特に、誤って現金処理された項目や、逆に見落とされていた項目を正しく処理し直す必要があります。

このように、試験で問われる現金に関する問題は、定義の理解だけでなく、実際の資料を使って正確に処理できるかどうかが重要です。これらのポイントを押さえておくことで、現金に関する問題をしっかり解けるようになります。

まとめ:現金の定義を理解してミスを防ぐ!

この記事では、会計基準における「現金」の定義とその注意点について解説してきました。現金とは、日本円や外国通貨だけでなく、通貨代用証券も含まれる広い概念です。通貨代用証券には他社振出の当座小切手や郵便為替証書などがあり、これらを正しく認識することが会計処理において重要です。

また、試験では、現金の正しい識別や外貨換算の処理、現金及び預金の合計額を問う問題がよく出題されます。特に、現金として処理してはいけないものを見分け、正しい処理をする力が求められます。

現金の定義を正確に理解しておくことは、試験だけでなく、実務においても大きなメリットがあります。試験では誤った認識でミスを防ぐことができ、実務では迅速かつ正確な会計処理を行うことが可能になります。現金の定義をしっかり覚えておくことで、あらゆる場面での対応力が向上し、信頼性の高い会計処理を実現できるのです。

現金の扱いは基礎的ですが、実務でも試験でも重要な要素です。しっかりと押さえておきましょう!

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