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若手の我慢起用、最強の個 川崎0-1神戸

「ミスも多いし実力不足を露呈するけど、若手育成という観点から悪い部分には目をつぶってトップの試合に起用し続けよう」

この思考、どう思います?
自分は、かつては理解できた立場、しかし
今は、マジでありえないしプロとして絶対にやってはいけないマネジメントという立場です。

自分の中で一番古い記憶で言うと、2003年の鹿島において秋田豊が33歳の時に戦力外通告、若返りのために金古聖司が背番号3を引き継いだ時。
あの時、ライターの平野氏がサッカーダイジェストで「そこに競争原理はあるのか?」というタイトルで、実力でCBのスタメンを奪ったのではなく年齢ありきでスタメンを入れ替えようとした鹿島フロントを痛烈に批判していたのを思い出す(結果的に、翌年は金古から新卒の岩政が実力でポジションを掴み取った)。

最近の記憶で言うと、2021年のFC東京の波多野豪
何が起きていたかは以下参照。

(ちなみに、森下申一監督からは「足りないことがたくさんあるのは承知で波多野をプレーさせていたこともある」との証言がマスコミに出る始末)

そして今日の試合。
前節、川崎はガンバとド派手なド突き合いの末、3-4で敗戦。
18歳・高井幸大の致命的なミスがアラーノの得点を生んだシーンもあり、自分は今日、川崎・鬼木監督がどういうスタメン組むのかを注視してたし、結果的さすがだなと思った。
ここで前述の通り「ミスも多いし実力不足を露呈するけど、若手育成という観点から悪い部分には目をつぶってトップの試合に起用し続けよう」みたいな発想で今節も高井をスタメンになってたら終わりだなと思ったし、ここでちゃんと高井をスタメン外して、33歳山村和也さんスタメンにした鬼木さんはプロとして当然の選択したなと感じた。

まぁそんなこと考えながら試合見てたら、パトリッキを倒してCB大南が一発退場、橘田下げて代わりのCBとして高井幸大が投入されるというスクランブルだったわけですが…。なんという巡り合わせ…。
そして、山村と高井、両CBを比較しながらじっくり観戦したけど、

高井の方が良かったわ。

(山村、致命的な失点には繋がらなかったけど危ない場面多々あった。高井はボール奪った後に自分で攻めあがって持ち上がり局面打開しようとチャレンジした姿が好印象)


タイトルの話に戻ります。

現時点でトップスコアラーの大迫勇也、そしてアシストもガンガン決めてる武藤嘉紀。二人のドイツ逆輸入選手、ならびに山口蛍や酒井高徳、齊藤未月、ベンチにいた川﨑修平まで含めれば欧州逆輸入選手が6人もいる神戸。
パトリッキだって移籍金1.5億円でセレッソから引き抜いたアタッカーで。
彼らが活躍して1-0の勝利で。

吉田孝行監督を名監督とか稀代の戦術家とは全く思わないけど、強烈な個をしっかりチームとして活かしていることは確か。
だって2013年の鹿島は「戦術大迫」で挑み、大迫自身キャリアハイのリーグ19得点成し遂げたけど鹿島は5位だからね。
あの時より大迫自身の凄みは増しているけど、それでも首位にいるのは立派。
この強烈な個とマッチアップするのが、CB編成に四苦八苦している川崎というのがこれはどうしても無理だなと。これは戦術云々では乗り越えられない強烈な個というのを見せつけられた感じ。

FKも意外だった。

吉田孝行監督
「おそらく初めて蹴ったFKだったと思う」
「今季、練習後に残ってFKをしていて、たまに一緒に蹴ったりして、練習しているシーンを見ていた」
「ロッカールームでもみんなに『向上心があって練習を続ければ何歳になってもうまくなるんだ』と伝えた。素晴らしい」

https://web.gekisaka.jp/news/jleague/detail/?389966-389966-fl

ポストプレーもできるし、ボールめっちゃ収めるし、ゴールも奪えるけどFKまで決められるの?逆に大迫は何ができないの?と言いたくなるような完全無欠超人ぶりだった。
武藤嘉紀も齊藤未月もこの日凄かったし、強烈な個で違いを生み出せるのは対策立てにくいし、最後までマリノスと優勝争いだろうな。

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