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建築士試験の勉強
一級建築士の試験勉強は、思っていた数倍大変だ。覚える内容が多種多様で、かつそれぞれで数値も異なるし、計算問題だとか建築家の作品も覚えていなければならない。
そんなとき、大学受験のように「内容理解」をした上で「問題演習」なんてしていたら時間的に間に合う訳がない。
だから僕は、自分なりの勉強法を編み出した。
1.ツッコミ入れる
僕は、問題をそのまま教材にすることにしている。設問は4つで、1つの誤答を選択する形式ならば、問題を読みながら残りの正答3つを理解していくのである。
誤答に気が付いたら、「んな訳あるか!」とか「なんでやねん!」とかツッコミを入れるのである。これがまた面白い。
2.解説を読まない
そうやってツッコミを入れたら、誤答の解説だけを読むのだ。そして、その誤答の原因を理解したら、他の正答の解説は読まない。これが大切である。
勉強で時間を1番多く消費するのは、この解説を読んでいる時間であることには誰もが気が付いているだろう。読んで理解しようとするが、大抵の場合は難しいことをツラツラ書き連ねているだけで、すぐには理解できない。なんなら、理屈なんて抜きにして覚えてしまえばいい。特に設問は解説の内容をギュっと凝縮してあるから、より分かりやすい。
たとえ完璧主義者であっても時間はみんなに平等だ。一級建築士の勉強は建築の専門家になるための試験ではない。受かれば良いのである。時間の無駄を作らない習慣こそが大切である。
3.イメージする
そして、その内容の覚え方はちょっとずつイメージを膨らませた方が良い。
例えば構造では「靱性」と「脆性」のイメージだけあれば大枠は理解出来る。構造体に塑性変形をさせるか否かで、その手段として構造特性うんぬんが規定されているからだ。
他にも環境であれば、多孔質の吸音板の壁間隔を広げていくと音の往復が長くなりそうだな、周波数が低くなりそうだな…なんて考える。
そういう、ベースとなる考え方を理解していくのである。幸いにも僕は先輩からテキスト頂いているが、テキストなんてほとんど見ていない。問題を教材にして、そういうベースの考え方を身に付けたからだ。
そのベースを、問題演習を重ねて身に付けた上で、細かい部分をテキストやGoogle検索で補うのである。それが最速の勉強法である。
4.勉強の目的
最後に、そもそもなんのために勉強しているのかを理解すべきである。それは会社から言われているから、人によっては就活に有利になるからだとかあるだろうが、そんな上辺だけの話ではない。一級建築士試験に合格しなければ、自分で設計者を名乗れないからである。社会的な信用も価値もゼロだ。
そう、全ては自分のためである。モチベーションを保つために、この目的地を改めて見定める必要があろう。
法規と構造だけ30問もあるのはなぜか?…それは、その2つが設計者として最も大切だからであろう。だから、目の前の試験のその先にある、自己実現のために「今」を投資することで未来の自分の可能性を拡げているのである。
試験の点数を稼ぐこと以上に、人生の経験を稼ぐということ。そのために、今ここにいる自分がやらねばならないことは明確なのであり、それは10年後の自分に捧げるプレゼントなのである。10年前の自分が建築家になるという夢を抱いてくれたのと同じように。