[設定集&有料あとがき]ドルヴァン&エルレリーフ魔道具工房 1.耐毒ペンダント

 当記事はドルヴァン&エルレリーフ魔道具工房(以下、「本シリーズ」といいます。)の、1.耐毒ペンダント(以下、「本編」といいます。)の新出設定の解説および有料あとがきです。
 有料あとがきでは本編からの引用にコメントしていく方式で、描写の解説、意図の説明、書く上での配慮や注意点、悩んだ部分、コンセプトが与えた影響、没案の開示等を行っています。
 性質上ネタバレになりますのでご注意ください。

本編へのリンク

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設定集

キャラクター


・エルレリーフ

 エルフ族の女性。
 一流の付与魔術師で、魔道具の可能性を限界まで引き出せると評価されています。
 経験豊富かつ好奇心旺盛で勤勉なので、ギルドから未知の素材の解析チームへの参加を依頼される事もあります。
 よく人を褒める人で、他者と関わる事を好みます。
 かつてはギルドに所属していました。

・ドルヴァン

 ドワーフ族の男性。
 凄腕の職人です。
 魔術による加工にもそれ以外の加工にも精通しています。
 町でもトップクラスの工房に在籍していました。
 エルレリーフによる熱心な勧誘を受けて共同で工房を設立しました。

・トリア

 女性。
 ギルドの職員です。
 彼女の主な業務は魔道具の作成依頼者と作成者の仲介です。
 特に、高難度な異界探索に使う魔道具はしっかりと困難に対応できる物でないと命に関わるので、ギルドが収集した知識を把握している彼女達ギルド職員の存在は重要になります。
 エルレリーフとは彼女が独立する前からの友人です。
 
・秩序と強欲の竜

 経済によって財宝を増やすことを目論んだ竜です。
 賢者とも呼ばれる人物の儲け話に乗って町の支配者兼庇護者となりました。

組織

・ギルド

 冒険者のサポートや異界の情報収集、町の治安維持、依頼の管理、その他諸々を一手に担う組織です。
 支配者である竜がとても怖いので横暴な事はしません。

・ドルヴァン&エルレリーフ魔道具工房

 エルレリーフがドルヴァンと立ち上げた魔道具工房です。
 エルレリーフはドルヴァンが加工した物に自分が付与するという順番だから、という理由でドルヴァンを説得してこの名称にしました。
 生産品の質が高く、細かく難しい注文にも応えてくれる事から指名依頼もあり、ギルドからの評価も高い工房です。

用語


・異界門(いかいもん)

 異界へ繋がっている、宙に浮いた石板状の物体です。
 物体自体には触れることができず、通り抜けてしまいます。
 通り抜けた先が異界になっています。
 爆破してみようとした人がいましたができませんでした。
 異界にはさらに異界門がある事が確認されており、その数が複数の場合もあります。
 異界に進んで行く門は入口、町の方に戻って行く門は出口と呼ばれています。
 出口の中には緩やかに回転し、特定の角度になると暫く停止した後、再び回転を始めるという動きをする物があります。
 これは入口がある方向を指しているとされています。
 また、入口は常に出口の方を向いているようです。
 門の周囲は何もなく、異界の存在も近づきたがらないようなので安全地帯として扱われています。

・付与(ふよ)

 道具を魔術により精神世界に取り込み、道具に宿る概念を操作したり術者のイメージを反映させることで魔道具として作り変える技法です。

・魔道具(まどうぐ)

 付与を行った物品全般を指します。
 冒険用から日用品まで様々です。
 秩序と強欲の竜の町の名産品でもあります。

場所


・秩序と強欲の竜の町(ちつじょとごうよくのりゅうのまち)

 異界門とギルドが存在し、様々な人々が暮らしたり、拠点にしている場所です。

・毒樹雨林(どくじゅうりん)

 毒に汚染され切った場所です。
 発見された異界門は1個です。
 空気に触れる事すら危険なので対処をせずに入り込めば即座に死にます。
 獰猛な魔物の存在が確認されており、異界内での戦闘を考える必要があります。
 ギルドによる強い規制が掛けられており、ここで入手できるものを対象とした管理が行われています。

魔道具

・耐毒ペンダント

 身に着けた人の体表、体内の毒を吸収し蓄えるペンダントです。
 秩序と強欲の竜の町では、他の魔道具の需要が高いため製作優先度が低く、若手の付与魔術師が試しに作った物が主に流通する程度です。
 体表に防護膜を張る機能、体内から毒を排出する機能の二つが必須とされます。
 防護膜は全身を余すところなく覆う事、また大量の毒を浴びた時、漏れ入る事のないようにする事がそれぞれ難しい点とされています。
 体内から排出する機能は、毒の検出と排出を早く正確に行う事が難しい点とされます。
 さらに排出をどれだけの速度で行っても、毒によるダメージが発生し蓄積するため、あくまで耐毒であり無効化ではないとされています。
 使用の際には、毒の防護失敗や検出漏れが起こる危険性があるため、別途解毒と回復の手段を持っておくことでより安全性は増すでしょう。
 また、蓄えられる量には限界があるため、長期間使い回す事は避けるか、現在の蓄積量の表示機能等がある物を使うべきでしょう。
 町の外での需要はありますが、毒殺に警戒しなければならないが、大っぴらに買い求められない層が主で、さらに外見や機能に多くの偽装を施す必要があるのでギルドが極秘に請け負い表に出る事はありません。

素材

・ヤドリギ鉄

 異界で採取できる寄生樹の一種です。
 枝は木でありながら鉄のような性質も持ち、インゴッドにして様々な用途に使います。
 付与を行う場合、寄生するという特徴に着目し、対象から何かしらを吸収するという方向でイメージが行われやすいです。

・木緑石(もくりょくせき)

 異界の木のコブから発見される石の内、緑色の物の総称です。
 異界の菌類の中には鉱石を生み出すものがおり、それによるものではないかと言われています。
 生成過程で中に虫等を閉じ込める事があり、琥珀の様に鑑賞される場合もあります。
 付与の際は、透明度や内包物によって引き出せる物が変わりますので、付与魔術師は職人とよく打ち合わせる事が重要です。


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