ミリも765ASも知らん人間がミリアニ観てきた(第1幕編)
※本noteは劇場版ミリアニ第一幕のネタバレを含みます! 未視聴の方はご注意ください!
どうも。シャニマスの浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んでるオタクです。
いつも通りTLを徘徊していると、シャニマスのフォロワーが「ミリアニ良かった、早く観に行け」と口を揃えて言い出したので、何も知らんけどとりあえず観てみるかぁ!って軽いノリで行ってきました。
まあデレアニもエムアニもU149もミリしらで観てめちゃくちゃ面白かったし(アニマスはこれ書いてる最中に観た)。
1話:魂がアイドルの形をしている女、春日未来
まず感心した事が、映画が始まる前の諸注意を事務員の青羽美咲さんがやっていたことだ。いきなりアニメが始まるのではなく、ワンクッション、没入感を高めてくれてめちゃくちゃ良かった。シャニでもやってくれ。はづきさん、いけますよね?
それでアニメが始まる訳なんだけど、春日未来って君だったのか……。俺はてっきり一時期話題になった激エモSSRの松田亜利沙のことをミリマスの看板、春日未来だと勘違いしていた。私はこのレベルで765ASもミリマスも知らないので、いろいろとご容赦いただきたい。
「ミリオンはとにかく明るい」というフォロワーの口癖通り、作品全体を通してパワフルに夢を描いている中で、この春日未来という女はとにかくすごい。常に前向きな言動をし、一緒にいるだけで元気になれる。パブリックイメージのアイドルそのものだ。
いわゆる信号機ユニットの「赤」のイメージが島村卯月や櫻木真乃で固まっていたにわかにとって、こんな快活な女の子が作品の顔と言われた事に驚きつつ、ミリオンはだいたいこんな雰囲気というのがスッと入ってきて良かった。天道輝? いやあれはなんかもうそういう次元じゃない……スパダリ。
とにかく春日未来は一挙手一投足だけで人を元気づけ、導く。魂がアイドルの形をしているとしか思えないとんでもない女。最上静香だってそりゃ落ちるよ。
2話:歌いなさい最上静香! 誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために!
ここで泣きました。
視聴済みP、"理解"ってくれるよな?
これも初見で驚いたんですが、最上静香14歳なんですよね。14歳ってまだ義務教育の段階だし、もっと友達と馬鹿騒ぎしていてほしいし、将来のこと考えるにも「どの高校に行こうかな」って年齢だし、夢を見るにしても「宇宙飛行士になる」みたいな突飛なことはもう言わない年齢なんですよ。めちゃくちゃ真面目にアイドル夢見てる……。
しかも、子供からすると逆らいようがない「神」である親に一度反対されているにも関わらず、こっそり目指すのではなくもう一度話に行く。おい親父、子供が夢を見れない世界は間違ってると思わないのか。
この過程を見て最上静香にアイドルという夢を叶えてほしいと思うのはごく自然だろう。おかしい、30分前に知ったはずの女の子の夢をこんなに応援している。
しかし現実は残酷だ。真面目すぎる性格が祟ったのか、オーディション当日もガチガチに緊張してるし、本番でも1人だけ笑顔じゃないし、躓く。おい765プロ!!! 最上静香はこんな子じゃねえんだ!!! もう一回やらせろ!!!
しかし、一緒に練習していた魂がアイドルの形をしている女と天才がその背中を押した。ステージの上で彼女たちはずっと頑張っていた。そしてお互いを信頼していた。背中を押すだけで最上静香は合格できると。
頼む、2話だけでもいい。全人類見てくれ。まだ観てない不届者をピクミンのように映画館へ放り込んでくれ。間に合わなくなっても知らんぞ。
3話:ミリマスの"洗礼"
ミリしらが泣いた直後に待っていたのはミリマスの洗礼でした。
よく分からないオブジェを作ってたり、メリーゴーランドの馬に乗って登場してきたり、事務所でキャッチボールしていたり、なんか1人だけカートゥーンみたいな挙動してたり。
ここにはまともな奴がいないのか!?
あ! まともそうな人が来たぞ! 助けて!
「先輩……(ウットリ」
救済と思った先も罠だった。蟲惑魔か?
ただこの七尾百合子さん、うまく言語化できないんですけど、ミリマスをやるならこの子をプロデュースしたい……。凡人が努力する話がめちゃくちゃ好きなんです。不快になる方がいたら申し訳ないのですけど、七尾百合子さん、作中で明らかに「ダンスが上手い訳ではない」と描写されていたんです。でもそこで終わるのではなく、コミカルではありますが1期生として受かってからずっと努力していた言動が伺えていて、その努力が身を結びかけている過程であることが察せられます。彼女を嫌いな人は道徳学び直した方がいい。
あと、3話であらためて思ったのはミリマスは感謝を重要視してそうだなと。1話におけるジャングルジムでの2人はまあ分かるんですが、工事現場の監督や現場作業員にも大きな声で感謝を伝える、現場作業員も感謝を返すといったことが当たり前のようにされていて。数少ない知ってるミームの一つに「ありがサンキュー」があったり、『Thank You!』という曲があったり。
感謝って、当たり前なんですけど相手がいないとできないんですよね。サブスクで事務所で10曲ずつプレリ作って布教しあった時にも思ったのですが、ラブソングというか歌詞に二人称が耳に残る歌が多く、ファンとアイドルの繋がりを強く感じました。
4話:中村P、死にたまふことなかれ
アイドルたちがこれでもかと大暴走しています。社会の基本である報連相など知ったことか! 伝言ゲームにつぐ伝言ゲーム! 根拠のない噂を元にやたら行動しまくる! そしてだいぶ不味くなってから大人が気づいて修正が後手後手に回る! やめて! プロデューサーがストレスで死んじゃう! ただでさえチーフも社長も助けてくれないのに!
まあ暴走していたアイドルたちは、基本的には夢ややりたいことに向かってがむしゃらに突き進む青さを全面に押し出していたため「お前らさ〜〜〜!」という溜息は出ても、コメディ調で描写されたのもあって笑いながら観れました。
逆に暴走しなかったアイドルの対比が少し面白かったです。特に印象的だったのが、野々原茜と周防桃子だ。
野々原茜は一番暴走しそうに見えて、グッズの制作から受発注まで一人でできる程に社会性がある(=大人)という伏線が張られていた(ように見えた)。彼女がいたから視聴者が笑いながらも「これはミリマスでも不味いこと」と認識させてくれた。これすごく大事で、3話がかなりトンチキすぎてどこまでがギリギリセーフなのかやや分からなくなってました。だってチュパカブラになって崖登る事務所だし……。
周防桃子は、年齢だけでいうと子供なのに、芸歴が長い(ある意味この中で一番大人?)ためか現実的な意見を突きつけた。推測なのだが、新人である中村Pよりも社会人歴が長いのだろう。そして、年齢と芸歴のミスマッチが悪意なく空気を悪い方向に変えてしまった。空気的には一瞬悪役のようになってしまっていたが、中村Pにアレは言えなさそうだから、むしろ感謝していた。なんでこんな真面目ないい子にメタル桃子とかいうミームが広まってんだよ。 346ほど大規模ではなく、315ほど大人びてなく、283ほど芸能界のノウハウが無いわけではない。このアイドルによる自浄作用のようなものにこそミリオンらしさをなんとなく感じていた。
これはすごくどうでもいいんですが、中村P、飲みに連れて行って酔わせてオイオイ泣いて欲しくないですか?
あの適度に「私が支えてあげなくちゃ」もっというと「私にだけは弱音を見せて」と思わせるような雰囲気はなに? 中村Pが後輩気質だからとかあるかもしれないが、この気持ちを突き詰めるとたぶん樋口円香(シャニマス)に近くなる気がする。というかシャニPからホスト営業と唐変木とたまに出る気持ち悪さを抜いて後輩属性を足したら中村Pにかなり近づかないか?
終わりに(+お気持ち)
ミリオン、めちゃくちゃ面白かったです。
全体的にハイテンションであり、夢や大人と子どもの間で起こる葛藤を明瞭に描写してくれていて、アイマスどころかアイドルコンテンツを全く知らない人でも楽しめると思います。何ならミリアニからアイマスシリーズって結構入りやすいのではないでしょうか。
追記:第二幕の感想も書いてます!!
ここからはお気持ち表明になります。
気分良く読み終えたい方はここまでで読み終えてください。
私はハッキリ言って765ASが好きな人にあまり良い印象がありません。
誤解がないように先に言うと、このnoteを書いている間に私は765ASのアニメと劇場版を観ました。これまたすごく面白かったですし、泣きましたし、好きだと言う気持ちは分かります。アニメを見終わったあとも色んな人と語りたい、感動を共有したいという気持ちはあります。
ではなぜそのようなことに思うかというと、あまりにも神格化されすぎているからです。
以前sideMに興味を持ったのでアニメを観ようかなと思ったら「いや、アニマスと劇場版観てからにしてほしいな」と言われました。
冷静に考えてください。今から1クールのアニメ観ようかなって思ってる人に、別作品の2クールアニメと2時間の映画を観せるのはあまりにも異常です。本来観ようと思っていたタイトルなどたどり着く前に投げ出されてもおかしくありません。なんでわざわざ派生作品が作られているのかという。
コンテンツの積み重ねによるエモの連鎖など言いたいことは分かります。私のように765プロそのものを避けるような結果に通じる可能性があります。
今回のミリアニにしても「いやーアニマスと劇場版観てからのがいいよな〜!」という声がよく聞こえていて、「あ、じゃあ観てない俺は対象外だからいいか」なんて思っていたくらいです。
逆になんで観たかというと「事前知識なくても楽しめるよ」という友人の一言のおかげです。現に私は765ASもミリオンのアイドルも全然分からない状態で楽しめました。シャニマスに最初に触れた時も「アイマスの事前知識はいらないよ」と言われたことは大きかったです。
765ASが素晴らしいことは分かります。ただ、今からアイドルマスターシリーズに触れようというその人が765ASを嫌いにならないかどうか、ミリオンまで避けるようにならないかどうか。少しだけでいいです。考えていただきたいです。
私のアイマスブランドの視聴順番はかなり変わっているかもしれません。ただ、最終的にはアニマスを劇場版までしっかり観ました。どうせ沼に落ちるやつは勝手にそこまで落ちます。
私はミリアニもアニマスも楽しめました。ただ今でも765ASを優先しすぎる人は好きではありません。
逆にこれは未来の自分に対してのお気持ち表明でもあります。シャニソンがリリースされたあと、「いやーenza版のこのコミュ無しには語って欲しくないなw」とかいうクソオタクになるなという自戒でもあります。なんでわざわざ派生作品になったのか考えろ。新規を取り込むためだ。新規がいなくてはコンテンツは緩やかに死ぬんだ。腕組みして黙って見守ってろ。沼に落ちるやつは勝手に落ちるか聞いてくる。
自分がかつて偏見を持っていたアイマスブランドのオタクの一員になり、このnoteだけで5000文字近くも書いてるんだから。