低気圧のせいにして 〈コップ一杯の夢と適量のノンフィクション〉
不安定な毎日が続いている。沖縄は梅雨明けしましたが引き続き災害級の大雨が警戒されるでしょう、などという決まり文句を毎年耳にする。
おっかなびっくり洗濯物を部屋干しにしたら快晴になるし、かと思えば急な通り雨に遭遇する。晴れが数日間続いて本当に梅雨か疑うが、休日に限って豪雨になったりする。7月になっても晴れたらウグイスがさえずり、気の早い蝉の鳴き声がする。日差しというより湿気で暑い。部屋干しに便乗して、エアコンとサーキュレーターで涼を得ている。
なんだか妙に頭が痛い。気圧病というものだろうか。とはいえ農作物の観点からすると雨が降ってくれないと冬の野菜が高騰してしまう。仕方なく、部屋の掃除や料理、読書などに費やしている。しばらくの辛抱か。いい天気とはなんだろうか。晴れに限定されるわけではない。ラジオをつけたらちょうど好きな曲が流れ出したり、だらだらとお菓子を食べたりできるのも良い。肌は少し荒れたけど。
そうだ、窓が雨で汚れるのも、なんだか頭が痛いのも、車に泥水をはねられるのも、低気圧のせいにしよう。割るのに失敗した卵も、ふみ潰れた靴の踵も、湿気でベコベコになった書類も、全て低気圧のせいにしよう。お菓子で顔にできた吹き出物は、自分で改善するか…。
止まない雨がないように、降らない空もないのである。そしてそのあとの虹と、上昇気流に乗って夏への期待を高めていきたい。