運動会の思い出
小学生の頃から、運動会の徒競走ではたいていビリだった。
それなりにマンモス校だったので、私よりも脚の遅い人が居そうな気もするのだが、それでもだいたいビリだった。
単純に筋力がなかったり、不器用というのもあるけれど、それ以上に、自分の思い込みが激しかったからじゃないかと思っている。
こどもの頃の私は、ちょっとばかしコダワリが強かった。
定位置が自分の中で決まってしまうと、それ以外の場所にいるのが落ち着かなかった。
そんなワケで〈かけっこの時は自分の後ろに誰かがいる〉という状態が不安だった。
常にしんがりを走る事に心の安定を求めていた。
自分の先を行く子がスピードダウンすると、私もスピードダウン。
前の子が転んだりしたら、その脇を抜いて走っても、気持ちがもやもやしてしまう。
単なるこだわりを引きずったまま高校を卒業し、社会人になった。
オトナになってもドン臭いのは相変わらずだったが、職場の先輩にランニングに誘われるようになってから、少しずつ〈誰かの前を走る〉ことに不安を感じなくなっていった。
ホントにあのこだわりは何だったんだろうか。
いまの感覚で小学校からやり直したら、ビリじゃないゴールもあったんだろうか。
こればかりはもうわからないままだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?