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身の回り30cmの話:人は食べた物でできている

 私は、40代前半だったある時から、唇がボロボロになって、皺の部分の何ヵ所もがぱっくり割れて隙間から汁や血が出てそれが琥珀のように黄色く固まったり、唇の端がひとときも途切れず切れていたりする症状に悩まされていた。そのうちまぶたがただれて汁が出たり、目の下や頬が赤く腫れ上がって汁が出て、まるで誰かに殴られた直後のようなひどい顔になっていった。

 初めの4~5年は皮膚科の個人病院や総合病院、鍼灸医院など7~8箇所を巡ったが、どこも原因は分からずで、アトピーだとしてステロイドを処方されるのみだった。そしてそれを1日4回も5回も塗りたくっても全く効果はなかった。(そんなに塗ってはいけません)

仕方なく自分で数年がかりで色々調べてわかったのが、とある食物アレルギーだった。病名さえ予測できれば病院はすぐに見つかる。診断を受けるとやはり「遅発型食物アレルギー」だった。しかも「かなりの重度」。それまでどの病院のどの医者も、遅発型の「ち」の字も言ってくれなかった。それで治療を受けて、今は99%治っている。

今にして思えば、私は運が良かった。というのも、このアレルギーの原因は皮膚そのものでなく、腸にあるからだ。そして腸の不調は食べ物にあるからだ。

私は料理には結構気をつけていた。添加物のある調味料はほぼ使っていなかった。が、お菓子だけは我慢ができず、毎日ケーキを食べ、チョコレートを食べ、ポテトチップスを食べていた。そこまででなくても、添加物だらけの食事や精製した調味料を使った食事を摂っている人は、たくさんいると思う。私も白砂糖や一番安い精製塩を料理に使っていた。

考えてみてほしい。口から体内に添加物や精製物をたくさん入れて、内臓を通り汗や尿や便を排出するのに、体内に過剰な負担を生じさせていることを。それが吹き出物になったり便秘になったりするだけでなく、その人の弱い臓器を「病気」の状態にさせているかもしれないことを。

私はたまたまそれが顔の皮膚に出て、わかりやすかったのがよかったのだ。もしも内臓だったら、外科に行って手術を受けて、治ったとしても食生活を改めない限り、またどこかが病気になっていたはず。原因がそのままだから、エンドレスで病気になっていたことだろう。皮膚科の医者すら思いつかないのに、内科や外科の医者が「ち」とひとこと言ってくれるとは思えない。

さて、言いたいのはここから。これを読んでいる方、食生活には本当に気をつけてほしい。添加物の多い食事は減らしましょう。添加物いっぱいの調味料も減らしましょう。精製した調味料もできるだけ使わず、ミネラルの残った自然な砂糖や塩を使いましょう。

そういう調味料は値段が少し高い。でも、肌が荒れているからといって高い化粧品や薬を買ったり、エステに行ったり、体調が悪いからといって病院に行ったりするほうが、ずっとお金がかかる。肉体的、精神的な負担も大きい。食生活にちょっとお金をかけるほうが、長い目で見ると、よほど安上がりなのだ。

 「人は食べた物でできている」と言われるが、本当だなーと、つくづく思う。そして、同じようにつくづく思う人を増やしたくない。とにかく、食生活を見直してほしい。心がけでなんとかなるレベルのものであれば、誰もが心がけてほしいと思っている。



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