ZAZEN BOYS 武道館公演
2024年10月27日、ZAZEN BOYSの武道館公演に行ってきました。
余りにも興奮が冷めず、ウォークマンでZAZEN BOYSを聴き続け、それでも興奮は収まらないここ2週間ばかりの日々です。
ZAZEN BOYSについての説明は省きます、これを読んで貰ってる方はきっとご存知だと思うし、何より既に元NUMBER GIRLの肩書きを外してもこのZAZEN BOYSと言うバンドはメンバーそれぞれの特徴がぶつかって強烈な個性を放つ日本唯一のバンドだとこの日、改めて確信した。
ドラムの松下敦はZAZEN BOYSのボトムを支える太く逞しいドラミングで武道館を鳴らしてた。
時折り叩くハイハットの少し上にあるスプラッシュシンバルを要所で叩いてて、それが祭囃子に聴こえるチキチキっとした楽器のようで(名前が分からない楽器)、それが太いリズムの中に小気味良さを加えてて良かった。
ベースのMIYAは叩きつけるスラップとうねるベースラインで武道館を低音で掻き回してた。PAの設定か今回ベースがよく聞こえてたからか存在感がとてもあった、COLD BEATの高速スラップも良かったけど、はあとぶれいくや八方美人でやってたゴリゴリのピック弾きが個人的に好きな音だった。
MIYAの加入はZAZEN BOYSに特に大きな変化をもたらしてるよな、と思う時がある。
ZAZEN BOYSの歴代ベーシストは3人、初代のひなっちはオラオラの客煽り、二代目の吉田一郎は無骨な職人でお客さんへはお辞儀程度、そして3代目のMIYAはお客さんへハンドクラップを要求したり、感想でカチャーシーを踊ったりしてお客さんとの距離を縮めようとしてる。優しさみたいなものを感じるステージングなのに繰り出されるベースは強烈にゴリゴリで、そのギャップがヤバいと武道館に回る低音を浴びながらそう思った。
リードギターのカシオメン(吉兼総)は、ギターの音色やフレーズに釘付けになる度に訳分からんギタリスト、唯一無二なギタリストだなと思う。
WEEKENDで見せるニューウェーブかつアウト感たっぷりなギターソロを聴かせたと思えば、SUGER MANやKIMOCHIではブルージーなフレーズを弾く。フレーズの幅が広いだけでなく、その時に選ぶ音がドンピシャにハマってとても気持ち良く自分に響いてくる。ZAZEN BOYSの曲に彩りを加えてるのはカシオメンだと思ったと同時にとてもクレバーなギタリストなんだと思った。ZAZEN BOYSには必ずこのギタリストが必要だ。
向井秀徳について書こうと思ったが、もう分からない。でも、何となくこれまでのキャリアを通して一本筋が通ってる感じがとても好きになんだなと思った。
最初はメガネを掛けた男が難しい言葉を使ってとにかく叫んでいる姿に釘付けになり、段々歌詞を見てみると情景が浮かんでくる情緒的な歌詞な事に気付き、荒々しい歌声とのギャップに惹かれた。弾き語り形式のアコエレのライブに行ってみると、ギターサウンドと歌詞の言葉の力強さに飲み込まれた。KIMONOSで繰り出されるニューウェーブなサウンドも他のバンドでは聴けない変幻自在な音像とLEO今井との良いコンビネーションを見れて楽しい、いつぞやの野音で2人で歌って舞台を後にしたKIMOCHIが良かったな、と話が逸れた。とにかく向井秀徳が紡ぐ歌とサウンドに自分は魅了され続けている。
肝心の武道館のライブ内容については、所々の瞬間でしか覚えてない…とにかく熱狂してた。座りながら体を揺らし、後半は時々立ち上がりながらメンバーが繰り出す音に心酔していた。
覚えてる箇所
・武道館の天然リバーブかかりまくりなのにイヤモニ無しでブレイクを決め切るZAZENのメンバー。
いかにMATSURI STUDIOでセッションを繰り返してたか、呼吸があってて最高だった。
・ポテトサラダで向井とピロリンマンの戯れが大写しになる、シュールで笑った。
・sabakuで最後の歌詞を楽しいに変えてくれて泣きそうになった
・後半でミラーボールが活躍、冷凍都市に煌めく夜景のような、人々が抱く夢のような輝きだった。
何の曲で使われたかは忘れてしまった。
・バーカウンターのMC
・4のシンセ活躍曲がアレンジされてて良かった。
I don't wanna be with youとsabakuの繋がりにグッと来た。
・RIFF MANとハードリカーを同じライブで演奏するの初めて?どちらもアレンジ冴えまくりだった。
・自問自答、asobi無しのセットリストでも3時間武道館を熱狂させられる、それぞれの曲としての強さを見せつけられた。
こんな感じかな…
しかし、唯一の懸念点とすると、立ち上がっても良いのか問題。ライブ当初は向井秀徳に促され皆座ってライブを見てたが、第二部に入るにつれ段々と立ち上がる人が半分くらい居た。私はアリーナだったのだけれど、周りも立ちだして自分の後ろも立ってたので大丈夫かと思って激しめの曲の時とかで所々立ってしまい、周りを気にしてライブを見てしまった事を思い返すと自己嫌悪に陥ってしまっている。
色々な感情が渦巻いてるけどライブは最高だった、ZAZEN BOYS最大キャパの会場だけど特別感がなかった事が何より良かった。これからもZAZEN BOYSのサウンドは進化する、向井秀徳の言葉は続いていくんだなと感じた。本当に行けて良かった。活動を続けてもらいありがとうございました、という気持ちになっている、これからもずっと聴き続けます。ライブ盤も出るようだから、この余韻に浸りながら待つ事にしよう。
最後にお祝いの花の写真。
ファン有志の花めっちゃ良かった、あとホルモンの存在感が面白かった。